論語 (岩波文庫 青202-1)

制作 : 金谷 治訳注 
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003320211

感想・レビュー・書評

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  • 漢文を読みたくなったら、この本を開くっていうのは、大いに結構なことだと思う。

    たぶん多くの漢文の先生方もこの本を基礎としていらっしゃるはずであるし、儒教道徳という観点で読むのも興味深い。

    現代語訳もとても読みやすく、少し厚めだが、文庫サイズで鞄に入れて持ち歩くにはぴったりだ。

    一度一通り読んだら、適当のパラパラめくってみるだけでも案外新たな発見がある。

  • これが大学に入って読むのが3回目かな。高校の頃は人格形成のための本で、文章も読んでいて面倒で、あまり好きになれなかった。でも、大学2年の時に教授に薦められて読んで以来、最後まで読み通せるようになり、内容も非常に示唆に富んでいると思えるようになった。「仁」や「徳」、「聖」など言葉ごとの定義や一語一語の深みを感じ取れるほどまだ読み込めていない。でも、以前は人格形成の書だと思っていたけど、結局、ここにかかれているのは「良い君子とは何か?」ということ。「論語」って実は中国の古典的なリーダーシップ本だったのではないか。多分、そうだろう(ある一定の時期まで)。今の中国政治が論語的精神の元に運営されているとはとても思えないけどね。
    また、時代のせいもあるだろうけど、「論語」の中ではほとんど「女」が出て来ない。出てきても2カ所くらいしかなかった。その内の「女と下々の者は扱いにくいものだ」という箇所は記憶に残っている。この時代における女性の扱いや立場についても知りたくなった。
    また近いうちに読み返そう。読む度に発見がある。そういう本を手元に持っておけるというのは本当に幸せ。

  • 約二年ぶりに再読。

    本を開いた不肖の弟子に孔子は、
    學而時習之、不亦説乎、有朋自遠來、
    不亦樂乎、人不知而慍、不亦君子乎、
    と言って再会を喜び出迎えてくれる。

    初めて読んだ時は、
    金谷先生のはしがきの通りに、
    古くさい道徳主義を振りかざす
    冷たい聖人君子では無く、
    普遍的な人としての道を説き、
    暖かみを持った孔子の姿に感動した。

    あれから色々な事を経験し、
    当時は「ふーん」で流してしまっていた部分も
    心に響くように感じられた。
    おそらく年齢を重ねるごとに
    そういう箇所は増えていく事だろう。

    これから何度も繰り返して読むべき本。

  • ・人が自分を知ってくれないことを気にかけないで、人を知らないことを気にかけることだ。

    ・知ったことは知ったこととし、知らないことは知らないこととする。それが知るということだ。

    ・すぐれた人を見れば同じようになろうと思い、つまらない人を見たときにはわれとわが心に反省することだ。

    ・孟之反は功を誇らない。敗走してしんがりをつとめたが、いよいよ(自国の)城門にはいろうとしたとき、その馬をむちでたたいて「後手をつとめようとしたわけではない。馬が走らなかったのだ。」といった

    ・知っているというのは好むのには及ばない。好むというのは楽しむのには及ばない。

    ・人が道に外れているとてそれをひどく嫌いすぎると、乱暴する。

    ・4つのことを絶つ。勝手な心を持たず、無理押しをせず、執着をせず、我を張らない。

    ・仕事を先にして利益は後回しにするのが、徳を高めること。自分の悪い点を責めて他人の悪い点を責めないのが、邪悪を除くこと。一時の怒りにわが身を忘れた上、近親まで巻き添えにするのは、迷い。

    ・君子は人と調和するが雷同はしない。小人は雷同するが調和はしない。

    ・真っ直ぐな正しさで怨みにむくい、恩徳によって恩徳にお返しする。

    ・君子は生涯を終わってから、名前のとなえられないことを悩みとする。

    ・正直な人、誠心の人、物知りを友だちにするのは有益だ。体裁ぶったの、うわべだけのへつらいもの、口だけ達者のを友だちにするのは害だ。

    ・礼儀と雅楽を折り目正しく行う、人の美点を口にする、すぐれた友だちの多いのを楽しむのは有益だ。わがまま勝手、怠け遊ぶこと、酒盛りを楽しむのは害だ。

    ・大きい徳(孝や悌など)については、きまりを踏み越えないように。小さい徳(日常の容貌や振る舞い)については、出入があっても宜しい。

  • 図書館で借りて、一回貸し出し延長したのにそれでも読み終わらず、返却してからまた借りてきて、やっと現代語訳だけ読み終えた。
    難しかった。謙虚でありたいと思えた。

  • ・いい意味で、思ってたよりも当たり前のことが書いてある。「他人には敬意を払おう」とか「くよくよせずに、おおらかでいよう」とか「音楽って最高!」とか。
    ・「上司や年上の言うことは絶対!」みたいな厳格なイメージだったけど、読んでみると意外とそんなことないな。むしろ「部下にはやさしくしましょう」って言ってるし。
    ・隠者に論破されそうになるところがおもしろかった。『荘子』で孔子のことが「社会的すぎる真面目な奴」として扱われてる理由がわかったよ。
    ・読む前と後で、孔子の印象がかなり変わった。おおらかでみんなに慕われてる学問と芸術が好きなおじいちゃんって感じの人だな。

  • カタチとキモチは結びついている。「ありがとう」と言ったり、お辞儀をするのが礼(カタチ)。そこに感謝の気持ちを込めることが仁(キモチ)。仁の気持ちを持てば、それは礼に現れる。礼を実践することは、仁の実践につながる。▼仁を持っていれば、親や年長者を敬うはずだ。身近な人への愛情を他の人にも広げていくことが仁の実践。▼仁や礼を体現するような人が為政者にふさわしい。法や刑罰による統治では、人々の人間性の向上につながらない。為政者の徳が重要だ。孔子

    春秋時代、周の権力が衰え、下剋上。無秩序。正しい秩序があれば、政治、文化、教育、軍事は天子の権利だが、正しい秩序がなくなると、諸侯の権利になり、大夫の権利になり、やがて諸侯の陪臣の権利となり、とても無秩序になる。孔子

    君子は誰とでも協調できるが、どんな意見にも同調するわけではない。小人は人の意見に簡単に同調するが、協調しようとしない。孔子

    (他から)學びて(自分で)思はざれば則ち罔(くら)し。(自分だけで)思ひて(他から)學ばざれば則ち殆(あやう)し。孔子

    巧言(こうげん)令色(れいしょく)鮮(すくな)し仁(じん) 。巧みな言葉を用い、表情を取り繕う者は仁の心を欠く。

    過ちて改めざる。これを過ちという。孔子

    子曰わく、吾十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順(した)がう。七十にして心の欲する所に従って矩(のり)を踰(こ)えず。※耳したがう(人の言葉を偏見無く聴く事が出来る)。自分の心のままに行動しても人道を踏み外す事がない。孔子

    女と子どもは甘い顔をするとつけ上がり、構わないでいると怨んでくる。孔子『論語』

    今かりに幼児が井戸に落ちそうなのを見れば、だれでもはっと驚き深く哀れむ気持ちが起こって助けようとする。利害損得ではない、反射的に起こる。人間の本性が善であるからだ。人間は善になる種タネを生まれながらに持っている。▼為政者は思いやりと正義にもとづいて、民衆の幸福を第一に考えるべき。そうすれば民衆は自然と服従するはずだ。▼思いやり(キモチ)と正義(仁義)のない為政者は、王である資格を失っており、討伐されるのが天の意志だ。天命が革まる(天の意志があらたまる)。革命。天子の姓が易わる(かわる)。易姓。仁と義が大切。孟子
    *去る者は追わず、来る者は拒まず。
    *本に書かれていることをすべて信じて疑わないなら本を読まない方がよい。
    *人の言動に違いがあるのは、地位や境遇が違うからだ。

    人間はまず自分の空腹を充たすことを考える。他人の空腹を優先させることもあるが、それは後から学ぶもの。人間は生まれながらにして自分の利益を求めるものだ。カタチ礼と義が大切。▼高山に登らざれば、天の高きを知らず、 深谿に臨まざれば、地の厚きをしらず、 先王の遺言を聞かざれば、学問の大なるを知らざるなり。▼青は藍より出て、藍より青し。荀子

    ******
    異民族ツングース人に滅ぼされた漢民族の王朝・北宋。漢民族の王が南に逃れて作ったのが南宋。異民族に蹂躙・抑圧される漢民族。異民族よりも漢民族の方が上だ、と言いたい。上下関係がある、と言いたい。大義名分論(上下関係)、朱子学の誕生。

    朱熹の朱子学 1100年代
    江戸の朱子学 1600年代

  • 心に留めておくべき言葉の数々。
    考えさせられた。

  • 君子は平安でのびのびしているが、小人はいつでもくよくよしている。

    仁が最も大切で、仁とは人を愛することである。

  • 本来は眼光紙背に徹さないと、孔子の軸を読み取れないのだろう。
    今回はさらっと言葉を見て、引っかかるところがいくつかあれば良いな、という目的で読んだ。
    そのため期待通りいくつかの言葉が心に残ったが、枝を得たが幹は見えていない感はある。
    以下はその言葉の一部。
    「たくさん聞いて疑わしいところはやめ、それ以外の自信を持てることを慎重に口にしていけば、あやまちは少なくなる。たくさん見てあやふやなところはやめ、それ以外の確実なことを慎重に実行していけば、後悔は少なくなる。」

    「しみこむような悪口や、、肌身にうけるような痛切なうったえには人は動かされやすいもよだが、よく判断できてそれらが通用しないようなら、聡明といってよいだろう。」

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