高校3年生の尾崎孝史が東京の予備校を受験するために泊まったホテルが火事に会い、死を覚悟した時に謎の男に導かれて2.26事件の昭和11年にタイムトリップする。タイムトリップした場所は、そのホテルがあった場所、元陸軍大将蒲生憲之の屋敷だった。
何故蒲生邸だったのか?何故2.26事件の時だったのか?蒲生憲之の死と遺書の秘密は?タイムトリップに導いた平田と名乗る謎の男の目的は何?
蒲生憲之の長男蒲生貴之とその妹珠子の不可解な行動、蒲生憲之の年の離れた弟で実業家、貴之の叔父蒲生嘉隆、憲之の後妻で嘉隆と密通している鞠恵、そして女中のふきとちゑ。蒲生邸に居合わせる登場人物が絡み合って謎が謎を呼ぶ。
蒲生憲之が拳銃で自決したのにその拳銃がなくなっていた。それが色んな思惑を呼び、物語が展開していく。2.26事件を起こした青年将校と同じ思想だったはずの蒲生憲之が途中で考え方を変えた理由こそが事件の核なのだとわかるが、現代の人間の平田が昭和11年に蒲生邸で下男となって働いているのは何故?色々な疑問がわかるまでワクワク感が続く。
最後の現代での尾崎孝史の時代を超えた恋の行方には感動した。
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- 感想投稿日 : 2017年11月24日
- 読了日 : 2017年11月23日
- 本棚登録日 : 2017年11月16日
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