多重人格者と診断されたビリーミリガンの半生を描いたノンフィクションの下巻。
2章の続きから始まる下巻は事件を起こすまでのビリーの人生が語られます。
ただ上巻で各人格がどのように生まれてきたのか、という点は非常に興味深く、面白く読めたのですが、ここまで来るとすこしその日常描写が退屈に感じてしまいました。
でも一方で各人格たちがルールや規則を作って、体を支配する時間やルールを決めたりしているのが印象的で、面白かったです。
三章では病院に入院してからのビリーの話となります。裁判等で内容を書くことが難しかったり、出版の期限などもあったのかもしれないですが、
二章で細かく書いていた割に三章がちょっと大雑把に感じられ、尻切れトンボのように終わってしまったのがちょっと残念でした。
三章で印象的だったのはビリーについてのマスコミの報道でしょうか。改めて人って精神的な病に関しての恐れや偏見というものを捨てきれないのだな、と作中のマスコミの過剰報道の様子を見ていて思いました。
ただその思いはもちろん自分の方にも言えることなので、少しでもその思いを消していけるよう努力しないといけない、とも思いました。
続編もあるようで尻切れトンボで終わった感じはそこで払拭されるのかな、また機会があればそちらも読んでみたいと思います。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ノンフィクション・新書・エッセイ・評論など
- 感想投稿日 : 2014年12月4日
- 読了日 : 2014年12月2日
- 本棚登録日 : 2014年11月24日
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