銀の匙 (岩波文庫 緑 51-1)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003105115

感想・レビュー・書評

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    九州大学スタッフ

  • 子供は、泣いても笑っても祝福された存在だ。

    世界はどこまでも広く、鮮やかに輝いている。

    こんな世界を自分も生きていたのだと、思い出す。

  • ほのぼの系。少しだけ昔の時代の日本語と、独特の文体が心温まる雰囲気をかもしだしています。
    幼いときって私にもあんなふうに世界が見えていたのかな?いろんなものが、今の何倍増にも鮮やかに見えていたんだろうか。
    明治の、何かとちゃんとした手順としきたりによって関係を築いていた感じっていいなぁと思いました。

  • 著者が幼少の頃の思い出が書き綴られている。本書はストーリー性、哀愁、教訓といったものを期待して読むものではなく、美しいものを鑑賞するように読むべきものである。
    解説でも書かれているように、本書に描かれているのは著者が幼少の頃の視点の記憶でもなく、大人が想像した少年の視点でもない、少年の視点そのものである。子供がもつ目一杯に開かれた感受性が捉えた花鳥風月の描写が美しい。主人公の繊細な気質が相俟った子供の内面の描写も美しい。

  • 時代は全然ちがうのに
    そういう子居たなぁとか、そんなこと考えてたことあるなぁーとか、なんか懐かしい気持ちになった

  • 記憶力の化け物か感受性の化け物かその両方っていう本。

    27歳の成人がこれだけ細かい描写で子供の心情を語れるというのが凄まじい。




    p. 153あはれな人よ。なにかの縁あつて地獄の道づれとなつたこの人を 兄さん と呼ぶやうに、子供の憧憬が空をめぐる冷たい石を お星さん と呼ぶのがそんなに悪いことであつたらうか。

  • 自然の表現が分からない事も多いのに、どこか大事なこと、懐かしいこと、忘れたくない事が詰まってるようて、会津や白河のおばあちゃん家を思い出す本だった。2022年読了。

  • やっとこさ読む事が出来た。
    某進学校では3年間でこの本一冊を読む授業があったとか。
    とにかく日本語の表現が独特。
    嫌みのない表現と言えばいいのだろうか。
    物語自体はどこか物悲しさを感じさせるラストではあるが、育ての親である叔母の優しさを事細かに、思い出すように描いている。

  • 中勘助の伯母さんにつきっきりだった子供時代かわいい

  • 大人になっても捨てられない銀の匙
    虚弱な赤ん坊だった彼は
    それを用いて漢方薬を飲まされていた
    母から聞いたその頃のエピソードをとっかかりに
    幸福な少年時代が回想される
    虚弱だったもんで伯母さんに甘やかされており
    乱暴な男の子たちのことは憎んでいた
    それで、よその遊び相手といえば専ら女の子であった
    しかし成長するにつれ
    虚弱なままでは女の子にも相手されないということに気づく
    それでだんだん活発な子供へと自分を変えていった
    他の男の子と喧嘩もできるようになった

    ところが時は流れて奇妙なことに
    いつしか女性とまともに喋ることもできない若者となっていた
    そんな皮肉でこの話は終わる

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著者プロフィール

1885年、東京に生まれる。小説家、詩人。東京大学国文学科卒業。夏目漱石に師事。漱石の推薦で『銀の匙』を『東京朝日新聞』に連載。主な著作に小説『提婆達多』『犬』、詩集に『琅玕』『飛鳥』などがある。

「2019年 『銀の匙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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