- Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003751091
感想・レビュー・書評
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今年中に全部読み終わりたいな。
描写が繊細でとても美しくハッとさせられるんだけれど、これを読むには現代は刺激が多すぎる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
マドレーヌ効果と無意志的記憶
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訳:吉川一義、原書名:À la recherche du temps perdu. Du côté de chez Swann(Proust,Marcel)
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<閲覧スタッフより>
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所在記号:文庫||953.7||フル
資料番号:10201033
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詳細な地図や図版が載っていたため岩波文庫版を購入。波乱万丈な物語ではなくただ淡々と回想の記述が続くので一巻だけでも読むのに苦戦したけど、読んで良かった。「世にいう人の性格なるものがいかに一面的な見方であるか、ひとりの人間がいかに重層的存在であるかを再認識せずにはいられない」(訳者あとがきより)
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なかなかおもしろい
がんばって読みきりたいです -
まずは1巻。第1編のそのまた第1部。プロローグのプロローグといったところ。マドレーヌのくだりはここ。
ちょうど今、岩波文庫と光文社古典新訳文庫とで、新たな全訳が進んでいる。どちらも2010年から翻訳が始まり、最終的に全14巻を予定しているところも同じ。同時に2つの翻訳プロジェクトが進行するというのはかなり珍しいことなんじゃないだろうか。新たな読みやすい訳で読むことができるだけでなく、それを選ぶことができるというのはとても良いことだと思う。
本屋で冒頭何ページか読んでみた結果、個人的に読みやすく感じたのは岩波版。なんとなく文章のリズムが良い気がしたのだが、実際どちらの評価が高いのかはよくわからない。岩波文庫の方が、フォントや行幅に馴染みがあるというのもあるかもしれない。このへんは、好みの問題だと思うので、訳が複数ある場合には実際に手にとって確かめてみる以外にない。訳の正確性については、ネットで見たところどちらも問題なさそうだし。
数年前にいちど挑戦して挫折したので、今回は二度目の挑戦。今度こそ読みきることができるのか。読み切れたとして果たして何年かかるのか。ゆっくり地道に読んでいきましょう。 -
記憶の扉は自分の意志とは無関係に開いたり閉じたりする。それを自分ではコントロールできない。
何かに触れたり、耳にしたり、匂いをかいだり味わったりするとき、突然、火花のように頭の中に印象的な光景が輝くときがある。ついさっきまで、思い出そうとしても思い出せなかったものを、なぜ、思い出すことができるだろう。小説を読みつつ、改めて考えてみると、名作といわれる由縁が見えてくるような気がした。
たった一切れのマドレーヌと紅茶が主人公を数十年の過去へといざなったように、
記憶とはただ物質に触れる偶然によってのみ、思い出すことができるものなのだ。
回想という形式をとりながら、ここまで深く人間の記憶と物質・空間の関係に踏み込んだ文章を書くプルーストの彗眼には恐れ入る。 -
語り手「私」の長い長い回想録。一巻ではコンブレーで過ごした少年時代について語られている。眠りと覚醒の狭間に現在を見失い、かつて住んだことがある場所の想い出が次々と現れる。主に描かれているのは上流階級の家庭の穏やかな日々。外面的には何も劇的な事は起こらないが、「私」の内面は躍動し続ける。少年の繊細な心の動きが、様々な比喩を織り込みながら文章の形で現れる。「私」の読書体験の描写が好き。