- Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000011754
作品紹介・あらすじ
20世紀後半の思想的潮流に多大な足跡を残し、現在ますますその革新性が認識されつつあるJ・ラカン。本書は、「セミネール」として知られるラカンの講義録の第3巻にあたるが、フロイトの新しい読みと現行の精神分析批判、自らの基礎概念の説明、そしてシニフィアンの病としての分裂病を論じ、ラカン思想の中核を伝える。従来の精神病理学の袋小路を打破し乗り超えようとする精神科医はもとより、広く心の科学を探究する人々にとっての待望の書と言えよう。
感想・レビュー・書評
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思いのほか読みやすい、下巻へ
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私は精神分析の考え方に惹かれる。しかし,困ったことに,実際フロイトやラカンを読んでみるとチンプンカンプンなのだ。多少なりとも理解できるのはジジェクぐらいなものだが,ジジェクも最近の方向性はまったく分からず,読まなくなってしまった。しかし,なんとか人文書院のフロイト著作集は少しずつ集め,数年に1冊ずつ読んでいる。ラカンは『エクリ1』と『テレヴィジオン』『二人であることの病い』『精神分析の四基本概念』を読んだだけ。とりあえず,岩波書店から出ている,ミレールが編集した講義録を古書店で安価で見つけた場合には買うようにしている。本書は上下巻だし,タイトルだけだと専門的すぎるかなと思っていたけど,なぜか購入していた。随分前に読み始めて,ようやく上下巻が読み終わった次第。こうして目次を書いてみると,おそらく目次をみて購入を決めたのだと思う。
上巻
精神病の問いへの序論
1 精神病の問いへの序論
2 妄想のシニフィカシオン
3 大文字の他者と精神病
4 「私,豚肉屋から来たの」
精神病現象の主題と構造
5 騙さない神,騙す神
6 精神病現象とそのメカニズム
7 想像的崩壊
8 象徴界のフレーズ
9 無意味,そして神の構造
10 現実界におけるシニフィアンと叫びの奇跡
11 原初的シニフィアンの拒絶
下巻に続く