平凡物語(上) (岩波文庫) (岩波文庫 赤 606-5)

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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003260654

作品紹介・あらすじ

ロマンチシズムをいだく感激屋で未経験な青年アレクサンドル。対するは、人生経験豊富で海千山千の叔父ピョートル。両極端な二人のやりとりがユーモアをまじえながら対比的に描かれる。

感想・レビュー・書評

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  • レヴュは下巻にて。

  • 田舎にて大事に育てられた箱入り息子が、おじさんを頼り、都市(ペテルブルグ)に出てきます。純朴で人を信じたら、同じだけのものが戻ってくると思っています。おじさん(父の弟)は20年近く都会で生きてるので、所謂すれているし、こなれている。しばらくして息子は恋をし、結婚を考える。おじさん「20歳の結婚なんてアホか。絶対やめとけ」「しどい!おじさんは恋をしたことがないんだ!きっと血管には牛乳が流れているんだわ!」
    ぎゅうにゅうー。
    あれだの、結婚相手として名の挙がる女の、地雷臭って、女にしかわからないもんかねえ?

  • 普遍的な面白さがあるのだが、若い主人公の失恋の仕方もまた普遍的で(笑)、この部分は先が読めるのでつまらなくて適当に読み飛ばしてしまった。

  • 田舎の青年アレクサンドルと都会で働く叔父ピョートルの掛け合いを軸に、話は進む。
    都会に憧れ抱き、田舎から出てきたアレクサンドルには、都会の人々の価値観は納得できるものではなかった。
    都会の一人、冷めたピョートルは夢見るアレクサンドルに忠告を行う。
    仕事、創造、恋…。
    ピョートルを否定するアレクサンドルは、都会の生活でどこまで変わっていくのだろう。別の言葉で成長とも言うが。

    失恋したアレクサンドルにピョートルが話をしている時、寝ているはずのピョートルの婦人がぬっと出てきた場面に、思わず笑ってしまった。

  • ロマンチストすぎる甥とリアリストすぎる叔父が面白いくらいに両極端で、ことあるごとの対立的な会話が笑える。

    でもどちらもお互いなりの肉親の情を持って接しているので、ギスギスせずにどこか微笑ましさがある。
    この絶妙な配分はさすがゴンチャロフだなぁ。

  • ゴンチャロフの三大長編の一つで、デビュー作。
    この上なく現実主義的な叔父と、超ロマンチストな甥の両極端の二人を描く。

    この両者をユーモアを交えて描くことで、この両極端とも人間として不完全であることというのがテーマ。

    甥のアレクサンドルは、田舎のボンボンとはいえここまで浮世離れしているものか、と思わせるくらい、自意識過剰なアツい男。結局彼は都会で現実に打ちのめされ、それを人生の学校とし、最後には現実と折り合いをつけて打算的な人間になるが、ここの流れは特段目新しさはない(色々な挫折エピソードそのものは面白い)。
    超現実的な叔父の方は、理性的であろうとし、自分はそうだと信じているものの、時々その土台が揺らぐような場面がちょくちょく挟まれているのが楽しい。

    作品のテーマや話の流れは、今となっては目新しさはなく予想通りの展開ではあるが、二人の両極端な思想と感情が炸裂する会話は面白く読ませる。

    しかし2つ目の長編『オブローモフ』の面白さには遥かに及ばないと思う。とすると、一番後期の作品『断崖』の復刊がますます待ち遠しくなるのである。

  • 世間擦れしていない、万事大仰な甥っ子と世俗的な叔父のやりとりは、面白いは面白い、です。個人的には叔父さんの方に肩入れするかな。ただ、台詞の意味がたまによくわからないことが……。翻訳の問題?

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