先生と僕

著者 :
  • 双葉社 (2007年12月1日発売)
3.55
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本棚登録 : 1540
感想 : 287
3

ココロまろやかになるミステリ

最初の一行]
一歩進むたびに、チラシを手渡される。そして立ち止まるたびに、声をかけられる。

最後の一行]
「またね」

経緯]
この作者は好きだ。図書館で借りてきた。

内容]
臆病で優しい、しかし写真を撮るように見たものを覚えることのできる大学一年生の伊藤二葉クンが、猫のような美少年でリッチなちょっと大人びた、しかし意外に生意気ではない中学生の瀬川隼人クンと知り合い、日常的な謎に挑む?
人死はないが、ミステリ。
テイストは「名探偵コナン」。
ミステリが苦手な二葉クンに隼人君が宿題として渡している作品は「押し絵と旅する男」「二銭銅貨」「シャーロックホームズの叡知」「黒後家蜘蛛の会」「猫は手がかりを読む」「天から降ってきた泥棒」「六の宮の姫君」。

感想]
のんびり気分で日曜日読書にちょうどいい。
魅力は二葉クンのへなへなな性格が大きいと思われる作品。いつまでもへなへなでいてほしい。

ほとんど二人の中だけで話が進んでいくが、もうちょっと登場キャラが増えてほしいような気もする。推理小説研究会の面々とか。

続編希望。
二葉クンが殺人事件に巻き込まれる長編なんかもおもしろそうだけど、気の毒かな?

▼簡単なメモ
2011.12.10読了。
2022.7.9再読。読んだことを完全に忘れてた。読んでも思い出せなかった。

【伊藤二葉/いとう・ふたば】→二葉
【課題図書】隼人くんが二葉くんに渡した課題図書は『押絵と旅する男』、『シャーロック・ホームズの叡智』、『黒後家蜘蛛の会』、『猫は手がかりを読む(2)』、『天から降ってきた泥棒』、『六の宮の姫君』。
【白井】同級生で水泳部。名前を裏切る黒い日焼け。区民プールの監視員でつぶれる一年の夏。
【推理小説研究会】意外にミステリおたく的でなくミステリを読まない先輩もいたり文芸部に近い。
【瀬川隼人/せがわ・はやと】→隼人
【ハモン】ハムスター。ジャンガリアン。
【隼人】十三歳。T学園中学校一年。二葉が家庭教師することになった。逆にミステリを教えてもらうことになった先生でもある。探偵のように鋭いがどちらかといえばモリアーティ教授的。猫のイメージ。ジャニーズ系正当アイドル的ルックス。
【二葉/ふたば】十八歳。S大学の学生。本好きだが人が殺される小説は読めない怖がり屋。押しには弱い。人畜無害な農耕民族っぽいらしい。負の想像力が高く「箸を落としただけで脳の病気を疑う心配症」。常に災害発生したときのことを考えている。地球温暖化も怖いし施設の老朽化も怖い。写真を撮影するように記憶することができるが才能の無駄遣いをしているフシがある。
【みゆ&ともこ☆】万引きしそうだった女子高生たち。
【山田順次/やまだ・じゅんじ】大学入学後初めてできた友人。推理小説研究会に入部したが勝手に二葉の入部届けを出してしまった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 好感あり
感想投稿日 : 2011年12月10日
読了日 : 2022年7月9日
本棚登録日 : 2011年12月10日

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