羊というのはなんて不思議な動物なんだろう。
単体を遠目で見るとフワフワした体毛のおかげで可愛らしく見える。
しかし単体を近くで見ると面長の顔や、焦点が合ってるかわからない目や、奇妙な咀嚼の動きなど、キミ悪さが際立つ。
さらに群衆になってあの無表情で見つめられると、死の恐怖さえ感じる。
そんな羊が随所に出てくるせいか、この物語のどの場面でも死が隣り合わせに存在する感じがした。
主人公があることをキッカケに、星の模様の羊(DIOなのか?!)を探しに東京から北海道を旅する物語。
登場人物の名前が出てこないので、常に人物像がボヤッとしてるのが不思議な感じ。
名前は重要なのだ。
下巻の真相に迫って行くとともに、主人公が追い詰められて行く様子は息がつまる。
そんな中でも、食べ物や飲み物や音楽がオシャレなのは流石。
風景や食べ物などがリアルなので、ファンタジーであることを忘れる。
結果、おもしろい。
面白かった。
ダンスダンスダンスを先に読んでしまったので、羊男やいるかホテルに出会うシーンはニヤニヤしてしまった。
今度は鼠に会うために、さらに過去の作品に触れなければ。
それにしても、キミ悪いとかなんだかんだ言っても、羊が好きな未年の私。
不思議だ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2017年9月23日
- 読了日 : 2017年9月23日
- 本棚登録日 : 2017年9月23日
みんなの感想をみる