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R.E.D. 警察庁特殊防犯対策官室 (新潮文庫nex)
- 古野まほろ
- 新潮社 / 2017年8月27日発売
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再読。
同じ著者のちょっと毛色が違う別作品に続いて読んだので「これだよこれ…!」感がすごい。
一気に読ませる勢いがあって、サッチョウ・ローズ(余談だけれど途中まで警「察庁」でなく「薩長」だと思い込んでいてなんでだ?と思っていた)のひとりひとりにちゃんと役割があって、最後に心がかあっと熱くなった。
有り得ない設定なんだけど、書かれているこころは本物なところがいつも好きです。
ところで帯で著者が元キャリアであることをすごくアピールしているんだけど、出版社はその辺どういうつもりで宣伝してるんだろう。以前作者さん本人が新書で身分証明に使うことがないと名言していた警察手帳をバンバン出しているのって「大事なところはそこじゃないよ」ってメッセージじゃないのかな、と勝手に憶測してしまうので。
2020年2月26日
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おんみょう紅茶屋らぷさん ~この一杯に、すべてを~ (メディアワークス文庫)
- 古野まほろ
- KADOKAWA / 2018年2月24日発売
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前半のやさしさがすごく好きだったぶん、終盤の畳み方が今までと違って乱雑でびっくりしてしまった。あとがきを読んでちょっと納得したけれども、いつもの作品とは全く毛色が違う感じ。
2020年1月30日
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これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 1 (集英社オレンジ文庫)
- 青木祐子
- 集英社 / 2016年5月20日発売
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2017年2月16日
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おんみょう紅茶屋らぷさん ~式神のいるお店で、おかわりをどうぞ~ (メディアワークス文庫)
- 古野まほろ
- KADOKAWA / 2017年1月25日発売
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天帝シリーズ系は読んだ後に「魂が救われる」感じがするけど、こっちは割とよくある「ほっこりする」感じ。でもひとつひとつのエピソードや式神とか紅茶の話は相変わらず面白くて好きです。(かといってこういう話ばかり書かれても困るけど…!でも今までの謎が少しずつ明かされてきたので次巻からは少し重い話になってきそうな感じ)
そして表紙のイメージが強くて全然気付かなかったので、最後の方に明かされる他シリーズ主人公との血縁関係にびっくり。た、確かに同じ苗字だった…(笑)
そしてラストのまさかのラブコメ調にちょっと不意を突かれてきゅんとしてしまいました。なんかもう引き出しが広すぎて四次元ポケットみたいだな好き…!
2017年2月10日
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金曜日の本屋さん (ハルキ文庫 な 17-1)
- 名取佐和子
- 角川春樹事務所 / 2016年8月9日発売
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欲しい本が必ず見つかる本屋さんの話。自分が長いこと書店バイトをしているので興味を持ちました。
当たり前のことだけど(貶しているわけではないけど)現実では「こんな書店(特に一日だけのフェアとか自分たちで全ての本の発注数を決めるとか在庫管理とか)は確実に実現不可能」。でも、むしろ「こうあれたらいい」という理想がいっぱいつまった、本好きとしても書店員としても夢の本屋さんだと感じました。
もちろん今まで働いてきた書店も、一緒に働いてきた人たちも好きなのだけれど、もし本当にこの世に「金曜堂」が存在していたら、そしてそこで働くことができたのなら、多分ものすごく幸せなことだと思いました。
そして作中のモチーフ本は「モモ」しか読んだことがなかったので、「長いお別れ」を読もうと画策中。
ただ、最後の別荘の話はちょっとファンタジーすぎて蛇足だったかなと…
最後になりますが、『金曜日の本屋さん』、ブクログの献本企画で頂いた本でした(読むのが遅くなってしまいすみません…!)。いつもの自分の趣味とはちょっとずれているジャンルなので、この企画がなければこの本やこの作者さんと出会って新しい扉が開くこともなかったなと思います。素敵な機会をくださってありがとうございました。
2016年10月2日
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女子高生探偵シャーロット・ホームズの冒険 上 (竹書房文庫)
- ブリタニー・カヴァッラーロ
- 竹書房 / 2016年8月31日発売
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感想は下巻で。
ただ、訳者さんが元々そういう文体なのか、誰かのホームズ邦訳文体をリスペクトしているとか、何かの事情があるのかはわからないけど、とにかく「日本語」が読みづらい印象。元の英文が透けて見える邦訳に価値はない(原本を読むのと同じだから)と思っているので、ちょっと疲れながら読んだ。
2016年9月12日
「復讐法」なんてリアルじみたファンタジーを主題にするなら、虚構にリアリティを持たせるためにもその重さに準じた説得力が必要だと思うのだけれど、安易に同情を誘う短編が5つ収録されているだけで、帯に「大型新人が世に問う」なんて書かれていただけに非常にがっかり。世の中や自分の価値観について考えさせることなんて何もなかった。
私だってもしも近しい人が誰かに傷つけられたり殺されたりしたら、その犯人に復讐してやりたい、場合によっては自分が犯罪者に堕してでも苦しませてやりたいと思うかもしれない。でもそんなの許されない観念だし、当然実行したら逮捕される。
そもそも、近世以前はともかく、現代の司法や法律はあくまで世の中の秩序を維持するため、犯罪を抑制するため、一言に換言すれば「みんなのため」にあるのであって、(結果的にそうなる場合はあっても)決して被害者の怒りを犯人にぶつけたりその悲しみを慰撫するためにあるんじゃない。そういう意味でも最初からお話の前提が崩壊してるように感じた。そのぶっとんだ価値観が認められている世界に何らかのフォローがあったのなら、どこかに共感することができたかもしれないのに。
2016年9月7日
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エチュード春一番 第二曲 三日月のボレロ (講談社タイガ)
- 荻原規子
- 講談社 / 2016年7月20日発売
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友情でも恋愛でも、何かしら読んだ人の心を揺り動かす情動のようなものがあるのが荻原作品のよいところだと思っていたんだけど、自分が大人になってしまっただけなのか主人公が大学生なのが原因なのか、やっぱりなんとなく入り込めないままだった二作目。未だに主人公にも愛着みたいなものは芽生えない。
ただ、偶然モノクロの世話をすることになっただけでなく、美綾自身にも少し何かありそうな気配が仄めかされて、少しずつお話が動き始めているのは感じた。
でも前回の幼馴染みにせよ今回の某にせよ、絶対的に不快感を与えてくる人物がいるのが気になる。荻原作品なら何か理由があっただけの優しい世界でもいいのに、と思う。今回は一応大人向けだからなのかな。だとしたら私は今までのような子どもやティーンを相手にした作品を読んでいたかったよ…うーんもやもやする。
2016年9月3日
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虚構推理 (講談社文庫)
- 城平京
- 講談社 / 2015年12月15日発売
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漫画版が面白かったので購入。漫画家さんがうまいこと原作の要素をたくさん拾ってコミカライズしているので(いやそれはとても良いことなんだけど…!だから楽しめたんだけど…!)漫画で読んだ中盤あたりを抜けるまではだいたい既知の情報だし、でもたまにちょっとした知らない展開があったりして飛ばすわけにもいかないしで、正直ちょっと苦しかった。
終盤の応酬は、いやこれ絶対ミステリーじゃないだろ…と思いつつも楽しくて一気に読みました。化け物同士の化かし合い、という言葉のほうがしっくりくると思う。そして決してキャラクター小説というだけではないと思うんだけど、おひいさまや妖怪たちがいちいち可愛い。
ただ、続きを仄めかすような終わり方をしているのだけど、この文庫のもとになったノベルズ版が出たのがずいぶん昔のようなので、シリーズにはならなさそうなのが少し残念。もしコミカライズをきっかけに人気が再燃して続編が出れば嬉しい。
2016年9月1日
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砕け散るところを見せてあげる (新潮文庫nex)
- 竹宮ゆゆこ
- 新潮社 / 2016年5月28日発売
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2016年7月31日
「結局はただの女の子」で終わって非常にがっかりした上巻、景が「本当の海賊」になることでそれ以上のカタルシスを覚えた下巻、でした。個人的には上巻後半の景に対する(多分七五三兵衛が感じていたものにすごく近い)イライラがあったからこその下巻の爽快感と感慨だったので、そこまで計算して書いてあの部分で上下巻に分けていたのだとしたらこの作家さんものすごいな…!と(思いつつ、上下セットで買ってて本当によかったと思わざるを得ない。上巻だけ買ってむかむかして放りだしていたらと思うと割とぞっとする。)
景と某海賊の最後の闘いもよかったです。いくら成長したとはいえ明確に男女としても海賊としても力量差がある中で、ご都合主義と言われればそれまでだけど、それでも完全な実力勝ちではなくハンデと幸運に恵まれて一瞬のチャンスを逃さず掴み取った勝利、というところに逆に好感を覚えた。
極めつけはラストシーン。無邪気に、そして野蛮に笑う景の姿が浮かんでひたすらに爽快。
文書を引用するかたちで話が進むので、まるで実際に景という人物が過去に存在していたような錯覚に陥ってしまう。これほど架空の人物であることを勿体ないと思ったキャラクターは久しぶりだった。これだから時代小説は罪深いよー。
2016年7月10日
読み進めるうちに主人公の魅力が減衰していったなあという印象。序盤の景は当時の価値観のなかで、何も憚らず自由に振る舞っていて、男社会の中でも周囲に引けを取らず強く生きる姿にとても好感が持てたのだけれど、(読み返せば目立たないだけで最初から一貫してそういう性格だったのだけれど)最後に思慮の浅さや甘さを露呈してしまってこれじゃあ「海賊」じゃなくてやっぱり「女の子」じゃん、と…
どこまで描かれるのかはわからないけど、ここからの景の成長を含め下巻に期待。スピード感のある作風は好き。
2016年7月4日
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超高速! 参勤交代 (講談社文庫)
- 土橋章宏
- 講談社 / 2015年4月15日発売
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設定は文句なしに面白い。(現に映画はすごく面白かった)
ただ、個人的な趣味だけど、登場人物たちがあまりに気持ちよすぎて好きになれなかったのが残念だった。義理人情!勧善懲悪!みたいな直情型で善性だけでできている人間にはあまり惹かれないたちなので、本来の目的と湯長谷藩の人々に抱いてしまった情の中で葛藤する悪い意味で「人間らしい」段蔵や、正義の心はあるけれど平気で虐げられている側を試すようなこともする吉宗のほうがよっぽど魅力的に感じた。
2016年6月25日
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Occultic;Nine 2 -オカルティック・ナイン- (オーバーラップ文庫)
- 志倉千代丸
- オーバーラップ / 2015年4月23日発売
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話に大きな進展もなく、登場人物もなかなか名前と個性が頭の中で一致せず、1巻と同じようなテンションでだらだらっと読み進めていたら最後の最後にこうきたかーっ!……という展開でした。妄想科学の系統と同じ世界なのか全然違う話なのかわからないけど、どちらかというとゲームで楽しみたい作品だと感じたのでとりあえずここで打ち止め。今のところ発売未定ですが、ゲームをクリアしたらまた本に帰ってくる予定。
余談。未だにカオチャの世莉架とsilent sky endが好きすぎる。
2016年6月3日
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エチュード春一番 第一曲 小犬のプレリュード (講談社タイガ)
- 荻原規子
- 講談社 / 2016年1月19日発売
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1巻というより序章のような感じで、設定は面白そうなので今後を楽しみにしつつも単体ではびっくりするくらい薄味だった…
最初の男の子の正体がモロバレなのはお約束だからいいとしても、やっぱり児童小説のイメージが強いからなのか、とりあえず一連の事件の犯人が普通の「ただの嫌な子」だったことに少し困惑。(今までの荻原作品で悪いことをする人の多くは、そうするだけの理由や同情の余地はきちんと描かれていることが多かったように思う。)
とりあえず小さいころから大好きだった作家さんの作品だから次も買うけれど、多分知らない方の作品だったらここで投げてたな-、という読後感の一冊でした。
2016年5月23日
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チョコレート・コンフュージョン (メディアワークス文庫)
- 星奏なつめ
- KADOKAWA/アスキー・メディアワークス / 2016年2月25日発売
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ものすごく久しぶりの星1。
徹頭徹尾寒かったです。幼年向け少女漫画みたい、と書こうと思ったけど正直そう例えるのもあちら様に失礼なくらい。直截な恋愛描写が苦手なので28と35の「プラトニック」という部分に興味を持って読んだのだけれどそもそも内容が出版物として自分が許容できる規定水準に達していなかった。ネタの9割9分が「どこかで見たことのある」もののオンパレード、かつ継ぎ接ぎ。主役ふたりの感情とその変化も全く理解できない。作品内でヒロインがダメダメだと評価する「平成生まれのゆとり」人間からしても耐えきれなかったです。
近くの書店さんで平積みどころか5面くらい場所割いて推してたんだけど…ごめんなさいありえない。
2016年5月17日
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九月の恋と出会うまで (双葉文庫)
- 松尾由美
- 双葉社 / 2016年2月10日発売
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結局SFじゃなくてファンタジーとして着地してしまってモヤモヤが残りまくったのはものすごく残念だったけど、最後のシーンは理想的に纏まってくれたので安堵しました。ベタベタの恋愛小説を読むのはあまり得意でないので、多分ふたりはこの後また「出会う」んだろうなと仄めかすくらいが丁度よかったです。個人的にはそこを考えるとラストシーンも九月の方が物語として綺麗に纏まっていたと思うのだけど…。(声の問題は原因がアレならどの時期でも理由がつけられるはず)
でもやっぱり「旧バージョン」の謎が…心残りで…そこまで深い意味を持たせるつもりで書かれたのではなかったのかもしれないけれど、あまりにももったいなさすぎる…
2016年5月12日
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ラスト・ワルツ (角川文庫)
- 柳広司
- KADOKAWA/角川書店 / 2016年3月25日発売
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相変わらず反射的にどうしても時代考証ぐぬぬぬぬとなってしまうので、この手の作品は雰囲気だけを楽しむに限ると改めて思った。今を生きている、今の価値観を持つ人間だからこそ書ける作品とD機関のコンセプト。
ただ、その前提でだけど『舞踏会の夜』と『アジア・エクスプレス』はシリーズの中でも楽しんで読めた。
それにしてもあじあ号…殺人事件…うっ頭が(笑)
2016年5月11日
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ケーキ王子の名推理 (新潮文庫nex)
- 七月隆文
- 新潮社 / 2015年10月28日発売
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お菓子に関する蘊蓄は面白かったです。
ただしケーキ王子は特に推理とかしません。レーベルや表紙の雰囲気からお菓子絡みの人が死なないライトで明るい雰囲気の推理ものを勝手に期待していたので、完全に取り残された気分でした。タイトルが悪いよータイトルがー。
2016年5月9日
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シャーロック・ホームズの冒険 (新潮文庫)
- コナン・ドイル
- 新潮社 / 1953年4月2日発売
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延原謙訳版を下敷きにしたホームズのパロディ(といっていいのか)小説を読むための準備として読んだ本だったのだけれど、やっぱり世界中の人から未だに愛されるシリーズなだけあってびっくりするくらい新鮮に読めた。
ホームズは高校時代に英語の勉強も兼ねて原書でほぼ読み尽くしていたので勝手に知ったような気になっていたけど、やっぱり細かいニュアンスはわかっていない部分がたくさんあったのだなあと今更になって思う。トリックは理解できても、(これは訳者さんによっても印象が変わりそうだけど)出てくる登場人物にあのころはこんなに魅力を感じなかった。機会があれば他の物語も読み返してみたい。
英語で読んだときはバスカヴィル家の犬が好きだったけど、日本語で読んだらどう感じるのか。楽しみ。
2016年5月6日
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セーラー服とシャーロキエンヌ 穴井戸栄子の華麗なる事件簿
- 古野まほろ
- KADOKAWA/角川書店 / 2014年1月29日発売
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感極まって星4つけちゃったけどほぼ間違いなくヘンテコ本のたぐい。
著者の作品の世界観とガンダム(主に宇宙世紀全般。私はもともとガノタだからよかったけど多分前提の予備知識としては最大の難関)とシャーロック・ホームズの冒険(絶対新潮版!元ネタは原書で読んだことがあったのでいいかと思っていたのですが、他の方に教えて頂いて延原謙訳を読み直してから挑戦しました。これを読まないと小さな台詞回しや謎の『訳注』も全く楽しめなかったはずなので、個人的にはこの手順を踏めて本当にラッキーでした。)あたりを踏まえないと多分よくわからない愉快な本。ただ、まだ旧訳新訳その他の書籍を完全に網羅したわけではないのですが、果実前のまほちゃんが、仲睦まじい?栄子さんと奥平くんが、平和な日常が尊い。ほんとうに尊い。栄子さんとまほろの二人乗りのシーン、多分笑うところなんだろうけど泣いてしまった。
「穴井戸栄子シリーズ一作目」らしいので今後に期待です。ジークジオン!
2016年5月7日
何も変わらず、波風も立たず、ただ平坦に、静かに、物語が進んでいく筆致。あまり読んだことのないタイプの作風の作家さんだったので新鮮でした。
で、努力と才能の壁に懊悩する主人公ですが、多分、きっと、彼は「持っていることに気がつかないだけの人」だと感じました。きっとその繊細さで、一生ピアノと真摯に向き合ってゆくのだと思います。読後に感じた安心感と僅かな嫉妬は、もし自分が高校時代にピアノを辞めていなければ違う風に捉えられたのかな。
あたたかな作品だったけれど、万人に読んで欲しい作品とはちょっと違うかな、と個人的には感じた書店バイトでした。
2016年5月3日
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天帝のはしたなき果実 (幻冬舎文庫)
- 古野まほろ
- 幻冬舎 / 2011年10月12日発売
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なんだかへんなものを読んでしまったぞというまさしく「狐につままれた」ような読後感
世界観に馴染むまで100ページくらい、そこからだんだん文体や登場人物に慣れていって、最後にトンデモ展開が待っているんだけどこの作者さんはわざとやってるから余計たちが悪いよ~…要するにその部分も面白かったのです…。
ただこのままだと、まほろくんは最後に某さんを否定したのに先に読んだ聖アリスガワ学園シリーズでのみづきさんがなぜあんな立場なのか全然わからないので…今私の手元には続編があっての。
しかしやっぱり、周りの人間に自分の抱えているものを知られることは、すなわち死だよね、うん。
2016年3月15日