危機感をエネルギーに変換できる者だけが生き残ることができる。
前作もそうだったけれど、ストーリーやアンダーグラウンドの人々の生き方は確かに魅力的ではあるのだが、あまりにもUGが持ち上げられすぎているような気がして、終盤に入ると作者の意図と世界観に置いて行かれてしまう。
エピローグでは最終的にウイルスから生き残れるのはUGのような精神性を持つ者だけだということを暗示する終わり方になっていて、読んでいて少しつんのめってしまった。
ただ、それでもやっぱり面白いし、すごく力のある文章を書かれる方だなあ、と。想像するのも難しいような奇病にある程度科学的な根拠が与えられていたり、前作の小田桐や今作のコウリーの成長、それから物語を徹頭徹尾貫いているUGの空気には、すごくぐっとくるものがありました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2012年2月14日
- 読了日 : 2012年2月14日
- 本棚登録日 : 2012年2月14日
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