オウィディウス 変身物語〈上〉 (岩波文庫)

制作 : Publius Ovidius Naso  中村 善也 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 332
レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003212011

作品紹介・あらすじ

古代ローマの天成の詩人オウィディウスが、ストーリーテラーとしての手腕を存分に発揮したこの作品には、「ナルキッソスとエコー」など変身を主要モチーフとする物語が大小あわせて250もふくまれている。さながらそれはギリシア・ローマの神話と伝説の一大集成である。ラテン語原典の語り口をみごとに移しえた散文訳。

感想・レビュー・書評

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  • 昨年「失楽園」「神曲」と再読した流れで今度はこれを再読。どの話も面白いけれど、冷静に考えると神様たちのセクハラ、パワハラが結構ひどくて、たまに引く(苦笑)

    変身譚としてはメジャーどころのナルシスの神話や、アンドロメダとペルセウス、ダイダロスの迷宮&イカロスの落下、ヘラクレス、メディアなど変身譚以外の有名な挿話もこの巻に収録。

    個人的に一番インパクトがあったのは「テレウスとプロクネとピロメラ」の話で、妻の妹の美貌に心奪われた夫が騙して彼女を連れてきて強姦、あげく舌を切り監禁。気づいた姉が妹を救出して夫への復讐として我が子を殺して夫の食卓に出すという、のちのシェイクスピア「タイタス・アンドロニカス」や、グリーナウェイの映画「コックと泥棒、その妻と愛人」などにも引き継がれている復讐=カニバリズムのテーマ。神様もひどいが人間も怖い。

  • ○この本を一言で表すと?
     ギリシア・ローマの神話の変身に関するエピソードを集めた本


    ○面白かったこと・考えたこと
    ・小学生の時に読んだ児童向けのギリシア神話の知識しかないところに、今から2,000年ほど前に書かれた本でいろいろ詳しく知ることができてよかったです。時折ビジネス書や専門書等にも引用されるエピソードの基に当たることができたのもよかったです。ローマ神話はいろいろな神話、特にギリシア神話を吸収したものだと聞いたことがありましたが、神々の名前が変わっているだけでほとんど同じような昔読んだギリシア神話に載っていたようなことが書かれてあったなと思いました。子供向けにはとても載せられないような描写がかなり含まれていて、児童向けのギリシア神話はかなりその辺りが抑えられていたのだろうなと今になって思います。

    ・ギリシア神話の神が基になっている神々は割と分かりやすいですが、軍神マルスなどのギリシア神話以外から持ってきた神々がその来歴等も含めて知らないなと思いました。その辺りも知っていればより楽しめたかもしれないなと思いました。

    ・人間らしい感情むき出しの神々が、人間を超えた力を揮ってやりたい放題やっているところは、理不尽だと思うところもあり、痛快に思うところもありました。こういった神話がその時代に存在したのは、政治や自然の理不尽さに対する不満や皮肉を表していたり、「こういうことができたらな」という願望を表していたりするのかなと思いました。それにしても、ユノー(ヘラ)の嫉妬とそれによる行動はすごいなと思いました。ユピテル(ゼウス)の浮気とユノーのユピテルではなくゼウスの浮気相手への攻撃は当時のだれか、もしくはありふれた光景をモチーフにしているのかなとも思いました。

    ・ユピテルとユノーが飛び抜けていると思いますが、アポロン、ウェヌス(アプロディテ)、ディアナ(アルテミス)も相当に理不尽だなと思いました。マシなのはウルカヌス(ヘパイトス)くらいでしょうか。奥さん(ウェヌス)に浮気されまくっていますが。

    ・「アウグストゥスの世紀」に生きていただけあって、アウグストゥスがカエサル以上の人物だと最後の方で褒め称えているのは著者のオウィディウスの処世術だったのか、為政者として尊敬していたのか、なかなか気になるところだなと思いました。

    ・哀しんだときに胸を叩く動作が頻繁に出てきて何かの比喩かと思っていましたが、実際に青痣ができるほど叩いたという描写が出てきて、当時のローマ(もしくはギリシア)ではそういった習慣があったのだと知って興味深いなと思いました。

    ・この物語の主要テーマである変身が、「誰も意図しない変身」「神がキレて無理やりさせる変身」「神が助けるため、逃れさせるためにさせる変身」などに分かれていて納得しやすいものやかなり理不尽なものなどもあって興味深いなと思いました。

    ・訳者の中村善也氏は変身物語の下巻が出版された翌年に亡くなられたそうです。上巻が下巻の3年前に出版されたことを考えると、この本の翻訳が亡くなる前の最後の作業だったのでしょうか。その作業のおかげで自分がこの本を楽しく読めたのだと思うと感慨深いなと思いました。

    ・「巻 一」で、ローマ神話の創世記に黄金の時代、銀の時代、銅の時代、鉄の時代という時代区分があったことは初めて知りました。鉄の時代に洪水で人類が一掃され、デウカリオンとピュラの2人だけが生き残ったというのは旧約聖書のノアの方舟の話とそっくりだと思いました。

    ・「巻 一」「巻 二」のパエトンの話は「気象を操作したいと願った人間の歴史」でも中道の大切さの例として出てきたりと他の本でも引用されているようなエピソードだと思いますが、思っていたよりも太陽神の車駕の暴走による被害がすごくて驚きました。

    ・「巻 十」で、「7つの習慣」でも紹介されている「ピグマリオン効果(教師の期待によって学習者の成績が向上すること)」の基となった話を詳しく知ることができてよかったです。
    ・三角形の三辺の長さの関係を表す「ピタゴラスの定理」のピュタゴラス(実際に発見したわけではないそうですが)は世界史の教科書では数字を信奉する哲学家として紹介されていましたが、「巻 十五」で自分の前世の話をしたり、神に対する儀式の否定に走ったり、菜食主義に走ったりとすべての話の中でも一番長いくらいに延々と話しているのは、何か意味があるのかなと思いました。


    ○つっこみどころ、わかりにくかったところ
    ・訳注が本文のどこについて書いてあるのかが分かりにくく、本文に印などをつけていてくれたらよかったなと思いました。

    ・「巻 七」のメデイアがイアソンの惚れ込んで助けた後、イアソンを害そうとしていた叔父をその娘たちに殺させた後に逃亡したというところは、なぜ逃亡したのかが分かりにくいなと思いました。確かイアソンに惚れ込むところも何かの神がそうさせたと別の本か何かで書いていたと思いますが。

    ※下巻のレビューと同様

  • 主に人間、あるいはニンフなどが偉い神様の怒りに合い変身させられていく動物の起源のはなし。
    襲ってくるユピテルから逃げただけで、それがユノー女神(奥さん)にばれただけで、どうしてひどいと思う。神様自己中すぎるよ。ナルキッソスもエコーやその他おおぜいの男たちの願いで自分に恋したのか。ただの振られた恨みじゃないか。

    デウカリオンとピュラはノアの方舟に似てる。人間だけだけど。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784003212011

  • [ 内容 ]
    <上>
    古代ローマの天成の詩人オウィディウスが、ストーリーテラーとしての手腕を存分に発揮したこの作品には、「ナルキッソスとエコー」など変身を主要モチーフとする物語が大小あわせて250もふくまれている。
    さながらそれはギリシア・ローマの神話と伝説の一大集成である。
    ラテン語原典の語り口をみごとに移しえた散文訳。

    <下>
    もの音ひとつしない静寂のなか、おぼろな靄に包まれた、嶮しい、暗い坂道を、ふたりはたどっていた。
    もう地表に近づいているあたりだったが、妻の力が尽きはしないかと、オルペウスは心配になった。
    そうなると、無性に見たくなる。
    愛がそうさせたということになるが、とうとう、うしろを振りかえった。
    と、たちまち…(「オルペウスとエウリュディケ」から)。

    [ 目次 ]
    <上>
    世界の始まり
    人間の誕生
    四つの時代
    巨人族
    リュカオン
    大洪水
    デウカリオンとピュラ
    ピュトン
    ダプネ
    イオ〔ほか〕

    <下>
    アケロオスとヘラクレス
    ネッソスとデイアネイラ
    ヘラクレスと死の衣
    リカス
    ヘラクレスの神化
    アルクメネとガランティス
    ドリュオペとローティス
    イオラオスと若返りの恵み
    ビュブリスとカウノス
    イピネとイアンテ〔ほか〕

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • ギリシアの神々と英雄たちバンザイ!女神も情欲もよおして積極的でいい。花に木に鳥に河へと変わる物語。惜しげもない数々の物語に心躍る。ギリシア神話、『イリアス』『オデュッセイア』を読んでから読んだ方がいい。

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  • (市×/県?)

  • モンテクリスト伯の中で、ピュラモスとティスベの話がちらりと出て、調べてみたらたどり着いた本。
    誰が誰とどういう関係なのか、よくわからない。似た名前出てくるとお手上げ。

    「えうほい!」

  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    書斎の本棚から百冊(立花隆選)81
    世界文学
    まあ、最低こんなところを。

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