パンとワインとおしゃべりと (中公文庫 た 33-19)

著者 :
  • 中央公論新社 (2002年2月1日発売)
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本棚登録 : 103
感想 : 10
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もう、表紙のシャンピニオンがかわいすぎー!表題のとおり、パンとワインとおしゃべり満載の本です。玉村さんがヨーロッパで味わったお味と、日本に戻られて信州で暮らされてからのお味が、ちょっと気取った感じ(でも嫌みではない)の粋な文章で語られます。もちろん、お酒もワインだけではありません。ヨーロッパはお酒が強くないと面白くないので、お酒の味は好きなのに量が飲めない私にはうらやましいかぎりです。グルジアの乾杯のあいさつ、「シャンパンのような元気を!」で乾杯してみたい!さまざまなお料理も紹介されており、楽しいことしきり。シュー皮にチーズを詰めたグージェールや、チーズフォンデュ代わりになる、ベルトゥーはとても美味しそう!イギリスのキュウリサンドイッチは、玉村さんいわく「渋い滋味があって病みつきになる」そうですが、どうだろう(笑)。イギリスの下宿で大家さんが作ってくれた、お世辞にも美味しいといえなかったジャガイモのサンドイッチにまつわる思い出など、味とは別に心にしみるお料理も紹介されています。あるキノコを食べる話にはちょっとびっくり、です。1編1編がとてもコンパクトで巧みな筆致のエッセイで、本自体もとても薄い本ですが、決して物足りないとは感じません。「美味しい食べものと飲みものがあれば人生幸せだー」と思ってふふふと笑える本なので、この☆の数です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 物欲スパーク!
感想投稿日 : 2008年10月18日
読了日 : 2008年10月18日
本棚登録日 : 2008年10月18日

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