サロメ (岩波文庫 赤 245-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (100ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003224526

感想・レビュー・書評

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  • 原田マハさんの「サロメ」を読んだので。戯曲なので、ついついセリフを口に出して読んでしまう。「あたしはお前に口づけするよ、ヨカナーン、あたしはお前に口づけする」「今すぐここへ、銀の大皿にのせて、ヨカナーンの首を」ゾクリとする。次は新約聖書も読み返したくなる。

  • 元祖ヤンデレ!?
    という軽口はさておき、王女サロメの恋物語。
    求めただけなのに、好きになっただけなのに、訪れる結末がただただ哀しい。
    王女の妖艶な空気の奥に、少女のような無垢を見た気がした。

  • 何度目かの再読。
    月が印象的だった。月とサロメは、重ねられていて、どちらも無垢であるが故に勝手に様々な役回りを与えられてしまうということなのかと思った。サロメが元々伝承の中に存在して、後にモチーフとして多くの作品の中で使われたことを踏まえると、なんとなく皮肉な感じもする。これは、私が最近「語られる」ことと暴力性について考えることが多いから気になったことかもしれない。というかワイルドのサロメ像が鮮烈すぎる。

  • 読みたいと思った発端は、累の実写化で土屋太鳳さんが劇中で演じていたのを見て。
    私が読んだのか1959年発行のものだったので、旧字体でところどころ読みづらいところがあったけれど、おもしろかった。恋しい人を手に入れるために、口づけするために、斬首するというサロメの発想は異端で恐ろしい…。

  • 言わずと知れたワイルドの戯曲ですね。ビアズリーの挿絵選びのセンスが好きなので、岩波文庫での読書を提案します。訳は言わずもがな、ワイルドらしい詩的な装飾の施された文体がやはり素晴らしいですね。
    ワイルドしかりビアズリーしかり、彼らが日本人に与えた影響は図りしれないでしょう。三島由紀夫が初めて自分で買った本はワイルドだと言いますし、水島爾保布などの描く絵はビアズリーチックで魅力的です。話は逸れるようですが、サロメを読むと、中公文庫の谷崎潤一郎『人魚の嘆き 魔術師』も一緒に読みたくなります。短くてすぐに読み終わるのに、電撃的な恍惚感に浸れるので最高です。まるでヨカナーンに一目惚れしてしまったサロメのよう…

  • サロメをあんなにまで執着させるヨナカーンに興味が湧いた。誰もを魅了する美しさをもつサロメが美しいと思う青年、預言者ヨナカーン。。妖しい描写がビアズリーの挿絵とマッチし過ぎて怖ろしくなりました。

  • 2020年8月
    原田マハの小説『サロメ』にハマった人間としてはピアズリーの挿絵のついたこの岩波文庫の『サロメ』を手に取らずにはいられない(オタク気質)
    古めかしい言葉は挿絵と相まって禍々しい。このサロメの声は低くしゃがれていても不思議はない。
    60年前の翻訳である。訳文だけで言うなら平野啓一郎訳(光文社古典新訳文庫)の方がいいように思う。

  • 原田マハさんの「サロメ」を読んだので、こちらも。
    絵画作品としても題材になるため、いずれは読もうと思っていた。
    まあ、なんというか、普通じゃない感覚。

  • 上手に世界観を感じ取ることが出来なかったが、悲劇的な結末であることは間違いない。

  • こういった登場人物一人ひとりが独自のベクトルを持っていて、象徴的な描写に富んでいるもの。いかにも戯曲的・構造的で好き。セクシー。ビアズリーの挿絵もエロティックで良い。
    「とある出来事をきっかけに主人公の内面が変化する~」みたいな、信念の軽薄なものは好きじゃないからとても満足。悪役は悪役のままで悪党の美学を貫いて欲しい。

    余談。聞いた話によると、イスラム圏では、"S・L・M"の並びの音は「平穏・安寧」を意味しているよう。イスラム然り、ソロモン然り、スレイマン然り。

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