- Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001141351
感想・レビュー・書評
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この間の『小さい牛追い』の続き!
本好きの長男オーラとお店の人とのやりとり、
みんな大好きシラカバ・ラルス、
学校に行くようになった小さい妹たち、
公正で優しい先生…
意地悪を言われたマルタをインゲリドが助けるシーンが
最高だ。
オーラと弟エイナールは自分が仕事で稼いだお金で
皆のクリスマスプレゼントを買おうと計画する、
頼もしいなあ!
向かいの農場に遊びに来た、ヘンリー、
この子が私が嫌いなタイプのいたずらっ子で、
出てくると本当に頭が痛くなるんだけれど!
(感情移入しすぎ)、
「この子、早く、自分の家に帰らないかな…」と思いながら、読む。
重い病気になったことで暴君と化したマルタ。
(お父さんがお人形のお洋服を…!)
『大草原の小さな家』の男の子版と言う感じ、
いたずらなんかも度が過ぎて命が危ないことも多々あるけれど、
逞しいお父さん、優しいお母さんが
しっかり見守っているから安心よ。
小さなヨン、ヨンのご両親も面白い。
何度でも、読むんだ!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
4~5年から。『小さい牛追い』から続けて読む。クリスマスの描写は温かくて幸せで、読みながらにんまり。その他独自のボーイスカウト、マルタの肺炎と。「肺炎は人間をあまりよくしないということに意見が一致」する兄弟の面白さ。
彼らは4人兄弟だけれど、私は長子のオーラに共感を寄せてしまう。
そしてインゲルの登場で調子の狂うオーラがほほえましい。楽しいおはなしだなぁ。 -
『小さい牛追い』の続編。前作と同じく、四人きょうだいの上ふたり・オーラとエイナールの存在感は大きいが、下のふたり・インゲリドとマルタも少し大きくなって、読んでいて存在感がましてきた感じ。
スヴァルタがうんだ子牛が、みんなの期待に反して牡牛だったとき(牝牛なら市に出して売る)、子どもたち、とりわけエイナールはこの子牛を生かしておくようおとうさんたちに嘆願した。子牛はブタといっしょにクリスマスに殺してしまうことになっていたから。
何を聞かされても、エイナールは子牛のいのちを救おうという望みを捨てず、ものすごい計略を考えついた。最後の手段として、それを実行して…
子牛はある朝、牛小屋からこつぜんと消えていた。どろぼうがぬすんだのか?その子牛がとなりの農場でほえたてているのがみつかった。ランゲリュード家の子牛がいなくなった話はほうぼうへ伝わっていたから、人びとは大いに驚いたのだった。
▼ランゲリュードの牛小屋から、どろぼうが子牛をぬすんだことは、たしかだと、みんなは思いました。けれども、子牛が、どうしてまた、どろぼうの手からにげだしてきたかということは、とけないなぞでした。(p.79)
そして、子牛はランゲリュード農場で英雄のように迎えられ、奇跡の子牛だというわけで生かしておこうということに決まった。なまえは「ミラクル(奇跡)」!その奇跡がおこったわけを知っているのはエイナールだけ。
いとこのヘンリーの話や、マルタが肺炎で死にそうになる話、シラカバ・ラルスの話など、読んでいてほんとうにおもしろかった。そして、きょうだいで一番上のオーラの言動は、この男の子が子どもから大人へとむかう年頃になってきたんやなあとほほえましく、懐かしいような気もするのだった。
新装版の巻末には、訳者の石井桃子の一文とともに、瀬名恵子(せなけいこ!)による、「なつかしいなあ~『牛追いの冬』」がおさめられている。総領だった瀬名は、やはり上の子・オーラの気持ちがよくわかるという。 -
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