- Amazon.co.jp ・本 (165ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003241516
感想・レビュー・書評
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人間の情の移り変わりが特に色濃く描かれているほか、表題にもある「水妖」ウンディーネの変遷様々が目に新しかった。
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人間に恋した精霊の話。
序盤の天真爛漫の姿が(ちょいウザイですが)好きだったので、後半の不遇が可哀想でならないです。
切ない童話。 -
ドイツロマン派の作家フーケー(1777-1843)の、いまなお読み継がれている哀切で幻想的な恋愛悲劇。水の精ウンディーネは、人間の男と結ばれることで魂を手に入れるのだが、男の不実に苦悩し裏切られる。
魂を手に入れる前の、奔放で天真爛漫なウンディーネのほうが、魅力的だ。
"魂って重い荷物に違いないわ。とても重いものに違いないわ。だって、そのかたちが近づいて来るだけでも、もう私には居ても立ってもいられないような心配や悲しみが影のように覆いかぶさって来るんですもの。いつもはあんなに軽い、楽しい気持ちでいられたのに。"
魂を手に入れてしまった彼女に、嘗ての軽やかな明るさはない。
"こうして水の中に住んではいますけれど、わたしは魂を持って来たのです。だからこそ泣くこともできます。もちろんあなたには、この涙がどんなものか、まったくわからないでしょう。これな幸福の涙です。誠のある魂が胸の中に生きている者にとっては、どんなことも幸福になりますもの。"
貞淑な女の陰鬱でジメジメとした殆どマゾヒスティックな科白、無邪気だった頃の彼女には無かった心性だろうと思う。仮に男の裏切り遭わなかったとしても、魂を手に入れることが幸福なことだったとは、どうも思えない。
物語としては、シンプルで筋もあり、面白い。 -
ぽにょの元となった作品。
騎士のフルトブラントもそうだが…男ってずるい(´・ω・`)