文庫本カバーの粗筋をみても、どのような小説かは予想がつかない。
著者の経歴を読めば、自分自身の経験をもとにしているようであり、ピカレスク(悪漢)小説の類か?と思いきや、読み始めると主人公の魂の再生の物語だった。そして、それがとても面白い。
この波乱万丈の物語を魅力あふれるものにしているのは、汚濁にまみれながら魂の都市でもあるムンバイ(ボンベイ)という街とインドという国。
とにかく、ボンベイの街の混沌とした社会や生き方の描写が圧倒的。
欧米の価値観とは全く異なる世界で、主人公がもう一度自分の人生を再構築していく過程は面白く、どんどん読み進んでしまう。
謎めいた美女カーラとのロマンスもあり、次巻以降も楽しみ。
(次巻は、また予想外の展開となり、冒険小説の趣があるのだが)
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年1月10日
- 読了日 : 2012年1月6日
- 本棚登録日 : 2012年1月4日
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