ようやく旅順陥落の5巻
乃木に代わってやってきた児玉の漢っぷりがかっこよかった巻に尽きるかなあ、と個人的には思います。師団の参謀たちを叱り飛ばし、それでいて長年の友である乃木への気遣いを忘れない。そんな姿がかっこよかったです。
旅順陥落後の日本軍とロシア軍の会談の場面も印象的でした。戦時下の将軍同士の会話なんて、もっとぎすぎすしたものかと思っていましたが、
お互いに相手のことを認め合っている節があって、兵器が戦争の主軸になり始めた近代の戦争と違ってまだわずかながらも、戦争に情のあった時代だったのかもしれないですね。
また停戦後日本兵とロシア兵が抱き合ったり酒を酌み交わしていた、という記述が印象的でした。勝利も敗北も関係なく、戦闘が終わったという解放感からの出来事と書いてあるのですがそれが真実だとすると、改めて戦争って何なのかな、と思ってしまいます。
説明的記述がまた増え始めてきたのが少し辛いところですが、ロシアの石炭事情や外交事情などいろいろな見方がされていてそちらも興味深かったです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
時代小説・歴史小説
- 感想投稿日 : 2014年12月2日
- 読了日 : 2014年11月29日
- 本棚登録日 : 2014年11月17日
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