あらゆることが管理された未来社会で、人々の過去の記憶を全て引き受けるレシーヴァーという役割を与えられた少年の物語。この社会の様子はジョージ・オーウェルの1984を髣髴とさせます。
記憶を人に委ね何も考えずに生きることが幸せなのか? 重荷を抱えても人は自分で選び取って生きて行くべきではないのか? この物語はそう問いかけます。
物語はとても美しい雪の情景の描写で終わっています。これはハッピー・エンドなのかバッド・エンドなのか、それは読者の想像に委ねられているのだと思います。
ジュベナイルですが、とてもシリアスで、大人が読んでも十分に楽しめます。