時代が音を立てて震動するような状況になっていく訳だが、本作の継之助は「だからこそ」とばかりに色々な人と交わる“自分探し”を行い、それを通じて「自らの立場、または進めべき方向」を定めようとしている。彼が交わるのは、地元長岡の幼馴染である親友の良運さん、乗り込んだ幕府軍艦の士官、横浜で親しくなった福地源一郎、その年上の同僚である福沢諭吉、身の回りの世話をする忠僕の松蔵、横浜の女郎、外国商人のスネルなどなど実に多彩である。こうした多彩な人達と出会い、言葉を交わす都度に本作の継之助は自らの考え方を“確信”に高めていくのである。
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国内小説
- 感想投稿日 : 2009年2月4日
- 本棚登録日 : 2009年2月4日
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