- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003254578
作品紹介・あらすじ
自然主義を提唱した長篇作家として知られるゾラ(1840‐1902)は、短篇小説の名手でもあった。戦争の愚劣さを、田園風景のなかで展開する牧歌的な恋と対比させることによって浮き彫りにした表題作のほか、人生の諸相を、ときに悲しく、ときにユーモラスに、多様に描いた七篇を収録。ゾラのあたらしい魅力に出会える一冊。
感想・レビュー・書評
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手腕だと初めて感じました。
娯楽小説のように読みやすく、だけどゾラの持ち味の落ちが楽しみで頁を捲る手が止まらなかったです。
描写の仕方が面白く、始め→惹き付ける→引きつける→落ち→どうぞご自由に、という感じがして、落ちのあとは本当にご自由に…で考えたり想像したりを許されていて、悪く言えば放ったらかしになってしまう程、何かしないと申し訳が立たない作品でした。
居酒屋を是非楽しみに読もうと思います。
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悲しい話ばかりだった。ゾラの作品は初めて読んだけれど、こういう筆致なんだなと思った。2015年に初めて読んだときにそう感じたのだけれど、あらためて戦争は醜い。牧歌的な風景の描写と善良な村人の描写が愚かで醜い戦争で縫い合わされていく、そんな流れの悲しい話の水車小屋は、廃墟になってしまった。
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1875~80年、サンクトペテルブルク発行の月刊誌『ヨーロッパ通信』に掲載された作品を中心に計8篇を収録。ロレーヌ地方の美しくのどかな夏の夕べ、水車小屋の老人は、娘とベルギーから来た青年との婚約披露の準備をしている。小さな村でつつましく生きてきた名もなき人々の生活が、戦争によって一瞬のうちに蹂躙される悲劇を描いた「水車小屋攻撃」と、続く掌編「小さな村」に、現在も世界の各地でおきている戦争の無惨さを思わずにいられない。晩年、イギリス亡命中に書かれた「アンジュリーヌ」は、非業の死をとげたとされる少女と、荒れ果てた幽霊屋敷が奇跡のようによみがえる珠玉の一品。余韻が美しい
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3つ目「シャブール氏の貝」が好きかなー。
話の筋はシンプルながらも一つ一つの描写がすさまじい。絵画に立体感をつけるように、執拗に表現を重ねているような。
とっぴさなどはなく、ごく普通の人の日常の出来事が題材って感じだが、どっか洗練されてる。今で言うと雑誌のコラムエッセイの洒落て小粋で、状勢への鋭さが適度に見えるような。
何か今まで手に取った岩波文庫とは違う感じで不思議。しっかり濃いのに胃もたれしない。悲惨さえも立ち去るのが上品。 -
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シャーブル氏の貝