西遊記 10: 全十冊 (岩波文庫 赤 21-0)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (514ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003202104

作品紹介・あらすじ

千里を行くものは九九九里をもって半ばとす,とて,ようよう西方み仏の地に足を踏み入れた一行,平穏無事の旅はまことに極楽の地を行くごとし.どっこい,苦難の旅の終りも間近,大天竺国にて国をあげて賑やかなその日,婿選びの綉球投げにて三蔵を狙うのは,取経の聖僧を待ち受ける,国王のにせ公主であった.(全十冊完結)

感想・レビュー・書評

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  • 西遊記 全10巻読了。3年かかりました。いっしょに旅をした気分になります。ラストの大団円は、旅を振り返りつつ、ゆったりとした気持ちで読みました。
    再読することがあるかどうかはわかりませんが、一度は頁をめくってみても損のない作品だと思います。

  •  おそらく實吉達郎『西遊記動物園』で知ったのだと思う。悟空が最後に会敵するのは月のウサギ。キネを武器に全裸で悟空と渡り合う。あぁ、絵心をくすぐられる!
     評判のよい平岩弓枝『西遊記』をひもとく。着衣のようである。實吉先生は間違えているのか。やむなし、中野美代子完訳版(十)に手を出す。
     ありました。「妖精はといいますと(中略)着ているものをパッと脱ぎ捨て(中略)杵のような短い棒を手にするなり(中略)悟空に打ちかかってきたのです」
     しかし、このページ左側イラストの妖精は着衣である。おぉ、こうなれば何としても不肖の自分が赤い目・白い肌・全裸の妖精を描くしかあるまい。
     なお、解説・補 四「構成について」には圧倒される。こと構成に関しては中国四大奇書の随一であろう。

  • 誰もが知っている大団円。苦難の果てなのでほっとしたのだが、孫悟空をはじめとした弟子たちが何だか丸くなってしまったような気がする。なお、訳者のあとがきを読んでいくと、西遊記という書物をもっと知りたい気持ちになった。今回は先を知りたくて駆け足だったが、次はじっくりと読んでいきたい。

  • おわった!
    強盗とか、人相手の事件が起こったときも初期の頃と悟空の対応が違っていて、成長したんやなあと分かる。三蔵もうじゃうじゃ言わんくなってきたし、みんなカラッといい奴になっとるので、読んでてもすっきりした気持ちになるよ。
    でもかめさんが救われないなあ。

    構成の秘密とか、長い解説もちょこちょこ面白かったので、今のうちに他の中野さんの著書読んどこう。

  • 地獄の沙汰も金次第、とあるが、
    仏の世も金次第とのこと。。。^^;
    また、試練も満願に一つ足りないとのことで、
    追加試練って検査、レビューも整っている。
    これって、プロマネ教科書だったの??

  • 簡略本と異なり、今までの艱難がひとつひとつ書かれているし、南無仏もひとつひとつ全て書かれていて、ありがたいというイメージを抱かせるようになっている。

  • 三蔵法師がめちゃくちゃ善人で旅の途中の困ってる人のふりをした妖怪を助けると必ずその妖怪に食べられそうになる。悟空が活発でけんかっぱやいし、沙悟浄はせこいし猪八戒は食いしん坊でどんくさい。仏教の言葉がたくさん入っているし西遊記という活劇を通して仏教の勉強をしているような感覚で読んでいた。西遊記からしたら牛魔王なんていう妖怪は一妖怪にしか過ぎないのだけれど、だいたいアニメやらでは牛魔王がラスボス的存在になってる点とのギャップが面白かった。
     ボケとオチがどの話でも必ずつくし、物語の展開の仕方が日本のアニメとよく似ている。

  • 読み終わりました。
    長かった。
    でも、面白かった。


    読めば読むほど、奥の深い話なんだな、と。
    素人には上っ面把握するだけでも大変でした。
    目出度くお経も貰えて、良かった。

    私の知っているラストは、着いたと思ったらまだまだだった、
    頑張ろう、というようなものだったのだけれど
    結構普通にもらえたので良かった。
    賄賂を要求されたのには驚きましたが…。
    しかも、如来様もそれを知ってて、安いよね、なんて言うし。


    悟空が物凄く、可愛いです。
    それに凄く洞察力があるし。頼りになる。
    三蔵さんが誤解されないよう気を配ったり、
    与えられる難を知っていて、でも受けなきゃいけないということも
    分かっていて、一生懸命守って助ける。
    生半なことではできないよ。いくらり帰依するとか言っても。


    解説関係の本も、合わせて読んでみたいです。
    それにしても奥が深いなあ。
    きちんと把握できるには、まだまだかかりそうです。

  • 化け物に捕らわれた三蔵が悟空を頼って泣くのを聞き、嬉しくなった悟空が「お師匠様!孫さま来ましたぜ!」と言うところでキュンときた。悟空健気すぎる・・・

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著者プロフィール

1933年生まれ.
1956年,北海道大学文学部中国文学科卒業.
北海道大学文学部助教授.
主 著:
砂漠に埋もれた文字—パスパ文字のはなし (塙書房,1971)
海燕(長編小説) (潮出版社,1973)
中国人の思考様式—小説の世界から (講談社,1974)
カニバリズム論 (潮出版社,1975)
悪魔のいない文学—中国の小説と絵画 (朝日新聞社,1977)


「1979年 『辺境の風景 日本と中国の国境意識』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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