ディズニーランドという聖地 (岩波新書 新赤版 132)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004301325

感想・レビュー・書評

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  • 14/10/11、ブックオフで購入。

  • 少しばかり内容は古いがよくありがちなディズニー万歳な内容ではなく、アメリカ人の文化意識を支える装置としてディズニーランドを見、深い考察がなされている。非常に興味ぶかくおもしろい内容だった、☆4つなのは少し内容が古いため。

  • もう20年も前の本だが、「ディズニー」誕生の背景・アメリカにおけるポジション・東京ディズニーランドなど非常に面白いテーマを扱っている。
    別に施設の裏話や現場のことを取り扱っている本ではないので注意。
    「ディズニー」を客観的に捉えている。

    ↓興味深かった表現

    「地上で一番幸せな場所」
    「自然を恐れ、敵視した彼らの世界観からすれば、自然状態が存在しない」
    「「本物の駄作」が「ニセモノの大傑作」に必死で追いつこうとしているいま」
    「日本においては精神性をともなわない巨大な娯楽・消費空間だから」

  • 歯切れ良く書かれているので、ディズニー好きも嫌いも、興味ない人も楽しめる本。ディズニーから読み解くアメリカ文化論である。授業のネタにでもと思ったけど、いまこれやると少し陳腐に聞こえてしまうのかも。そして今のディズニーを読むなら視点をまた変える必要もあるか。特に東京やパリ、香港が成熟してきた今は。

  • 「現実を超えた超現実」「本物以上に本物らしいもの」を提供するという点にうなずきました。観光社会学的に言えばオーセンティシティの創出でしょうか。

    エキゾチックな雰囲気は、本物ではなく創りだされたイメージを完全に管理された環境下で再現したものだということでしょうか。

  • 映画プロデューサーであるディズニーの徹底した演出のもとで、誕生したディズニーランド。そこは単なる娯楽施設ではなく、アメリカ人のフロンティア精神やノスタルジアの体現された施設。古や歴史を持たぬアメリカ人の聖地「的」場所。

  • 昔、大学の先生が勧めていた新書。買ったは良いもののまだ手をつけてない・・・

  • 内容は本当にどれも興味深かい。
    いろんな意味で、「やはりただものではないよ、ディズニーランド」ってことです。

  • 筆者は東京ディズニーランド立ち上げに関わった、いわば「夢の国の中の人」。それから、創業者のウォルト・ディズニーの伝記の訳者でもあります。
     その筆者が、ディズニーランドに仕掛けられたトリックを種明かししてくれます。思想的な背景とか資金繰りも書いてます。

  • 読んでいて「なるほど」と思える記述がかなりあり、ディズニーランドという存在がどういうものなのかを知るにはもってこいの一冊だと思う。特に、宗教学という観点から見るとディズニーランドの持つ特異性がうまく浮かび上がるのではないかという気がする。

    そのディズニーランドの「本質」であるが、本書でも引用されていたエーコの言葉にもあるように、「本物の佳作」ではなく「偽物の大傑作」というところに集約されるのではないだろうか。現実を上回る虚構を呈示しているからこそ、空想し夢想する能力を持つ人間にとってそれは魅力的なものとなる。

    ディズニーランドの勝利は、あくまで現実を上回ろうとする戦いの一つの上にある。また、同時にそれが空間に仕切られた勝利であることを明示することによって、現実とうまく折り合いをつけている。

    このような施設・発想こそが、次世代に流行りそうな宗教の特徴になるのではないかなと思う。

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著者プロフィール

 アメリカ文化研究者。東京大学教養学部卒。カリフォルニア大学ロサンゼルス校人類学博士課程修了。1980年から83年にかけて、ウォルト・ディズニー・プロダクションズおよびオリエンタルランド社の嘱託として、東京ディズニーランドプロジェクトに参加。東京大学助手、武蔵大学助教授、東京大学助教授を経て、1996年より東京大学大学院総合文化研究科教授。主な編著書に『ディズニーランドという聖地』(岩波書店、1990)、『事典 現代のアメリカ』(大修館書店、2004、共編著)、『アメリカの世紀』(東京大学出版会、2005、共編著)、共訳書に『ウォルト・ディズニー』(講談社、1983)、『アメリカ政治文化史』(木鐸社、1987)、『ウィメンズ・アメリカ』(ドメス出版、2000)など。

「2008年 『ディズニー化する社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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