失われた時を求めて(1)――スワン家のほうへI (岩波文庫)

  • 岩波書店
4.02
  • (41)
  • (37)
  • (23)
  • (5)
  • (2)
本棚登録 : 1614
感想 : 53
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003751091

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 今年中に全部読み終わりたいな。
    描写が繊細でとても美しくハッとさせられるんだけれど、これを読むには現代は刺激が多すぎる。

  • マドレーヌ効果と無意志的記憶

  • 訳:吉川一義、原書名:À la recherche du temps perdu. Du côté de chez Swann(Proust,Marcel)

  • 一人の少年の心理描写を長々しく綴って物語を完成させた作者・プルーストには脱帽する。
    過去の回想が文章の中心になっている為か、逐一出来事の表現が婉曲でもどかしかった。
    確かに感受性が人並外れて豊かな印象は強いが、それ故孤独感を重んじて時々社交を断っている様子が気になった。
    単に嗜好に耽るのが好きな少年ではなく、鋭い人間観察力を持った現実逃避を好む傾向が強い少年ではないだろうか。
    勉強する場面があまり見られなかった点が不自然に感じられた。
    まだ序盤だが、成長する過程で更に思想思考に耽溺しそうである。

  • <閲覧スタッフより>

    --------------------------------------
    所在記号:文庫||953.7||フル
    資料番号:10201033
    --------------------------------------

  • 詳細な地図や図版が載っていたため岩波文庫版を購入。波乱万丈な物語ではなくただ淡々と回想の記述が続くので一巻だけでも読むのに苦戦したけど、読んで良かった。「世にいう人の性格なるものがいかに一面的な見方であるか、ひとりの人間がいかに重層的存在であるかを再認識せずにはいられない」(訳者あとがきより)

  • なかなかおもしろい
    がんばって読みきりたいです

  • まずは1巻。第1編のそのまた第1部。プロローグのプロローグといったところ。マドレーヌのくだりはここ。
    ちょうど今、岩波文庫と光文社古典新訳文庫とで、新たな全訳が進んでいる。どちらも2010年から翻訳が始まり、最終的に全14巻を予定しているところも同じ。同時に2つの翻訳プロジェクトが進行するというのはかなり珍しいことなんじゃないだろうか。新たな読みやすい訳で読むことができるだけでなく、それを選ぶことができるというのはとても良いことだと思う。
    本屋で冒頭何ページか読んでみた結果、個人的に読みやすく感じたのは岩波版。なんとなく文章のリズムが良い気がしたのだが、実際どちらの評価が高いのかはよくわからない。岩波文庫の方が、フォントや行幅に馴染みがあるというのもあるかもしれない。このへんは、好みの問題だと思うので、訳が複数ある場合には実際に手にとって確かめてみる以外にない。訳の正確性については、ネットで見たところどちらも問題なさそうだし。
    数年前にいちど挑戦して挫折したので、今回は二度目の挑戦。今度こそ読みきることができるのか。読み切れたとして果たして何年かかるのか。ゆっくり地道に読んでいきましょう。

  • 記憶の扉は自分の意志とは無関係に開いたり閉じたりする。それを自分ではコントロールできない。

    何かに触れたり、耳にしたり、匂いをかいだり味わったりするとき、突然、火花のように頭の中に印象的な光景が輝くときがある。ついさっきまで、思い出そうとしても思い出せなかったものを、なぜ、思い出すことができるだろう。小説を読みつつ、改めて考えてみると、名作といわれる由縁が見えてくるような気がした。

    たった一切れのマドレーヌと紅茶が主人公を数十年の過去へといざなったように、

    記憶とはただ物質に触れる偶然によってのみ、思い出すことができるものなのだ。

    回想という形式をとりながら、ここまで深く人間の記憶と物質・空間の関係に踏み込んだ文章を書くプルーストの彗眼には恐れ入る。

  • 語り手「私」の長い長い回想録。一巻ではコンブレーで過ごした少年時代について語られている。眠りと覚醒の狭間に現在を見失い、かつて住んだことがある場所の想い出が次々と現れる。主に描かれているのは上流階級の家庭の穏やかな日々。外面的には何も劇的な事は起こらないが、「私」の内面は躍動し続ける。少年の繊細な心の動きが、様々な比喩を織り込みながら文章の形で現れる。「私」の読書体験の描写が好き。

全53件中 21 - 30件を表示

プルーストの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×