戦争と平和 3 (岩波文庫 赤 618-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (498ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003261835

感想・レビュー・書評

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  • 本巻はついに恋愛小説編に突入!
    妻を亡くしたアンドレイ・ボルコンスキー公爵(31)とロストフ伯爵家の次女ナターシャ(16)との恋愛、そして同じくナターシャの兄のニコライといとこのソーニャ(18)との恋愛がメインで語られている。

    この時代の貴族の結婚というのは、財産目当てというか、いわゆる政略結婚が大きなウエイトを占めている。特に、貴族の男性にとっては持参金をたくさん持ってくる金持ちの貴族の娘と結婚することが一番の幸せだと言われていたんだね。

    ロストフ伯爵家は財政が火の車なので、長男のニコライにはぜひ金持ちの貴族の娘と結婚して欲しいと両親は思っているのだけど、当のニコライは無一文(これは言い過ぎか)の娘であるソーニャと両思い。う~ん。どうなるんだろう。

    それにしても、本巻で描かれる16歳のナターシャと18歳のソーニャの可愛らしさ、美しさは文章から溢れんばかり。男性読者にとっては眼福ですね。

    「文章だから見えるはずないだろ」って突っ込みが来そうだけど(笑)。

    見えないけど、頭の中でありありとイメージされるんですよ!凄まじく美しく可憐な美少女が!

    このあたりの描写の素晴らしさは、「さすがレフ君やるじゃん!」って感じです(ロシアが誇る大文豪トルストイをレフ君呼ばわりする大馬鹿者がここにいます←)。

    という訳で、やっとこの超大作『戦争と平和』も各巻約500ページ(しかも細かい文字がページびっしり)の3冊を読み終え、全体の半分が終わりました・・・。
    よし、この調子でサクサク読んでいこう!(白目)

  • 最近はこの「戦争と平和」を帰宅して読むのが楽しみになってます。3巻では、まだ子供だったナターシャやソーニャも成長し、恋から結婚話へと進んで行きます。
    また、本書では当時のロシア貴族の優雅な遊び、ダンスパーティーや観劇、たくさんの人と馬を使った狩りなど、華麗な生活も描かれ、その裏では実は金に困っており、金のために妥協した結婚も描かれてます。
    しかし男の恋や打算の描写もうまいけど、女性キャラクターの心理の書き分けがすごいです。情熱的なナターシャは確かに思慮が足りないかもしれませんが、ほとんど初恋みたいな状態で結婚しなければならなかった時代、彼女のようなモテモテ女子は大変だったと思います。そこまで打算的でもないし。イケメンにちやほやされれば気も迷うでしょうそりゃ。
    また、アンドレイは冷静でいい男ではありますが、実は利己的でプライド高く、ちょっとやな男のような気がします。ここに来てピエールは苦労人だけあって結構いいやつなのかもしれないなあと思いました。
    この巻の最後にピエールが見る彗星のシーンは素晴らしいです。まさに名シーン。そしてこの彗星は実際に観測された彗星のようです。ナポレオンのロシア侵攻を予言する不吉な彗星なのか?これからボロジノ戦、モスクワ放棄など「戦争」で登場人物はどんな運命を辿るのか。楽しみです!

  • ここ(3巻)まで来ないとこの本の良さが理解できなかった。1巻の時にさんざんに酷評したことを反省しているが、あの時点ではこんなに引き込まれることになるとは思っていなかった。この本は単なる小説ではなく、トルストイが考える戦争というものを表現している本だとやっとで理解した。ナポレオン戦争はナポレオンの英雄的な天才性によって勝ち進んだものではなく、戦争の中で一人の人間が担える役割や与える影響はたとえそれが皇帝であろうとも極わずかどころか皆無であり、人間の集団性とその中の個々人の動きの総和によってすべてが左右されるというトルストインの戦争観に全く賛成である。途中に入る訳者の解説も大変的を得ていて、本当に面白い。

  • 急展開

  • ナターシャみたいな若い派手な人には、一年アンドレイを待つことができなかったんだろう。それは愛じゃないと思うけどな。ソーニャみたいに静かに待てる人がニコライと婚約できてよかった。最初の、アンドレイがナターシャに出会う前と後で古木のナラの木の見え方が変わる場面は授業で昔読んだ気がする。

  • 金大生のための読書案内で展示していた図書です。
    ▼先生の推薦文はこちら
    https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=18412

    ▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
    http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BA75063276

  • ピエールがフリーメイソンに入信し、愛や美徳の探求を始めるも、どこか方向違いで自堕落な様子が滑稽に思えた。

    対して、親友のアンドレイが多くの真理的なものを心得ていていながらも、世界に絶望感を抱いている様子が対照的な存在としての二人を如実に感じさせた。

    ナターシャが多くの男性から求愛を受ける魅力的な女性として描かれているが、どのような意味を持つのか、奔放さ、無垢さ、溢れ出る生といった事柄が人間の上級の価値だと作者が言っているのだろうかと考えた。

    それにしても、アナトールの誘惑に負けて破滅してしまう運命はやるせない。

  • 第二部第五篇まで。
    ナターシャを中心に物語が展開。
    ナターシャとアンドレイ。
    駆け落ち事件と破局。

  • 私が読んだのは、新しい「藤沼 貴訳」の方です。
     どうして、みんな、ナターシャが良いのでしょう。どうも、私は、世間知らずなわがまま娘のような気がして、イヤですね。
     マリアやソーニャには、けっこう感情移入して読んでしまいます。マリアは、一生を老いた父と、母のいない甥の世話ために捧げてしまうのでしょうか。ソーニャは、やっぱりニコライとは結婚できないのでしょうか。
     それにしても、アナトールとエレンの兄妹は、本当にイヤなやつです。ピエールとエレンとの結婚生活は、今後、どのようになるのでしょう?
     そして、時代背景的には、ナポレオンのフランス軍とロシア軍との対決が避けられなくなる状況です。4巻は、きっと、この長い物語の起承転結の「転」にあたる部分に入るのではないか、と思います。

  • いよいよクライマックスへ

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著者プロフィール

一八二八年生まれ。一九一〇年没。一九世紀ロシア文学を代表する作家。「戦争と平和」「アンナ=カレーニナ」等の長編小説を発表。道徳的人道主義を説き、日本文学にも武者小路実らを通して多大な影響を与える。

「2004年 『新版 人生論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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