峠(中) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2003年10月25日発売)
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本棚登録 : 2299
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時代が音を立てて震動するような状況になっていく訳だが、本作の継之助は「だからこそ」とばかりに色々な人と交わる“自分探し”を行い、それを通じて「自らの立場、または進めべき方向」を定めようとしている。彼が交わるのは、地元長岡の幼馴染である親友の良運さん、乗り込んだ幕府軍艦の士官、横浜で親しくなった福地源一郎、その年上の同僚である福沢諭吉、身の回りの世話をする忠僕の松蔵、横浜の女郎、外国商人のスネルなどなど実に多彩である。こうした多彩な人達と出会い、言葉を交わす都度に本作の継之助は自らの考え方を“確信”に高めていくのである。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 国内小説
感想投稿日 : 2009年2月4日
本棚登録日 : 2009年2月4日

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