中身はどのページをめくっても眼福&垂涎。
なにとぞ2とか3とか以下続巻しますように!
寝る前に眺めてセロトニンだばだば出して寝る用。

2024年4月27日

読書状況 読み終わった [2024年4月27日]

学研M文庫で2巻に分冊して出てるのだけど、縁があってソフトカバーの単行本版をげっと。
これなんで読みたかったのかなぁとど忘れしつつ、欲しい物リストに長らく入ってたので。
石関連なのは間違いないんだけど、「草木 動物 金石の魔法」の項目かも?

2024年3月30日

ナヴァール王妃のエプタメロンも読んでみたいな~と思って探してみたら、ちくま文庫のは27/72しか載ってない抄訳だとか。
完訳は澤木譲次さんのエプタメロン上下巻かな?ただし電書しかないという。
紙の本で読みたい!
他はアウロラ叢書の単行本なら売ってそうだけど…。

2024年4月27日

読書状況 積読
カテゴリ 海外文芸

昭和51年発行の本で既に多様性の時代、と言われてることにおかしみ。

監獄の項目に野尻抱影の英文学裏話とあったけど、正式タイトルは『英文学裏町話』
『ろんどん怪盗伝』は2011年にみすず書房で復刻、検索してたら出てきた『大泥棒紳士館』も気になる。
日本の本はまだ見付けやすくていいなぁ。ただし昭和51年以前に出版の物が多いので、復刻されてないと入手は厳しそうだけども。

日本の褒賞、紫綬しか知らなかったわ。紅綬、紺綬、緑綬、藍綬、黄綬といろいろあるのねぇ。
フロッキー加工の元祖は17世紀の壁紙のために編み出されたフロックという技法かな。
園芸大国のイギリスでも1860年代には切り花で室内を飾る風習も、墓に花や花輪を供えることも一般的では無かったそう。
それ以前に花が飾りに使われていなかったわけではないけれど、その場合は花輪(リースなのか花冠なのか不明)にしたり花を床に撒いたりした。
花や香りの良い草を床に撒くのは結構聞いた話ですね。土足文化だなぁ。
めがねのレンズには初期には水晶やアメシスト、ベリル類が使われていた(中国ではトパーズも。
その頃のガラスは品質が良くなかったので、ガラス製のレンズを作ることを法律で禁止されたところもある。
噴水でも凄かったけど、ベッド413台とかルイ14世エピ強すぎる。
逆にヴェルサイユにトイレが264しか設置されなくて、全然足りずに間に合わない時は王侯貴族でも庭に出て野○そというのががっかりエピソード(笑。

パブの正式名称がパブリックハウス!?という初耳学。
この辺は未読のビールの文化史の方に詳しいかな。全2巻と力はいってる。
紅茶は1巻なのに!

2024年3月31日

タイトル通り雑学案内なので同作者さんの文化史の本と比べると個々の内容は薄め。
だいたいこの分野はこの本が優れているみたいな、本の紹介がメインなのだけどほぼ海外の本なので、翻訳済みのタイトルだと原題がわからないので探しづらいかも?

タロットはタロットからトランプに分かれたという説を取ってるけど、近年の本では最初にトランプがあってそこから分かれたという説の方が有力っぽい。
この時に手に入る限りの文献での説なので、内容が古い物も結構ありそう。
蝶の蒐集は最も高貴なスポーツという一文に、なんだか鉱物でも似たような話を聞いたような気がする。どの分野でも自家採集家はだいたいそうかも。
『Butterfly farmer』L. Hugh Newman
これおもしろそうだったなぁ。蝶の農夫!
カレンダーはローマ時代の石暦が万年暦としてかなり完成されていて、上部に七曜、真ん中に12星座、その左右に1~30までの数字があり、そのすぐ側に木の棒を刺す穴が開いているというもの。
ベルサイユ宮殿には噴水が1400もあったとか。この本が出た時点では607が残っていたそう。いやそれでも多すぎる…!
ギリシャ人のカギは3フィート(90cmちょっと)もあるものがあって、場合によっては自己防衛のための武器になったそう。
ローマでも2フィートくらいの長さの物があって、外出時はお付きの奴隷に持たせていたという話が載っていました。
植物園/植物図、月、鍵あたりは単品で文化史で読みたかったですねぇ。
入浴なんかはおしゃれの文化史の方が詳しいです。エピソードもかぶってましたし。

2024年3月31日

読書状況 読み終わった [2024年3月31日]

旧字体だったのでちょっとがんばって読了。
乃至は『ないし』かー!文脈的に『または』と読み流してました。あとでぐぐった。まぁ概ね意味は合ってた。

乗るか反るか~のことわざの元は動物の角を使ってスプーンを作っていた事から。
(角がダメになるか、スプーンができあがるか)
正式には「乗るか反るかやってみよう、わずかの危険で目的が達せられる」という文言。
平安時代には大陸から渡来したと思われる『さじ』が貴族階級では箸と供に使われていた。清少納言の枕草子にも書かれている。
西洋のスプーンが一般に知られるようになったのは、江戸時代末期。
フォークの背に乗せて食べるのは旧英国式。
古事記に箸の記載があるので、少なくとも古事記が編纂された時代には箸は普通にあったのであろう。
最初期には二本の棒ではなく、一本の棒を折ってピンセット状につかむ物だったという説がある。
江戸時代の将軍の食事作法に一品につき二箸までしか手を付けてはいけないというものがあって、料理人は十人前ずつ料理を作り、将軍が二箸手を付けると皿を交換して三回までおかわりしたという話が伝わっている(第十四代将軍時。
108pのフレーズ引用に心から同意する。これは東西関わらずだなぁ。
日本のある農村では、竹箸は葬儀に使用するので普段使いは忌避される風習がある。

マカロンはあのカラフルなクリームを挟んだマカロンじゃなくて、マコロンの方だった…!
今パッと思い浮かぶクリームを挟んだのはマカロン・パリジャンと言って、1900年代初頭に産まれたとされているのだけど、この本にあるパリ風のマカロンはアーモンドを使って更にバニラの香りを付けた物というあっさりした説明。
Wikipediaを見てきたら、なんかマカロンの変遷の歴史だけで一冊本ができそうな気がする。
牛乳屋がクリームを無駄にしないために自社でアイスクリームの機械を導入して販売をはじめたのが、アメリカで爆発的にアイスクリームが流行ることになったきっかけの一つ。
これは200年近く前の話だけども、現代の日本の牛乳も捨てないで何とかならないのかなぁ…。
チョコレートの項目では、19世紀パリの王室御用達ショコラティエは薬剤師でもあったので、薬的なチョコレートの提供をして人気を博していた。
ブリア=サヴァランも龍涎香入りの「悲しき人々のチョコレート」を考案した。
有名なエピソードらしいけれど、チョコレートの世界史にも載ってたかな?あとで確認してみよう。

2024年3月18日

読書状況 読み終わった [2024年3月18日]

先に読んだ『食卓の文化史』とスプーン&フォークはかぶる物の、ちょっと付け足しもあったので全部通してしっかり読了。
フォークの背に乗せるマナーってイギリス式なのね。
フランスの作法書に感心すると載ってるそうで、フランス式ではやらないのかーと。
果物用ナイフはそれだけ他のナイフと柄が違って、銀、銀メッキ、陶器、真珠母、象牙、メノー、または半貴石製と小洒落た雰囲気。
アンティークのセットではそういうのも見られるのかな。

ジャガイモのエピソードでよく芋泥棒を利用して広めたとされるのが、フランスの農学者で薬剤師でもあるパルマンティエ(ルイ16世の援助を受けた作戦だったそう。
更にその元になったのがオランダのチューリップ盗難エピソードだとは…。
じゃがいもをポッケに入れておくとリューマチに効くなんていう風習は微笑ましいような。
アメリカ大陸発祥なのにアイルランドからの移民が北米に伝えてアイリッシュポテトと呼ばれているのもおもしろい。
馬鈴薯は元は中国の本から伝わった言葉で日本でのジャガイモの呼び名になったけど、中国ではまったく別の物(土豆)に付けられていた名前なのに、それが逆輸入されて今では(少なくともこの本の出た昭和50年には)あちらでもジャガイモのことを指すそう。

アラビアンナイトにコーヒーとタバコが出てこないのは、アラビアでコーヒーやタバコが一般化する前に成立した物だから、と訳者のリチャード・バートンが説明している。
邦訳だとちくま文庫版ですね。私が読んだのは岩波文庫の完訳版(マルドリュス訳)だなぁ。
初期のコーヒーは果実ごと煮出すのと中の豆だけ煮出すのと2種類の方法があったのですね。
世界初のコーヒーの宣伝のビラ@イギリスにコーヒーの消臭効果が書かれてて、他はほぼ今の科学では否定できることが多いけど意外といい線行ってる!
バッハのコーヒー・カンタータはその時代の王様にコーヒー禁止令を出されて、その抗議のために作られたというのもおもしろエピソード。

バーボンはトウモロコシで作ったウィスキーだったのね…!
お酒はもう全然飲まないのでねぇ。
さらっとおおまかな原料を知ってる原因が某大航海なMMOの影響ですし。
サトウキビ→ラム酒とか。

2024年3月23日

読書状況 読み終わった [2024年3月23日]

む、昔のお化粧品こわーい!
鉛白に水銀、みょうばん石…どれも続けて使うと歯が黒くなったり抜け落ちたり。
身体に悪いことを知っていても使い続けたというのが、そこで根性出さなくてもよかったんじゃって言う。
おしゃれさん代表的にエリザベス1世のお化粧が結構頻出するのだけど、おしろいを1.3cmくらい厚塗りしてたとか、お風呂には月1いやいやながら入っていたとか、最終的に歯がぼろぼろになっていたとか…。

大正時代のおしろいの名前に「白ゆり」「水晶おしろい」「御園の雪」など、優雅な名前が付けられていたんだなぁ。
マニキュアは最初はピンクばかりだったのが、南フランスで日焼けをするバカンスが流行ってから、日焼けした肌にピンクでは貧血したように見えることから赤い色のマニキュアが産まれたという。

17世紀初めから半ばにお胸ぽろーんするデコルテのドレスが未婚女性の間で流行ったらしい。
ちょっとおかしいのが、ドイツの本によると男性はデコルテそのものには大いに賛成しているけれど、出し過ぎると肉売り台の商品見本のようで微妙っていうなんとも言いがたい言い分が…。
当然ながらそうしたブームに聖職者はカンカンだったそうな。
まぁだいたいお化粧でもお風呂でもキリスト教の聖職者は文句付けがち。
キリストが手を洗わないで食事をしようとしたらパリサイ人(ユダヤ人のうちの何かと言えば清め洗い流す事を推奨した一派)に怒られたとか、そこは手洗って…???ってなりますわ。
外見だけきれいにしたところで中身が穢きゃしょうがないって事らしいですけど。
垢にまみれればまみれるほど信心の深い印とか、まぁちょっと理解しがたい感覚。
ほんと、食事前には手ぐらい洗って…??

オーデコロンのコロンってドイツのケルンだったのね…!
そばかすは一部の人にとっては健康美の象徴で賛美されていたそう。
肌の白いサクソン族に南方の血が混ざった結果生じた故。
石鹸を作る際に出た廃棄物はガラス工業に役立ったので、石鹸で盛り上がったブリストルにガラス工場が起こったりした。
これは平和的な感じがするけど、のちに廃液からグリセリンが回収されるようになると色々な化学製品ができ、そしてニトログリセリンからの…。
思いも寄らないことに繋がったりするのが化学の時代だなぁ。

2024年3月12日

読書状況 読み終わった [2024年3月12日]

虚構と現実が小さな数字の区切りがあれどシームレスに進むのが不思議な感覚。
欲しいのは設定だけのくだりで最近の某漫画家さんの事件を思い出したり。
子供の頃に読んだ本、めでたしめでたしばかりではなかったなぁと振り返ったり。
一番覚えているのは薄い絵本で持っていた赤い靴。
でもぐぐってみたら、一応罪を許されて天国に召されていくハッピーエンド?だったのを知ってびっくり。この辺キリスト教圏らしい終わり方。
踊り狂ってどこかへ行ってしまったエンドだと思い込んでました。
あとは人魚姫やナイチンゲールと薔薇あたりはちゃんとデッドエンドかなぁ。

肉体の反応は愛じゃない、というところはロマンチストに同意。
でもそれだけでもダメな気はしますね。理想論かな。
恋愛小説系ラノベ見てると、未だ強引に迫られて仕方なく絆されるのが人気でそれだけで愛?恋??と思わなくも無いですけども。バランスが大事では。
死期を悟ったら猫や象のようにひっそりフェイドアウトは確かに…理想的にも思うし、現代ではまず難しいなとも。
母親が亡くなってるのを見付けるシーンではほろりと来ました。
私も最近母を亡くしたので。
後書き含めてこの作品だなぁと思う。

2024年3月28日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2024年3月28日]
カテゴリ 恩田 陸

元の雑誌両方ともあるのだけど買うことにした決め手は紙質。
雑誌時より紙が厚くて丈夫!保存に最適!ってところです。
後は興味の無い連載記事もはぶいて再編してあるので、たっぷり鉱物成分だけ楽しめます。

2024年2月7日

読書状況 読み終わった [2024年2月7日]

ウニ殻、刺と表皮を落とさないと見えない部分なのになんでこんなに色鮮やかなんだろうなぁ。
美味しいだけじゃない!ウニの一面を知ることが出来るハンドブックです。
日本近海の種類なので、ビーチコーミングでワンチャン拾えるかも?というのも夢があります。
これの海外版が欲しい。

2024年1月31日

読書状況 読み終わった [2024年1月31日]
カテゴリ 自然・生物

アームチェアディテクティブならぬベッドディテクティブ。
警官の(推理作家の)視点で歴史ミステリを解明していくお話の古典とも言える作品。
これから読むとリチャード三世推しになり、シェイクスピアから入ると真逆になるという。
映画『ロスト・キング 500年越しの運命』も見てみたいなぁ。
映画のノベライズはなかったけど、『王家の遺伝子 DNAが解き明かした世界史の謎 (ブルーバックス) 』も関連としてメモ。
時の娘の作中作の『レイビィの薔薇』は架空の作品で残念。そうか、架空か…。

2024年1月18日

読書状況 読み終わった [2024年1月15日]
カテゴリ 海外ミステリ

上巻は神様寄りの話が多かったけど、下巻は英雄伝説やオデュッセイア、イーリアス、トロイア戦役など人間寄りのお話が多かったです。
英雄だなんだ言ってもやってることは強奪・強盗だったり、神様に呪われて妻子を殺してしまったり、なんとも言えない話が多かったですわぁ。
あと神様とそれに見初められた人間との子の末裔って、古代ローマでもやってたんだなって。ほんのり親近感。
邦訳でまじない師とか占者、予言者に対して陰陽師とあてているところがあって、微妙にフフッとしたり。
ともあれこうした概説書を読んでいると、ヨーロッパ付近の美術や文化に対して理解も深まる感じがします。

2024年2月12日

読書状況 読み終わった [2024年2月12日]

複数資料から引き比べてエピソードを盛り込んでるから、子供の頃読んだ話の元はこっちか~とか、おう…マジかってなる事も多いです。
何故かナルキッソスとヒュアキントス混同してました。
花繋がりだからかしら。
アポロンとダフネはベルニーニの彫刻を思い出しました。
略奪系ならプロセルピナの略奪もすごい。大理石とは思えない表現なんですよねぇ…。
ヘルメース・プシューコポンポスの響きについふふっとしてしまう。

バッカスの項目で石好きにはマストなアメシストの逸話出るかなって思ってたんです。
そしたらスルーだったのでアレ??って思って別の宝石の本調べたら、後世(16世紀)に作られた神話をネタにした創作なんだそうで…!あれ…意外とそういうの多いのかな…(疑心暗鬼。
ちなみにこういう話。
神々に馬鹿にされたバッカスが、むしゃくしゃして最初に会った人間をお供の虎に襲わせると誓いました。
そこに運悪く通りがかったのが月の女神の神殿に詣でる途中の乙女で、虎に追われて女神に助けを請うたら間一髪で真っ白な石に変えられました。
のちにバッカスは反省だか後悔だかして、白い石に変わった乙女に葡萄酒(または葡萄汁)を注いだら美しく輝く紫色の石に変わったと。その乙女の名前はアメシストと言いました。
もう一個バッカスとアメシスト絡みの話があって、そっちは酒に酔わないように祖母の女神からお守りとしてアメシストを持たされてたという逸話。これは4世紀くらいの話らしいです。
この本は原典に近い話を集めた感じなので、4世紀でも遅いくらいなのかなぁと。
アポロンとダフネみたいに捕まりかけて変化して逃れるって結構あるあるパターンだから、バッカスとアメシストもありえそうなうまい話ですよね…。
ただ作られた時代を知ってしまうと神話とは言わないな?と思うけども。

2024年2月6日

元素図鑑を宮沢賢治の文学方面から解剖。といったふう。
文学好きにも科学好きにも。

2024年1月31日

読書状況 読み終わった [2024年1月31日]

読んでたら久々に近所の和菓子屋さんのお菓子が食べたくなって駆け込んだのでした。
黄身しぐれ最高。
あと二人静は私もふたりしずかだと思ってました。
ににんしずかなのかー!
これすごく好きなお菓子です。落雁の中の至高。

2024年1月31日

読書状況 読み終わった [2023年12月28日]
カテゴリ 坂木 司

ヨーロッパの物メインだけど、アフリカやアジアの物もちょこっと。
中国の翡翠(カワセミ)の羽根の装飾工芸はすごかったなぁ。
でも経年劣化が心配になる。
ヨーロッパでは鮮やかな色の小鳥の標本を帽子に飾り付けるのが一時期流行りましたよね。

2024年2月23日

読書状況 読み終わった [2024年2月23日]

日常の様々な場面における礼儀作法の歴史。
カトラリーが一般化する前、モンテーニュのような知識人でもスプーンを使うより手づかみで食事をして、手が汚れたら都度ナプキンでぬぐう方が上品と考えていたそう。
カトリーヌ・ド・メディシスがカトラリー類を嫁入りと同時にフランスに伝えたのは有名だけど、最初から好意的にサクッと受け入れられたわけではないんだなぁと。
1533年に持ち込んだものの、ヨーロッパで広く一般に使われるようになったのはイギリスでは名誉革命(1668年)以降、フランスではルイ14世の時代と言うから、外から来た新しい物を受け入れるのは本当に簡単ではない。

エチケットの歴史は「上品でないこと」の、歴史でもあるという意味で、微笑させられる。
という一文があるのだけど、まさしくその通りで○○してはいけないと書かれていると言うことは、むしろ○○している人がその時代多かったのだろうなと。

サロンが教養人の社交場から女性を中心にした親密な人々の小規模な社交場になると、女性の間では手芸が流行になって、男性達はその手伝いをさせられただけでなく、自ら刺繍枠に布を張って刺繍する技術を知っていなくてはならなくなったというのが興味深いです。
飯塚信雄さんの本にもあった、男性でも料理とちょっとした手芸の一つ二つできたのが当たり前であった時代というのがこのあたりなのかな。
引用されたお芝居でも、侯爵が女性の集まりに顔を出して自分の黄金の針でもって女性達の刺繍を手伝うシーンがあるとか。

18世紀の後半に流行った扇言葉というのはSNSでも話題になったりしたけれど、手袋でも同じく感情を表す手袋言葉としてあったとか。確かパラソルでもあったかな。
それから宝石言葉も同じ時代に発生したそう。

フランスのポール・ルブーという文筆家の書いた本には、たばこや子供のしつけが取り上げてあって今にも通じる事じゃないかなと。
曰く
「食事が全部終わらないのに、タバコを喫うのは愚かである。食卓にならんだ御馳走を鑑賞する能力のないことを告白するのと同じである」
この辺食事を蔑ろにしないフランス人らしい。
子供については
「1.子供の求めるすべてのものを与えてはならない。
2.子供のほしがるようなものを見せてはならない。
3.子供が直さねばならぬことを、そのままにしておいてはならない。
6.子供の前で夫婦喧嘩をしてはならない。
8.子供が空想的な話をしても、それを一笑に付してはならない。そういう発想を身につけていると、大人になって単純な考えから成功のカギをみつけることがあるからである。
10.子供の落ち度を学校に持ち込んで、先生に子供を叱らせるようなことをしてはならない」
8がとてもフランス人の伝統的な、知的なものの考え方だそう。

2024年3月12日

読書状況 読み終わった [2024年3月12日]

宝石・カット石がメインで鉱物原石はほんのちょびっとだけ。
でも比較的近年出回ったポ○デリング風のフローライト(もうちょっと美品が良かったなぁ)やインドネシアのグレープアゲートが載っていたのは良かったです。
あとゴビアゲートの飴芯(本の中ではタピオカアゲート表記)は漂白処理で作られていると載ってました。納得!
でもかわいいからちょっと欲しい石です。

2023年11月1日

ちゃんとシルバニアのキャラクター名も書かれてるのが、シルバニア初心者に嬉しいところ。
タウンシリーズのちょっと後の頃の本なんですねぇ。
その頃の家具もディスプレイされてて良い感じです。
チョコレートショップとスイーツティータイムセットは買っておけばよかったなと。

2023年11月10日

読書状況 読み終わった [2023年11月10日]

19世紀フランス、ブルジョワジー中心の服飾文化・経済史。
とにかく色々な書物からの引用が多い…!

中国の官服の前後に付けた四角い金の刺繍を入れた布は高官の印だったのね(某大航海ゲーで見た服。
p59のビベスコ夫人の衣類の変化の周期は動画で見てみたい。
花の花弁が開閉するようにドレスのスカートのシルエットやウエストの位置、襟ぐりの深さ、袖の膨らみが変化していく様。
フランスでは商人・職人ギルドが細かく領分を決めて存在していたけれど、その昔は服を仕立てるのにかなり手間だったんですね。
1.布地商で布を買う
2.小間物商でレースやボタンなど付属品や装飾品を買う
3.仕立て屋にそれらを持ち込み、採寸と顧客の身分と同業者間の規格に沿って服を仕立てる。
もっともこのように一から仕立てるのは王侯貴族やそれなりのお金持ちに限られたことで、一般庶民は基本的に古着。
布地商が布を加工したり、仕立て屋が布をストックして売買することは禁じられていた。まぁ隙あらば互いの領分を侵そうとバチバチしていたようですけれど。
本なんかも未装幀の本を出版社から買い、皮革屋で皮を買い、装丁屋(ルリユール)で装幀して貰うというのが割と最近まで一般的だったようです。

1675年に女性裁縫師(クチュリエール)がギルドを結成する許可を得たけれど、1781年あたりまでは女性用の服も子供服も男性の勢力がある仕立て組合の独壇場と言って良かったそう。
『婦女子が同性の者に衣装をつくらせることができるように計らうことは、彼女らの羞恥心と慎みに適い、礼儀作法にものっとると判断しての上』許可が出たというのに、浸透するまで1世紀以上もかかるとは!
子供服については『こども服の歴史/エリザベス・ユウィング /東京堂出版』も読んでみたい。

百貨店の項目では痴漢や万引の話題も。まぁ、そうかぁ…といった感じ。

宗教・道徳・衛生を広めた宣教師、そして土着の服飾文化を上書きするように既製服を輸出してがっぽがっぽ。いや、衛生は大事だけどね…。
いざ消え絶えようとすると『保護』しようという傲慢さがね…。

ハンカチの握り方一つで身分が分かっちゃう怖さ。
『粋な衣装というのは、たとえどれほど美しくとも、ただ単に上手に仕立てられた布ではなく、それに加えてどこを突かれても弱点を見せない技巧、挙措(きょそ:立ち居振る舞い)、相応な教育が必要だからである。p174』
それはそう。
とはいえ一日の1/3を身だしなみに費やす昔の王侯貴族にブルジョアジーは、今からすると馬鹿馬鹿しいほどの贅沢の極みですね。
未婚の娘に許されたのはせいぜい真珠かトルコ石とあったけど、サンゴや象牙はどうだったんだろう。
宝石の本ではサンゴは守り石として子供に持たせた風習があった記憶。
男性同士の握手は手袋を脱ぐのがマナーであった時代もあったよう。

18世紀頃の衛生感覚ほんとやばい。震える。
髪を歯の細かい鉛の櫛で二~三度梳くことが洗髪と同義だとか。
伯爵夫人の言うことには、入浴は月1で湯にゆったり浸かる感覚はどこかだらしない怠惰なものがあって、貴婦人に相応しいものではないとか…。
ただ『現実の清潔さは高価な文化的・経済的産物』というのは確かに、現代でもそう。
日本みたいに潤沢に水が使えて日々風呂に入れる環境は、世界を見回してもそこまでありふれてはいないかなと思う。

2024年4月12日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2024年4月12日]

石好き初心者向けの内容。
ローズクォーツがピンククォーツ表記なのが謎。
あとカイヤナイトはガーネットインな気がするのだけど、スタンダードな平たい柱状の方が初心者にはわかりやすいような?とちょっと標本チョイスを疑問に思いつつ。
鉱物寄りの本でロケーションラベルが大事と言うのであれば、どうせなら写真の標本の産地も併記してあったら良かった気がします。

あと割とどの石の本にも書かれがちな、スペクトロライトはフィンランドのユレマ産を言うという文言なのだけど、マダガスカル産のラブラドライトに市場を席巻される昨今、ユレマ産以外でも綺麗なラブラドレッセンスの商品をスペクトロライトと称している業者が多いのですよねぇ(これはこの本に言ってるわけではないけれど。
そういう所、若干もやっとしつつ業界の慣例として落ち着くのでしょう…。

2023年10月4日

読書状況 読み終わった [2023年10月4日]

写真が綺麗で見応え有り。
昔から誕生石とか石言葉やまつわる神話エピソード程度の事は添え物としてあったけれど、最近は疑似科学的なスピリチュアル系も取り入れてるのかぁって感じの巻末のコラムでした。
宝石自身の美しさだけで勝負して欲しい感。
何かこう、一般人が感じ取れないようなパワー代を石代に含まれてもなぁって気分になるので。
ヘミモルファイトのステラエスペランサというコマーシャルネームはこの本で初めて知りました。
ハックマナイトやハイアライトも宝石(カット石)として流通するようになったんだなぁ。

2023年10月5日

読書状況 読み終わった [2023年10月5日]

大型本。
一周ぐるっとコンクパールのネックレスすっごい…!!
まさしく貴婦人のジュエリーと言える物ばかりで眼福でした。

2023年10月5日

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