死んだように生きる幽霊役者・小平次を中心に、絡まりあった因縁が陰謀や復讐を呼ぶ怪奇潭です。
しかしまたこの作品は、小平次と、彼と出会った者たちが、己や己の過去と向き合う物語とも言えるかもしれません。
登場人物は、小平次を筆頭に現実にはまずいないだろう人物像ですが、江戸という舞台設定と作者の軽妙な語り口で、違和感なく頭に入ってきます。
しかしその極端な人物像により、主題が明瞭に示され、結果とても現代的な作品に仕上がっています。
この作者の作品で、ほぼハッピーエンドと言える終幕のものは 初めて読みましたが、たまには良いかなと思いました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年7月13日
- 読了日 : 2014年7月6日
- 本棚登録日 : 2014年7月6日
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