- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000610797
作品紹介・あらすじ
多くの人が犠牲となった震災と原発事故。私たちは、その壮大な悲しみに真摯に向き合ってきただろうか。失われた声に耳を傾け、言葉に命を与えてきただろうか。気鋭の批評家と福島を生きる注目の詩人が、生と死の意味、言葉の本質的な役割などをめぐり対話を重ねた。一年間におよんだ『東京新聞』(『中日新聞』ほか)の好評連載に、二人の書き下ろしエッセイを加えて一冊にまとめる。
感想・レビュー・書評
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「伝えたいことがあるときよりも、伝えきれないことがあるとき私たちは、言葉との関係を深めている」
未曾有の災害を経験し、数えきれない悲しみが世界を覆ったとき、人間はどのように乗り越えるのか。二人の往復書簡が生み出すものは共感ではなく、共鳴か。
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震災後の支援において、生活の支援が必要なことは言うまでもないが、一人一人の人生に向き合い、伴走することが必要なのだと気付かされました。
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個の問題は他者に向かって開かれていく中で、
新しい姿に生まれ変わる。
人間は簡単に共感できないが、
思わぬところで共振する。
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それぞれ別の経緯で知り、好きだったお二人の往復書簡ということで読む前から期待していた。
お互いの存在は知りながら、実際には面識のなかったふたりが、敢えて1年間の連載が終わるまでは会わない約束で手紙を交わす。ふたりの距離が少しずつ近くなる感じ、お互いの心の中にあるコトバを交換し合うやりとりを、読者である私も同時にその場で体験させてもらったようだった。やっぱり、お二人とも大好きだ。ドキドキしながら読了。