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- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003500262
感想・レビュー・書評
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●第一部に中世から現代に至るまでのスペイン文学の動向、第二部に主要な作家と作品を網羅的に紹介した本。
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大きな期待感を持って読んだためか、かえって中途半端な印象を受ける本でした。全体は2部構成で、第1部が通史。第2部では「特に重要と思われる作家と作品にスポットを当て」、計26名の作家と作品の解説が成されます。個々の解説は興味深いのですが、なぜこれらの26名がスペイン文学史上「特に重要」なのかの説明がありません。また、今日のスペインでは、地域語で書く作家もスペイン国民文学賞を受賞しています。ところが、本書の冒頭では「カタルーニャ語、ガリシア語、バレンシア語、バスク語で書かれた文学は一切扱っていない」と断り書きがあるものの、なぜ取り扱わないのかの説明はどこにもありません。さらに、スペインを離れて異国の地へ渡航した「亡命作家」は取り上げていますが、逆に外国生まれでスペインで活躍している作家は、その数が少ないためか、ほとんど取り上げられていません。結局、本書の著者が「スペイン文学」をどのように定義しているのかが、素人の私にはよくわかりませんでした。