文庫版、全6巻の超大作、3冊目。ようやくの折り返し地点です。まだまだ、先は長い。いやあ、長い。だが、その長さが、なんとも、嬉しいのですなあ。
ここに来て、物語は、学校内裁判を行う、という局面を迎えます。あらすじなどの前情報を極力読まないように読み進めていたので、「こんな展開になるのか!」という驚き、ありましたねえ。第Ⅰ部 事件 下巻 の、最後で、涼子が「わたし、なにをするべきなのか、わかった」というようなこと言ったこととは、これだったのか。いやあ、宮部さん、こんなテーマを考え付いたとは。いいなあ。面白いなあ。
この、学校内裁判が始まる、となってから、登場人物が、どーんと増えますねえ。その、増えた人物のキャラクター付けが、なんといいますか、お見事。語弊のある言い方かもしれませんが、ゲーム的ですね。各個人の、キャラが立っている、というヤツ。宮部さん、生粋のTVゲーム好きだそうですし、やっぱ、影響してるんだろうなあ。ある意味、解りやす過ぎない?という心配はあるのですが、様々な登場人物をキッチリと色分けする、という意味では、お見事ですよねえ。
ここらへんは、何といいますか、高見広春さんの、あの個人的大名作「バトル・ロワイアル」の、城岩中学3年B組のメンバーを思い出させて、ええなあ~って思いました。バトル・ロワイアルのあの、中学生離れしていすぎやで、、、っていう、愛すべき登場人物たち。大好きなんだよなあ。
ちなみに、高見さんのあの作品は、城岩中学。スティーブン・キングの小説内の架空の町「キャッスルロック」が元ネタらしいのですが、宮部さんの小説の舞台は、城東第三中学。キャッスルイーストですか。東の城。それ即ち、極東 = 日本?という想像から、宮部さん、スティーブン・キングに対する敬意なのかしら?
ちなみに、このソロモンの偽証、ここで新たに登場した人物では、
「とにかくフォロー」が存在意義の、佐々木吾郎。
中学生で空手の達人で、全てを悟ったような、その存在感って何よ?の、山崎晋吾。
冷徹無比&ツンデレ?秀才の、こういうのって絶対学園舞台ゲームでいるよね、美味しいよね的メガネキャラ、井上康夫。
と、キャラ立ちまくりのメンバーがでてきて、今後はどんな活躍してくれますやろか?と、興味津々。いやあ、宮部さん、これらの人物を動かすの、書いてて楽しくてしゃあないんでは?とかね、思う次第です。
それにしても、物語は今後、どう動いていくのだろうか?
神原和彦と、亡くなった柏木卓也の関係は、いったいどれほど深かったのか?
この世界観のなかで、悪意と悲哀を一手に引き受けたような存在と思われる三宅樹里には、どのような救い?が、用意されているのか?
それとも、三宅樹里は、本当に、どうしようもないモンスターそのものなのか?
とにかく、読み進めなれければ。宮部さんが、この超大作に、どのような結末を用意しているのか。しっかりと、見届けさせていただきます。いやあ、読書の愉悦やなあ。
- 感想投稿日 : 2017年6月15日
- 読了日 : 2017年6月15日
- 本棚登録日 : 2017年6月15日
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