玄笑地帯 (新潮文庫 つ 4-21)

著者 :
  • 新潮社 (1988年5月1日発売)
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本棚登録 : 146
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1983年から85年にかけて刊行された『筒井康隆全集』全24巻(新潮社)の月報に掲載された、著者のエッセイをまとめた本です。

一回の文章が原稿用紙にして7枚と5行および12字に定められており、「改行なしにどんどん違う話を書く」ということわりがあって、それまでの脈絡とはまったくつながることのない話題に移るなど、えんえんと著者の饒舌な語りがつづきます。「さて。閑話休題。などと書いているが実はこれすべて始めから終りまで閑話ばかりなのだ」とあって、あいもかわらず「閑話」がつづけられるなど、どこを切りとっても純度百パーセントの筒井康隆のエッセイとなっています。

なおイラストは、山藤章二が担当しています。雑誌『カドカワ』に掲載された開高健のSF小説評に対して、著者がその無理解を厳しく批判しているエッセイでは、著者の『狂気の沙汰も金次第』と開口の『開口一番』の文庫版表紙イラストを寄せた山藤の苦しい立場が表現されています。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の小説・エッセイ
感想投稿日 : 2023年11月26日
読了日 : -
本棚登録日 : 2023年11月26日

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