パリでメシを食う。 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎 (2010年7月7日発売)
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感想 : 15
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タイトルから、料理人とか飲食業の人たちかと思っていたら、そうではなく、メシが食えている、つまり、パリで生活できている人、っていう意味で、いろいろな職業の人たちのインタビュー。料理人もいるけれど、鍼灸師とかオートクチュールのお針子さんとかスタイリストとか、ヨーヨーのパフォーマーとかマンガ喫茶ひらいた人とか本当にその職業はさまざま。生活はできているけれど、とくに著名人とかすごい成功者、っていうことでもない、普通の人っていうのがまたおもしろい。
パリでメシが食えるようになるまで、単にサクセスストーリーということでもなくて、でも、いろいろなことがそれぞれあって。派手な話でなくても興味を惹かれてどんどん読んでしまう感じ。「バウルを探して」を先日読んで、文章が気に入ったので、ほかの作品もと思って読んだのだけれど、やっぱり文章うまいし、インタビューもすごくうまいんだと思う。その人をじっと見て理解しているという感じ。

オートクチュールのスーツを縫う仕事をしている方の話だったと思うけど、資格をとる試験で、もうできないと思ってパニックになって泣き出してしまったときに、まわりのフランス人の人たちが励ましてくれた、っていう話になんか感動して涙ぐんだ。。。
絶望したり、果てしなく落ち込んだりしたときに、ものすごく親しいというわけでもない、まわりの人が励ましてくれた、っていう話がけっこうあって、そういうの、読んでるだけで慰められる気がした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年5月5日
読了日 : 2016年5月5日
本棚登録日 : 2016年5月5日

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