家庭に尽くす専業主婦がいろいろなきっかけから通訳の仕事を始め、その後もいくつかの今までの彼女からは考えられなかった生活をし、ある彼女の特徴と言えるもので最終的に意志を初めて表明するのだ。
読み終えるには時間がかかる。少しでも油断すると何が書かれてたっけ?とページを戻ることもしばしば。くどくどしていて退屈にも感じる。書いていることを噛みしめないとどしんと心にこないと思う。
ドリス・レッシングの作品に出てくる女性の多くの共通点。人によって作られ自分はこれがあるからこそ今があるのだと思い込んでいたもの、その作られたアイデンティティの象徴を捨てた時が、その主人公の初めての意思決定になり自分自身の本当のアイデンティティを持つことになる。
…と、私は思う。この作品の主人公ケイトも同様に。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文芸(その他現代)
- 感想投稿日 : 2014年12月21日
- 読了日 : 2014年12月21日
- 本棚登録日 : 2014年8月28日
みんなの感想をみる