21世紀の資本

  • みすず書房 (2014年12月6日発売)
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ようやく読み終わりました・・・注釈含めると700Pの大作・・・読破するには覚悟が要ります・・・
自由な資本主義の行きすぎにより留まるところを知らず拡大した格差。ピケティの主義主張は一貫して、「累進課税」。資本税の導入だという。不労所得にも税をかけること。確かに。寝かせられるだけのお金をたくさん持っていればいるほど、その人は働かなくても食っていける。そうすると富めるものはより富み、持たないものはより細る。ただし、資本税が有効に働くのは、すべての国の銀行口座情報がガラス張りになっていること、これがないと、今横行している税金逃れが続いてしまう。
コロナで世界中で景気が停滞し、失業者が出る一方で、今までの生活を続けられるものがいる。コロナ中に本著を読むと、同意する点が多い。NHKでたまに報道する資本や経済の特集でいろんな学者が登場するけど概ね同じようなこと言ってるように思う。
また、気づいたことの一つとして、ピケティはかなりの文学の読書家でもあるということだ。経済学者だから経済の本ばかり読んでいるのかという先入観は持ってはならない。この本にはゴリオ爺さんや、pride and prejudicsといった文学作品が多々登場し、その生活ぶりから当時の貧富の差、貴族の所得等が説明されている。こういう人は多くの間口から学ぶし、実際に「終わりに」では、経済学者は計算ばっかりしてないで、社会や政治にも関わって考えるべきということを述べている。
結局私はこの本の600pで経済のことはちょっとしか学習できなかったかもしれないが、少しは見識が広まったかな。そうであれば良いな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 借り本
感想投稿日 : 2020年9月9日
読了日 : 2020年9月9日
本棚登録日 : 2020年4月29日

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