にごりえ・たけくらべ (岩波文庫 緑25-1)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (141ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003102510

感想・レビュー・書評

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  • NHKのテレビ番組のJブンガクを見ています。
    2010年の8月に にごりえを紹介していたので読み直しました。

    相手はいくらもあれど一生を頼む人が無いのでござんす

    というくだりを

    Sure, I have loads of admires - but no one I can trust my life to.

    と訳していました。 最後のtoは思い至りませんでした。

    へー,そう訳すんだと
    にごりえ の中身と英語の勉強になりました。

    英語にしてみるとにごりえ の良さと日本語の良さを再認識できることが分かりました

  • 「読書力」文庫百選
    6.つい声に出して読みたくなる歯ごたえのある名文
    →歯ごたえのある文体。精神の心地よい緊張感が伝わってくる

  • 文体が綺麗

  • いわずと知れた明治の文学。いつかは読もうと思いつつ、55歳を超えてはじめて読む。だからこそかもしれない。「たけくらべ」はせつなく、悲しく、十代の淡い思いがよみがえる。さらに悲しくもある。
    これからは何度も繰り返し読むことになるだろう。

  • 「言文一致体ではないけれども、これは近代文学なんだ・・・」なんてことを昔教えられたと思いつつ、夢中になって読み終えた。

    『にごりえ』では物憂げな酌婦のお力、そして『たけくらべ』では快活な少女美登利がそれぞれ主人公である。

    両者は当時の男尊女卑の風紀から外れた吉原界隈の人間である。しかし、自由はあれど所詮は「籠の中の鳥」、彼女たちの存在と未来は予め運命付けられている。そして、実はこうした運命付けは主人公以外の登場人物にも当てはまるのであり、坊主の子は坊主に、高利貸しの子は高利貸しになる未来がそれぞれ暗示される。

    樋口一葉による登場人物の嬉々とした心情変化の繊細な描写は、将来に対する彼らの不安をも克明に写し出していた。

  • やはり『たけくらべ』を読むと、日本語の美しさを無性に感じる。

  • 鎌倉の鶴が岡八幡宮近くの鏑木清方の美術館で一葉の墓に美登利の幻が佇む絵を見たことがある。その時から、いつかは読まなければと思っていた。
    「たけくらべ」で思い出すのは、魔法使いサリーちゃん。40年ぐらい前の小学生の頃、春休みか夏休みの再放送で見た。(本放送中は男の子向けマンガを見ていたんだろう。)魔法使いは小説を読むと、物語の中に惹き込まれてしまう。本を読んだサリーちゃんが小説世界の中で美登利になってしまうという話だった。父親の大魔王の魔法で助け出されるのだが、話自体は大した盛り上がりも無く、変な違和感があった。

    「たけくらべ」自体、短くて淡々とした物語。美登利と信如の間には何も起こらない。ある日、少女と少年の日が終わる。読み終えて堪らない寂寥感につまされた。
    雅俗折衷体の文体は、かなりてこずったが、言文一致体で書かれたら、ピンとこないんだろうなあ。

  • 「にごりえ」だけ読みました。難しかった。
    私は、お力よりも、お初に感情移入してしまいました。旦那の源七が風俗?にはまって、子どもはほったらかし・・・切ない!
    皆さんのレビューを読んで、たけくらべにも挑戦したいです。もうちょっと後で・・・

  • 8/3
    軽妙洒脱。
    焦点移動の巧みさと流麗な文体に、悔しいかな男性作家じゃかなわない。
    川上未映子のはるか上を行っている。気がする。

  • 夜中にAUDIOカセットで聞いていたら寝てしまったので翌朝もう一度聞いた。
    文体が旧態なので、本ではじめに読むとしんどいと思う。テープでよかった。
    朗読の幸田弘子さんもすごくよかった。
    樋口一葉を中心に朗読活動を続けている女優さんでH.8に紫綬褒章を受章している人らしい。
    源七の息子の太吉の声なんて、びっくりするほど上手だった。
    話の内容も、銘酒屋(置屋のこと)の看板娘お力へ入れ込んだ源七のやるせなさや
    それを夫にもってしまったお初のなさけなさ、それでも離縁してくれるなとせがむ哀しさ
    太吉から鬼、鬼、と呼ばれるお力の人生(家族、恋)など盛りだくさんでありながらするすると
    物語に吸い込まれるような文体でとてもよかった。
    どちらかというとやはりお初に感情移入してしまって、10年連れ添って我慢しつづけたのに
    たったいっぺんその愚痴をこぼしたからといって「そんなことが妻のすることか」と罵られ
    離縁をつきつけられるなんてひどすぎると思った。昔の妻ってほんと忍耐だったんだなあ。
    蒲団やをつぶしてしまい働かなくなった源七のかわりにたった2畳の長屋でせっせと休むことなく
    内職をつづける姿ははっきりと想像できて、痛ましすぎて悲しかった。

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著者プロフィール

1872年、東京に生まれる。本名なつ。92年、20歳で小説『闇桜』を発表。以降、96年に24歳で
亡くなるまで、『大つごもり』『たけくらべ』『にごりえ』『十三夜』などの名作を書いた。

「2016年 『漫画版【文語】たけくらべ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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