- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001150568
感想・レビュー・書評
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はー。
可愛すぎた。懐かしすぎた。幸せな時間だった〜。
小学校の図書室でいつも読んでたのはふたりのロッテとドリトル先生。
今読むと、泣けて泣けて仕方ないわね。
どんな子どもたちも、絶対に幸せでいなくっちゃ。せめて物語の中だけでも…
映画は見たことないんだけど、これはもともとケストナーが映画のシナリオとして書かれたお話だった。ナチスによって、彼ら自由主義者の本は、発禁にされ、焼かれた。そんな中で子どもたちのためにシナリオとして残そうとしたケストナー、自分のことを道徳者だとか言ってたそうだけど、良いことは良い、悪いことは悪い!そういう当たり前の心を持った作家だったはず。
ユーモアや、大胆なところはあったにしろ。。
双子が撮った記念写真や、パルフィー氏の奏でるオペラ、得にヘンゼルとグレーテルのシーンなんか、映画の中で素敵なスパイスになったでしょうねぇ。←観たことないから。。
翻訳も素敵だし、夢見心地な読者時間を過ごせちゃったな。
うーん、やっぱりこれが一番好きかなー
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小学三年生の時、学校の図書室で借りて読んで以来、何十年ぶりに。
とっても好きなお話だった、ということしか覚えていなかった つもりだったけど、読み進めるうちに思い出した。
ついでに、というか自然に、その頃住んでいた町や家や近所のおじさんおばさんの顔や、お気に入りだったワンピースのことまで。
子どものわたしはこれを読んでどんなことを感じたのか、詳しく聞いてみたいな。いや、無粋か。
「えくぼをたくさんこしらえて帰ってきてね!」
大切な人にも自分にも、そう声かけよう。これから。
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なんてかわいいこと!
翻訳もすごく粋
「たくさんえくぼをこしらえて帰ってきてね!」 -
黄緑色の小花模様のハードカバーの『ふたりのロッテ』という本が小学校の図書室にあった。本自体が素敵で憧れる気持ちと、名作然としていて敬遠したくなる気持ちと、両方感じていた。結局いちども読まずに卒業した。
子どもと図書館通いをしていたらそんな記憶がよみがえった。
今やネットで大抵のモノもデータも労せず手に入る時代。ちょっと調べたら、それは1990年の岩波少年文庫創刊40周年記念として刊行された特装版シリーズの中の一冊で、あの素敵な装丁はウィリアム・モリスのデザインだということがわかった。小学校の図書室の本はどれもおそろしく古い本のように思っていたけれど、私が入学したのは1991年なのだから、比較的新しい本だったということだ。
この「特装版」にこだわると新品ではどうも買えないようだが、中古なら出品している人がたくさんいることを知り、別に高値というわけでもないので迷わずポチる。ついに我が物に。モノとして可愛い。届いただけでまず所有欲が満たされる。
読んでみると、子どもに優しく語りかけるような文章が素敵だった。話の筋も、大人の事情をシビアに考えたらこうはいかないかもしれないけど、子どもの望む幸せを何より大事にしたらこうなる、ということが描かれていて、徹底して子どもの味方だなあという印象。主人公の少女たちが、自分の幸せのために知恵と勇気と優しさと行動力とをもって奮闘する姿もカッコいい。
そして「未読の古典名作をひとつやっつけたぞ」という満足感も。初ケストナーだったと思う。 -
面白かった。ロッテちゃんは、面白いな~と思った。
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日本とは異なったヨーロッパの世界観が写し出されていて、読んでいるといつもとは違う世界にいるようで楽しかったです。
ふたりの境遇の違いなどから身分による差が大きいことが伺えると感じました。 -
挿絵がますます可愛くなって…!
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映画や舞台のことは知ってたけど、今更ですが読んでみました。子供でもこんなにウイットに飛んだ会話するのかなあ。食わず嫌いが少し解消した気分。
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眠れないので読んだ。可愛い話!ロッテとルイーゼという双子の姉妹が、二人の両親を仲直りさせる話。
1950年の版を読んだ。改版しかブクログに登録されていないのだが、改版だと描写が変わっていたりするのかもしれない。(もしくは、oder?の訳し方などの明らかなミスを直しただけかも、改版で何が起きたのか不明)
今だとフェミニストたちから大問題になりそうな描写がわりと自然にある。
たとえば、双子の姉妹は離れ離れになっており、一方は母親のもと、一方は父親のもとで生活している。そのため経済格差がすごい。
雑誌の表紙になる写真を探していたが、女性水泳家の写真を提案すると、まず尋ねられるのが「きれいですか?」であること、など。
こちらが読んでいて不安になったのは、
双子は途中で入れ替わるのだが、しばしば「自分が今ロッテなのかルイーゼなのか分からない」と言い出すこと。役割が人を作る、という点はあるのだろうが、あまり自分がなにものなのか分からないとおおっぴらに言ってほしくはない。不安になる。
それから、両親が仲直りするのは、ロッテがストレスから高熱を出すためなのだが、言ってみれば自傷的。こういうことをしなければ親の注意をひけないのはいかがなものか。
途中、ヘンゼルとグレーテルのオペラが上演されるシーンがあった。親に捨てられた貧しいふたりの兄妹が、魔女を倒して家に帰るというストーリー。ふたりのロッテのストーリーと密接に関わりあっている。ヘンゼルとグレーテルでいつも思うのは、「困ればお前を捨てる」と宣言している両親のもとに戻ってどのような幸せがあるのか、ということだが、ふたりのロッテもまったく同じ。
母親とルイーゼが旅行に行くシーンで、母親が「お金がなくなったらあんたを売るわ」と言い、「あたしは高く売れるからお母さんはあたしを何度か売れば旅費を稼げるわね」と返すシーンがある。読んでいて悲しい気持ちになるのだが、これがほのぼのとしたシーンとして描かれているのがなお悲しい。
面白かったシーンは、「犬だけは双子の入れ替わりに気づいている」というシーンかな。動物の本能。
1942年に原型となる小説がつくられ、ふたりのロッテが書かれたのは1949年。ケストナーは反ナチで有名。戦争の爪痕をまったくみせない筆致が、むしろ戦争を強く意識して、平和主義としての小説を書いた彼の意識を感じさせる。戦争の介入しない文学を、子供のために書くという試みだったのかも。 -
すごく良かった。
子どもがいる今となっては、親の視点からも考えさせられてしまう……。
素敵なお話です。大好きです。