- Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003261927
感想・レビュー・書評
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流石の力量。噛めば噛むほど味の出るスルメのような、読むたびに新しい発見ができる、そんな本。
悪魔を呪ってはならない。悪魔にこそ祝福を。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルの衝撃が大きすぎる民話集。
ロシアの大地が育んだであろう懐のでかいストーリー展開が面白い。
「賢いもの」より「勤勉なもの」を肯定的にとらえる教訓が、日本人には目新しい。三年寝太郎じゃ暮らしていけないんだろうな。 -
後輩先生のオススメで借りて読んだ作品。
「イワンのばかとその2人の兄弟」のみ読了。
その後輩が、イワンのような先生になりたいと言っていたが、
もっとたくさんの先生が、頭でっかちばかりではなく、
ばかになることも必要だなぁと、読んでいてしみじみ感じた。
頭でっかちなつもりにとらわれるが故に、
へんてこな方向に行ってしまいそうな(すでに行ってしまっている)
先生も数少なくはない実態もあるので…(汗)
とにかく、その後輩先生と、彼の影響でこの作品を読んだ私は、
少なくとも、へんてこな方向へ行くことからは免れるだろうなぁとしみじみ。 -
やはりトルストイはいいな。でも戒め的な話が多かったのが残念
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イワンの馬鹿、というお話を引用した小説を読んだことがあったので、たまたま目に入ったこの本を借りて見た
ら、素朴なおはなしがとても面白くて、解説までついーっと読んじゃった
題名が有名な作品がいくつも収録されているし、短いもので2、3ページのものもあるので気軽に読めるし、内容もかなり考えさせられるような話ばかり
ロシア文学とかあんまりなじみがなくてもかなり面白いですよ
個人的にはイワンのばかや洗礼の子、人にはどれほどの土地がいるかがおもしろかったです -
ときどき疲れると、無性に読み返してみたくなる本である。人間や社会の本質が見事にやさしい言葉で書かれている。心が洗える本というのは数少ない。金・力・知というものが、いかに地に足のついていないあやういものであるかということを暴いており、この3つは現代社会のなかで日々悩まされている問題であるだけに、自分の人生を確認してみたいと思わさせるのだ。おそらく、年齢を重ねるほど、身につまされる話のはずだ。また、この話は労働が貴いとか、馬鹿には勝てぬとか、資本主義・軍国主義への批判とか、通り一遍の解釈で終わる話でもない。この話は「バカ」が、あらゆる罪で誘惑してくる悪魔を自滅させるというパワフルな話でもあり、ユーモアのなかに読むといつも何かしら生きる力を与えてくれる本である。土地持ちでない現代のサラリーマンは、すでに作中のイワンのように生きる基盤を欠いているが、そうした現代人の生き方もイワンの「バカ」は大きく包み込んでいる。悪魔がしたように「頭で働く」ことも彼は否定はしないのだ。「手に豆のないものは人の残り物を食う」ことを自覚するならば。人間は天使ではない。したがって、あらゆる人間は「バカ」である。これは何もキリスト教の信仰を持ち出すまでもなく、誰もが日々感じる実感だ。そして、万人がもつこの「バカ」は、イワンのように人生を楽しく、強く、豊かに生きるための基盤なのだろう。この点ではトルストイは絵空事を書いたのではないだろう。「イワンは今でも生きている」と書いている所以である。単に「働かざる者食うべからず」ときびしさをつきつけ、「バカ」な人間どうしを隔てる作品ではないのだ。イワンは人の技なら何でも許してしまうだろう。つまり一種の「神」でもあるのだ。収録作品ではほかに「洗礼の子」が興味ぶかい。どうすれば、悪をなくせるかが書いてある。
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これ、トルストイなんだよね。
だいぶ大人になるまで気付かなかったわ。
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1886年発表、他。
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トルストイの有名な小説とは違います。(読んでないけど)
本人もアンナカレーニナとか否定してましたし。
これは本当に胸に響いて感動しました!!!
短編集だから読みやすいし、オススメです。
かぶってる話も収録されていますが、
「人はなぜ生きるか」もオススメです。
自分も美しい生き方をしたいと思いました!!