- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000256711
感想・レビュー・書評
-
摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50119521詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第56回アワヒニビブリオバトル「持続」で紹介された本です。
チャンプ本
2019.09.03 -
食文化の大家である石毛直道氏は、当然30〜40年前
から世界の食を経験しています。
日本では東南アジア諸国の料理には以前は目も向けて
いませんでした。今ではトムヤムクンなんて誰でも
知っていますが、ほんの数十年前までは、誰も知らな
かったのです。
何と1984年当時でさえも、トムヤムクンは日本では
知られていなくて(ようやくイタリアンが流行り
始めた頃でしょうか)、レシピ本には料理名もなく
「海老の酸っぱく辛いスープ」とだけ書かれていた
そうです。
そんな時にレシピ本を元に石毛氏は何とか各国料理
を再現しようと奮闘したの記録の本です。
余談になりますが、トムヤムクンを世に広めたのは
誰なのだろうと知りたくなりました。 -
-
「なつかしの日本洋食」の章が拾い物。レシピも興味深かったが、昭和初期の女性雑誌『主婦之友』と『婦人倶楽部』が別冊付録の豪華さで戦ってた話とか。
-
国立民族学博物館勤務時代、著者が海外調査から帰国すると、
その国の民族料理を再現し、研究者や職員に振舞っていた。
その“石毛クッキングスクール”のレシピの一部を紹介する。
西回りでの世界旅行となるよう順番で、開催した19回の
クッキングスクールの概要・関連する食文化のエッセイ・
献立表・レシピ・レシピ追記での構成で、画像は少ない。
食材や料理の写真は皆無。本文や注に参考文献あり。
“石毛クッキングスクール”の十周年記念のレシピ集には、
49回開催した料理教室の219品目のレシピが記載されていて、
その中から様々な食文化を知ってもらおうと、
本書で19回分を紹介してます。
朝鮮・中国・タイとカンボジア・インドネシア・カフカス・
トルコとギリシャ・北イタリア・スペイン・フランス・ペルー・
日本の洋食・宇和島・日本の鍋物いろいろと、レシピは多彩です。
料理の写真は全然無いけれど、“胃袋帝国主義者”ならではの
経験豊かな味の表現と平易な文章でレシピが味わえます。
トムヤムクンやポレンタ等、当時は珍しかった食材や料理が、
現在では身近になっているという、時代の流れも感じます。
そして、研究室のキッチンで、石毛先生や著名な料理人等に
料理を教えてもらい、試食出来た、当時の民博の関係者たちが
羨ましいなぁと思いました。