物理学とは何だろうか〈下〉 (岩波新書 黄版 86)

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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004200864

感想・レビュー・書評

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  • 執筆中に亡くなったため未完なのがつくづく残念。朝永振一郎の書く量子力学を読みたかった。

  • 下巻はドルトン、マックスウェル、ボルツマンと解説して原子・分子論から統計力学の発展までを説明する。これは朝永振一郎の遺稿として、ここまでで未完となっている。最後に、朝永の講演会の内容を興した「科学と文明」という、人類と科学技術文明の付き合い方に関する考察が含まれている。

  • 我々が勉強する物理学は、これまでの数多くの研究者によって築き上げられたものである。
    しかしながら、教科書にはその結果しか示されておらず、それらを導くために研究者がどれだけ苦労し、試行錯誤したかを理解することは難しい。
    本書を読めば、有名な式の導出の苦労を研究者とともに味わうことができる。
    (化学・物理化学系教員)

    理数理 トモナ||2||6B 20003260

  • ※上下巻同じレビューです

    物理学とは何か、ということをガリレオ、ケプラー、ニュートンあたりから始め、20世紀初頭の物理学あたりまでを科学史的な感じで語っています。
    バックグラウンドにある思想や哲学、社会状況にまで言及しているところが面白いです。

    ただ、物理学とは何だろうか、と言っておきながら、十全に理解するためには、そもそもある程度物理学を知っている必要があると思いました(笑)
    だいたい、大学教養レベルくらいの物理かな?

  • 下巻では化学を源流とする近代原子論から気体の分子運動論の成立を扱っています。物理学の転換点は量子論だと言われますが、分子運動論の登場も大きな転換点だと思います。当時は実証主義が強く主張されたため、いろいろとドラマがあったようですが...。個々の分子の運動は原理的には決定論的に記述できても、私たちの前に現れる分子集団は膨大なため統計的・確率的にしか把握できませんし、そもそも統計的な情報しか必要ありません。しかし、分子運動の決定論的力学とそれが膨大な数になったときの確率論的解釈を結びつけていく過程は、本書のタイトルどおり、物理学とは何だろうかを考えさせられる話題です。
    残念ながら、分子運動論を書き上げたところで逝去されたため、電磁気学や相対性理論、量子力学には触れられていませんが、分子運動論の形成も重要なトピックなので、この本で物理の考え方を身につけたいと思います。

    本館5階新書 420.2/TO62/S2

    http://www.lib.shizuoka.ac.jp/cgi-bin/opc/opaclinki.cgi?ncid=BN00741898

    図書館モニタ

  • [ 内容 ]
    本書の完成を前に著者は逝去された。
    遺稿となった本論に加え、本書の原型である講演「科学と文明」を収める。
    上巻を承けて、近代原子論の成立から、分子運動をめぐる理論の発展をたどり二十世紀の入口にまで至る。
    さらに講演では、現代の科学批判のなかで、物理学の占める位置と進むべき方向を説得的に論じる。

    [ 目次 ]
    1 近代原子論の成立(ドルトンの原子論;気体の法則、化学反応の法則)
    2 熱と分子(熱のにない手は何か;熱学的な量と力学的な量;分子運動の無秩序性)
    3 熱の分子運動論完成の苦しみ(マックスウェルの統計の手法;エントロピーの力学的把握;ロシュミットの疑義 ほか)

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