シャンタラム(上) (新潮文庫)

  • 新潮社 (2011年10月28日発売)
4.06
  • (101)
  • (88)
  • (49)
  • (11)
  • (5)
本棚登録 : 1261
感想 : 87
5

文庫本カバーの粗筋をみても、どのような小説かは予想がつかない。

著者の経歴を読めば、自分自身の経験をもとにしているようであり、ピカレスク(悪漢)小説の類か?と思いきや、読み始めると主人公の魂の再生の物語だった。そして、それがとても面白い。

この波乱万丈の物語を魅力あふれるものにしているのは、汚濁にまみれながら魂の都市でもあるムンバイ(ボンベイ)という街とインドという国。

とにかく、ボンベイの街の混沌とした社会や生き方の描写が圧倒的。
欧米の価値観とは全く異なる世界で、主人公がもう一度自分の人生を再構築していく過程は面白く、どんどん読み進んでしまう。

謎めいた美女カーラとのロマンスもあり、次巻以降も楽しみ。
(次巻は、また予想外の展開となり、冒険小説の趣があるのだが)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年1月10日
読了日 : 2012年1月6日
本棚登録日 : 2012年1月4日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする