- Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003275719
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
宗教ってのは一体何なんだろうか。
-
キリストが身代わりとなった囚人、バラバを主人公とした小説。
場面はゴルゴタから始まる。
バラバは自分の身代わりに磔刑となったキリストの死を眺める。
元々バラバはキリストと面識があったわけではない。それでも自分の身代わりになった男のことが気になり、キリストの信者たちに近づき、彼は何者であったかを知りたがる。
しかし聞けば聞くほどに、キリストのことが理解できない。
その後も、何人もの信者と交流を持つも、彼は死ぬまでキリストを信仰することはない。
またかなり深い仲になった(と少なくとも相手側は思っていた)人間とも、本当の意味で心の交流をすることはない。
誰にも救いを求めず、誰をも救うことがなかったバラバ。
それでも恐らく信仰と愛とについて誰よりも深く考え続けたバラバ。
著者から明確な結論は提示されない。また語り過ぎないくらいの簡潔な文体も相俟って、本書全体が問いかけのまま終わってしまう。
読者はバラバになって、自分が救われて生きていることの意味を考え続けることになる。
個人的に、最後の「おまえさんに委せるよ」の「おまえさん」はキリストではなく「死」=「無」なんじゃないかというような気もする。 -
友人に借りパクされた。くそー
-
随分と以前(学生の頃?)に読んで、もう一度読んでみたいと思っていた本に久しぶりに巡り会いました。だからといって、イエスの代わりに放免された兇賊バラバという主人公のこと以外、内容は全く覚えていなかったけれど。キリスト教って、信仰ってなんだろうと考えさせられる内容でした。またいつか読むかも。
-
バラバ。イエスの犠牲によって直接救われたもの。非常に興味深く読みました。フィクションとは知っていながらも、それ以上に信仰とは何か、私の人生とは何かと、真剣に読み進めていきました。
最後まで信仰を理解できなかったバラバ。しかし死に際の言葉はイエスのそれと同一であった。著者の思いやいかに。あまり深く洞察していませんが、時間があればゆっくり思案にふけりたいと思っています。
10/6/27 -
イエスの代わりに十字架からのがれた男バラバの生涯
2003年7月14日購入