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限界分譲地 繰り返される野放図な商法と開発秘話 (朝日新書)
- 吉川祐介
- 朝日新聞出版 / 2024年1月12日発売
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YouTubeチャンネル、限界ニュータウン探訪記の吉川さんの本。千葉県北西部で、高度成長期以降に分譲された住宅地の今を記した本です。
YouTubeチャンネルで取り扱った内容が多いですが、改めて読むと色々と考えさせられます。
2024年3月24日
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ロスト・ケア (光文社文庫 は 36-1)
- 葉真中顕
- 光文社 / 2015年2月10日発売
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推理小説の程をしていますが、社会派小説といったところでしょうか。昔なら、松本清張あたりが書いていたテーマだと思います。
介護という、誰にでも起こる、でも社会的に問題が拡大し続けることに対して、キリスト教の考えを踏まえながら考えさせる内容になっています。
最後の犯人明かしのところは若干捻りがついています。
読後感は「報われない」「救われない」気持ちになる、といったところでしょうか。。。
2023年11月11日
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神奈川の鉄道: 1872-1996
- 野田 正穂
- 日本経済評論社 / 1996年9月1日発売
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力作。
神奈川県の鉄道網形成について書かれた本。ボリュームがありますが、種々の事項が取り上げられており、とても興味深いです。
2023年10月16日
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横浜 鉄道と都市の150年 (有隣新書, 87)
- 岡田直
- 有隣堂 / 2023年8月1日発売
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横浜駅と桜木町駅を中心とした横浜の鉄道網形成について記した本。類書はいろいろありますが、ハンディーにまとまっていると感じました。
本の大半は鉄道開業当初から関東大震災後の現横浜駅への移転までのことです。
それ以降も横浜の鉄道は語るべき、語られるべきことが多いので、そちらの方の力作もお願いしたいところです。
2023年10月5日
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限界ニュータウン 荒廃する超郊外の分譲地
- 吉川祐介
- 太郎次郎社エディタス / 2022年9月30日発売
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YouTubeでもお馴染み、吉川さんの限界ニュータウン探訪記。こちらの方はYouTubeとは違った感じです。ブログとも違った感じです。
全ての作品に通底しているのが、地道な調査と、他にはないユニークな視点です。
千葉県のこれと言って特徴がないエリアのスプロール現象をこれでもかと調査した力作です。
2023年9月10日
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日本鉄道史 昭和戦後・平成篇-国鉄の誕生からJR7社体制へ (中公新書 2530)
- 老川慶喜
- 中央公論新社 / 2019年2月20日発売
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日本に鉄道が到来してから現代までの通史。
3冊目のコチラは戦後からJR化を追いかけている。
通史と言っても主眼は経営のことであり、かつ民鉄のことはわずかにしか触れられていない。
膨大な史実の中から何を通史で取り上げるか判断は難しいが、テーマ別に書くか、または編年的に書くか、どちらかに寄せた方が良かったのではないかと思えた。
ざっくりにしては長いし、詳細かと言われればそうでもない。という感じです。
2023年6月11日
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安倍晋三 回顧録 (単行本)
- 安倍晋三
- 中央公論新社 / 2023年2月8日発売
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安倍晋三元首相の回顧録。
暗殺された現在となっては、貴重な記録かと思います。
安倍政治がどうかは別として、書物としては、安倍さんの考えや思いが伝わってきて、読み応えがありました。
一方、書物の構成としては、編年体の形式ですが、それぞれのテーマが単年度で語れる類いのものではなく、結局時空を行ったり来たりしているのは何だかなぁと思います。
最後に、安倍さんの基本的な考えはやはり間違えていると感じました。立法府で多数派を取ったのであれば、立法措置を講ずるべきであり、解釈の変更を連発するのは多数派だから良いんだと言っていますが、やはり間違えだと思います。
そういいところで、我が国の統治機構の根本の理解が間違えていたのではないかと感じました。
2023年6月18日
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ANA 苦闘の1000日
- 高尾泰朗
- 日経BP / 2022年9月22日発売
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コロナ禍のANAについて書かれた本。よく調べられていると思います。事象としては書かれている通りだと思います。
ただ、ANA自身がJAL破綻後の復活劇に嫉妬する自由民主党に食い込んで、自社の優位になるように行政を動かして、バンバン投資をした挙句の結果、こういう事態になったので、いくら筆者がステキな話しに仕立てようとしても、だから何だよ。と思ってしまう自分がいました。。
あと、著者は最後の方で、ANAが光景を変えた一例として機内Wi-Fiをあげていましたが、あれはJALこらかなり遅れていました。当時Wi-FiがないからANAは嫌だ。という人がいたくらいですから。
2023年4月12日
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魔女と過ごした七日間
- 東野圭吾
- KADOKAWA / 2023年3月17日発売
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あっさり読めました。
ラプラスの魔女シリーズ。ということで、現実と空想科学が交錯する世界の話しです。
少年たちの冒険、という味付けをしていたのがよかったと思います。
少年の父親である元警察官が殺された理由は何か?犯人は誰か?追っていきます。犯人は、まあ小説だからそうなるだろうけど。。という感じの人でした。
2023年4月9日
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奇跡の小売り王国 「北海道企業」はなぜ強いのか (講談社+α新書)
- 浜中淳
- 講談社 / 2022年8月19日発売
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北海道の小売企業について書かれた本。非常に詳細に調べていて、とても読み応えがあります。
北海道の厳しい経済状況の中で、いかにしてトップ企業が寡占化を進めながら、全国的な企業になってきたか、良く分かります。
2023年3月25日
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臨3311に乗れ (集英社文庫)
- 城山三郎
- 集英社 / 1980年4月25日発売
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近畿日本ツーリストの創業に関して記した実話小説。暑い感じです。戦後の高度経済成長期の熱気が漂ってきます。
近ツリの歴史なんて全然知らなかったのですが、こんなに面白いとは思いませんでした。
2023年3月4日
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西鉄バスのチャレンジ戦略 (交通新聞社新書144)
- 鈴木文彦
- 交通新聞社 / 2020年8月17日発売
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西鉄バスの歴史や現状について、これでもか!というくらいに書かれた本。かなり詳しいです。ただし、細かいことを知っている人には良いのですが、そうでない人向けにはもう少し写真を充実させた方が良い気がします。
2023年3月4日
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国商 最後のフィクサー葛西敬之
- 森功
- 講談社 / 2022年12月14日発売
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国鉄改革三人組で、JR東海の元社長、葛西氏に関して記述された本。
鉄道会社の経営者としてよりも、政治家との接点についてスポットを当てた記載になっています。
個人的には、政治家との繋がりを意識するあまり、いささかこじ付けの様に感じる部分もありましたが、面白く読めました。
菅元首相の弔辞のくだりは面白かったです。
2023年2月1日
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究極のナローゲージ鉄道 せまい鉄路の記録集 (鉄道・秘蔵記録集シリーズ)
- 岡本憲之
- 講談社 / 2012年5月28日発売
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ナローゲージに特化して書かれた本。
なかなかこういう本はないので、興味深く読みました。
ただし、全てのナローゲージを紹介しているわけではありません。
2023年1月15日
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スノーボードを生んだ男 ジェイク・バートンの一生
- 福原顕志
- 文藝春秋 / 2021年11月25日発売
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ジェイクバートンと、その時代のスノーボード 業界に起こったことを書いた本。
スノーボード の発明者であるだけに、なかなか面白かったです。
ただし、バートンだけの話しだと、尺が足りないので、他の人の話も分団に入っています。
スノーボード に興味のある人にはオススメできる本だと思います。
2023年1月15日
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北海道廃線紀行 ――草原の記憶をたどって (筑摩選書)
- 芦原伸
- 筑摩書房 / 2022年5月18日発売
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国鉄時代に建設されて廃線になった路線の探訪紀。
著者の思い出が多く語られています。
思い出話しはいいのですが、昔こういう人がいた。という話の後で、今どうなったか調べるでもなく、終わってしまい、あれれ。という感じがします。また「国鉄分社化」という聞き慣れない用語が頻出するのも気になりますし、開高健の著書の名前が一箇所間違えています。
という感じで、随所に違和感を感じるものの、丹念に調べていることは確かです。
北海道の駅にまつわる習俗に関しては『北の無人駅から』という秀作があるので、それと比べるといささか物足りなさを感じました。
2022年12月10日
80年前、戦時中に太宰治が津軽を旅した時の小説というよりも紀行文。当時の津軽の様子が良くわかります。戦時中なのに、物資が豊富な津軽の様子が描かれています。当時からかなり変わっていますが、今度津軽を旅する際には、どのように違うか、噛み締めながら旅をしようと思います。
2022年12月8日
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自民党の統一教会汚染 追跡3000日
- 鈴木エイト
- 小学館 / 2022年9月26日発売
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読後の感想は「不愉快」の一語に尽きます。もちろん著者が悪いのではなく、問題のある宗教団体と寄生関係にある自民党の議員達に対してです。
政治家に近づいてくる団体は何らかの目的があるわけですが、特に得体の知れない輩に対しては、脇を閉めて対応する必要があります。「ズブズブ」という関係がずっと続いていて、地方においては、教会の意図する条例が制定されていたりすると、わが国の政治に対して、反日の態度を取る団体に対してこれで良いのかという憤りを感じます。
今まで報道では安倍氏の関与が大きいとされていましたが、菅義偉氏の関与も大きそうです。彼のキャラクターから言って本当のことは絶対に話さないでしょうが、きちんとした法執行機関が調査する必要があるように感じました。
最後に、山上容疑者が犯した犯行については、決して肯定できるものではありませんが、結果として明るみになってきた事実を鑑みると、非常に複雑な気持ちになります。
安倍氏は統一教会を利用したのだと思いますが、結果として統一教会が理由で命を落とすハメになったわけであり、そのあたりもやるせなさを感じます。
著者の鈴木エイト氏の長年に亘る調査に、大きな敬意を表したいと思います。
2022年9月29日
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転身力-「新しい自分」の見つけ方、育て方 (中公新書 2704)
- 楠木新
- 中央公論新社 / 2022年6月21日発売
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中年になって、どのように人生を転換させて行くか、さまざまな事例をもとに考察している本。いきなり会社をやめたりするのではなく、段階的に遷移していく人が多いことが自分にとっては目新しかったです。また、自分が幼い時に好きだったことに回帰していくことも重要というところは、結構納得できました。
かつては、定年退職を迎えると数年でこの世を去るような世の中でしたが、これからは定年退職の後に20年以上の月日を過ごすことになります。
そのように考えると、在職中にはじめた方が良いこと、いっぽ踏み出すことが必要であると、改めて考えさせられました。中年の人にはためになる本だと思います。
2022年9月18日
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国鉄―「日本最大の企業」の栄光と崩壊 (中公新書 2714)
- 石井幸孝
- 中央公論新社 / 2022年8月22日発売
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良書。国鉄時代のことを網羅的にかつコンパクトに書かれています。新書としては分厚いですが。特に、ディーゼル機関の話しと貨物に関しては造詣が深いことがよくわかります。
国鉄時代を振り返るというと、ダイヤ、車両、労務問題、新幹線開業など、個々のテーマを深ぼったものが多いですが、これらを総合的に取り上げていて、その関係性も明示していることが本書の特徴だと思います。
将来への提言については、肯首することもあれば、難しいだろうな。と思うものが混在しています。特に、上場した会社の株式を国または公共機関が買い戻すのは財源を考えるとかなりの難題ではないかと。ただし、JR北海道の問題と、貨物の活性化については傾聴すべき意見ではないかと思いました。
最後に、JR九州は地域密着とお客様第一で発足したと記載されていますが、初代社長の筆者から見て、現在のJR九州の在来線ダイヤの劣化はどのように見えるのか、興味のあるところです。
2022年9月10日
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旅鉄HOW TO 011 大人の鉄道模型入門
- 松本典久
- 天夢人 / 2021年9月18日発売
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中身が薄い。これを読んで鉄道模型は始められないと思います。模型店の紹介とか、ネットを調べればわかる話がある一方で、車両工作という初心者には敷居が高いものが出ていたりして(しかもこの内容では作れない)、誰向けに買いたのかよくわかりません。が、著者が書きたいことだけ書いた。ということだけはわかりました。
2022年8月27日
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数字中国 デジタル・チャイナ-コロナ後の「新経済」 (中公新書ラクレ, 757)
- 西村友作
- 中央公論新社 / 2022年2月9日発売
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中国のデジタル化というよりも、コロナ禍の中国がどうなっているかを記した本。
デジタル化が進んでいるというよりも、デジタルと人海戦術のハイブリッドが功を奏していることがよくわかります。
内容は多岐にわたっていますが、中国のDXの今を知りたい方がいれば良い本だと思います。
2022年8月27日
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高熱隧道 (新潮文庫)
- 吉村昭
- 新潮社 / 1975年7月29日発売
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黒部川第三発電所の建設工事と、上部軌道掘削の際の過酷な建設現場を描いた本。上部軌道を見学に行った際に、関西電力の方が熱くこの本を勧めており手にとりました。
一言で言うと、壮絶。
これほどの犠牲のもとに建設されたとは夢にも思いませんでした。特に、泡雪崩の状況は凄まじいです。
そこまでして水力発電をしなければならないのか?という気持ちになりますが、先人達の多大な犠牲の下に我々の暮らしが成り立っていることに深く思い至りました。
2022年7月31日
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私の鉄道人生“半世紀" (イースト新書Q)
- 須田寬
- イースト・プレス / 2019年3月10日発売
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JR東海初代社長の須田さんが書かれた、鉄道人としてのあゆみ。巨大な組織でどう働いてきたか、垣間見られる本です。処世術的なことも書いてあり、先輩社員の見立てが数十年後にはバッチリ当たっていたという話は面白かったです。
そもそも、須田さん自体がアイディアマンですし、経験豊富なので、さまざまな角度から楽しめると思います。
2022年7月16日