南無阿弥陀仏: 付心偈 (岩波文庫 青 169-4)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003316948

感想・レビュー・書評

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  • 何度も何度も読み返し、いつもいつも思い出す本がある。
    もうそれは、言葉に出して考えなくても、
    心の片隅に染み付いている存在である。
    僕にとってこの本はそういう一冊だ。

    ものには作り手の心が表れる。よく言われることだ。
    では、特別な教育もなしに最も美しいものを作り出す人々は、
    どんな心をしているのか?その心は、どうやってつくられたのか?

    それが、柳宗悦と仏教との出会いだったそうだ。

    宗教と芸術と科学、それらを隔てる仮の垣根が透けて、
    心の働きが持つ力の世界が浮かび上がってくる。

  • 柳宗悦の宗教論の傑作。浄土三宗について理解が深まった。

  • 何度か読んでるけど、まだ完全に消化できてない。
    これからも折にふれて読もう。

  • 父の死去、浄土真宗での祭祀から手に取った本。柳宗悦先生の丁寧で情熱あふれる他力の本願の解説が心にしみた。名著だと思う、

  • 2020年5月読了。

  • もしかしたら、現代は何でもかんでも「シンプル=イケてる」と捉えすぎかもしれない。シンプル教に侵されて、思考が深まらなくなってしまった時は、仏教を学ぶと強烈なパンチをくらうことになる。
    そしてこの本は、そんな仏教の本質は、易しい言葉と論理展開で、力強く答えてくれる一冊。

  • 南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏……

  • 夏の早朝に心静かに座禅を組みながら鳥のさえずりを聞きながら読むのが好み。
    柳さんの感性がよくわかる本。

  • -之モ亦 之モ サンゲノ 仕事カナ-

    本体の南無阿弥陀仏より、付属の心偈(こころうた)がより残る。「心偈」は短歌や俳句よりも短い詩のこと。引用は、69首のうち最後の句で「どんな仕事も懺悔(謙譲)の仕事と知るべし。常に懺悔の想いなくして幸せなし」というような意味。各句に深みと広がりがあり、思わずわが身の処し方を顧みてしまう。各句に棟方志功が版画をつけた作品があるので、そちらもおススメ。心偈が身に付いたばあちゃんになりたい。心偈の身に付いた経営者が増えると国民の幸福度があがりそう。

  • 柳宗悦は「南無阿弥陀仏」の「趣旨」のなかで、「私の如きは始めから、かかる学識に乏しく、平易に書く以外に書けぬ・・・」と述べておられますが、この「心偈」は、単に、柳宗悦の心の遍歴――宗教的真理への思索――の覚書というに留まらず、私たちの日常での心の指針として大切だと思い、この切り詰めた「偈」を紹介してきました。

    そしてこの「偈」の心は、奇しくも私の「ナノ速催眠法」を創った心の基盤に、ファンダメンタル的に通じるいくつかのものがあると感じたことでもあるので、あえて長い日数をかけているのです。
    というより、次のように言ったほうがより正確であると言えると思います。つまり、これまでの誤解や偏見にまみれた、古色蒼然とした催眠法に、M・エリクソンが新しい息吹を与えて塗り替えてくれました。
    しかし私は日本人として、そこになにか一味不足を感じていたのですが、それが東洋的思想の裏づけでありました。
    その東洋的な考えというものを、柳宗悦の「心偈」は実に
    明細に表わしてくれていたというわけであります。

著者プロフィール

柳宗悦(やなぎ・むねよし):1889-1961年。学習院高等科在学中に雑誌「白樺」創刊に参加。主に美術の分野を担当した。東京帝国大学哲学科を卒業後は宗教哲学者として活躍。濱田庄司、河井寛次郎、バーナード・リーチ、富本憲吉らと出会い、「民藝」という新しい美の概念を打ちたてた。眼の人として知られるが、柳のまなざしは、物の美しさだけではなく、物を生み出した人や社会にたえず注がれていた。

「2023年 『新編 民藝四十年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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