- Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001141405
感想・レビュー・書評
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再読。
12歳の少年の目を通した、家族と家族が関わることになった少年野球チームの話。そこにこの年頃によくある友人関係とか、地域事情とか、少年の家族が信仰しているユダヤ教という宗教の話が絡んでくる。そんな経験から『気付き』を得られ少しずつ大人への階段を登っていく主人公。どのエピソードも共感出来てしまう。読んでいる最中も、読み終わった後も、その余韻に浸っていたいとさえ感じる。これはフィクションなのに、この家族が、このコミュニティが、今も変わらず何処かに存在していて欲しいとさえ感じた、私にとっては稀有な作品だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
野球チームの話なんて、バッテリー以来だなぁ。。と思いつつも、カニグズバーグと、これをおすすめして下さった皆さんの顔を信じつつ、苦手な野球のお話かぁ。。と読み始める
あら!
野球のルールはよく分からないけど、カニグズバーグが描く子どもたちの姿と、その周りの大人たちは、本当に素敵だから、やっぱり面白くって!少年の等身大の気持ちの動きと社会性が交差していく感じ…
マークはいつも、忙しいママの不満ばかり呟いている。
こともあろうに、ママが自分たちの野球チームの監督になるだなんて言い出した。
そのうえ大学生の兄さんがコーチをするというのだ…
ママと監督、兄さんとコーチ、
こどもであり、弟であるぼくと、マーク。
ふたつの立場。
ママとマークの、ママ(ベッシー)と兄さんのスペンサーの、ママと妹のセルマおばさんとのおかしな喧嘩(セルマの夫ベンのあたまが禿げてるとかはげてないとかw)なんというか、そんなケンカシーンが、とてもリアルで面白い。ママに愛情がたっぷりあるからこそなんだけど!
…友だちとのすれ違い、
陰口、悪口、おかしな噂、そういうフェアじゃないことが苦手なマーク。ちっともかっこいい主人公の姿でないけれど、そこがいい。
ベーグル、そう、ユダヤのパン。
なんとも上手いことユダヤ人の象徴として使われています。
クーキーとベーグルとのシーン、可愛らしい!
これ、最初はロールパンと翻訳されていたと聞きますが、ロールパンじゃ、このシーン台無しじゃなかったのかしら…
と、最後のちょっとした事件、魅力的なママの描かれ方、普通の生活の中の、ほんの、一コマをとっても魅力的に掘りおこしてくれるカニグズバーグのスタイル、本当に最高です!
なんでこれ、絶版なんでしょ!
やっぱりカニグズバーグ、読破しなくては。。 -
母が自分の野球チームの監督、兄はコーチになってしまった少年の話。
人物描写、人間関係の描写が非常に上手くて唸らされた。
家族、学校、野球チームや教会。
子供であっても、幾つもの重なり合った社会の中にいる。
そこで何を尊重するのか、自分はどう生きていくのか、考えて試行錯誤する主人公の姿がとても良かった。 -
面白い!思春期特有の家族への視点の変化とか、親友との距離感とか、表現が的確すぎてびっくりします。ママが素敵。出てくるセリフがどれもかっこよくて、こんな母親になりたいと思わずにいられません。これは手元に置いて読み返したい一冊。「そしてねずみ女房は星を見た」で紹介された本ですが、本当に読んでよかった!おすすめです!
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http://d.hatena.ne.jp/honyakumystery/20130712/1373586073
(1969年:『ベーグル・チームの作戦』とニューヨーク・メッツ)-
2014/06/17
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人は、1人でいるときに成長する。
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カニズバーグの原文が良いのか、訳が素晴らしいのか、まずは、その文章の虜になってしまいました。
パリッとした清潔なワイシャツのような・・・そんな文章。一行読んだだけで、相性がピッタリだと確信しました。そして、グイグイと引っ張られるようにして、あっという間に、読了。
何より良かったのは、主人公のお母さん。最初は、感情的だし、言いたいことはストレートに言うし、なんて母親なんだろうと思ったけれど、これが、本当に素敵なお母さん♪
また、無関心のようでいて、要所要所で、的確なアドバイスしてくれる父親も素敵だった。
親として、憧れの一冊。そして、自分の12歳の頃を思い出す一冊でもありました。最高です。 -
カニグズバーグは、子供とその家族を描かせたら、無敵だな。親の数だけ子供たちを描き分け切る。今回は少年野球の話。お母さんがとびっきり、素敵だわ。お父さんも渋い。