- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004305811
感想・レビュー・書評
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精神病ないし統合失調症についてのコンパクトな解説書です。
同じ岩波新書には、人間学的な精神病理学の立場に立つ木村敏の『心の病理を考える』という本がありますが、本書は哲学的な考察に入り込むのでもなく、また実証的な研究成果を紹介することに終始するのでもなく、バランスの取れた記述になっているように思います。もっとも、個人的には木村の著作がおもしろく読めたのに対して、本書の叙述にはちょっともの足りなさを感じてしまったのも事実です。 -
昔読んだ本
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林公一さんのサイトで推薦されていて読んだ。よくまとまっていてよい本。こういう本のわりに語り口が丁寧でやわらかい。
未読の方へ。統合失調症(かつての分裂病)の本です。 -
わかりやすく丁寧に、かつ正確に記述されている。また、筆者の統合失調症患者に対する思いも伝わってくる。少々古いけど未だに素晴らしい一冊。
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統合失調症について、わかりやすく解説しています。
現在では若干認識の変わっていることもあるらしいとのことです。
非常に中立的な印象を受ける内容で、そういう人が身近にいる人もいない人にもオススメです。 -
「精神病」というおどろおどろしい題名ですが、
内容は、筆者の暖かなまなざしにあふれていて、
非常にいい本です。
分裂病を、データや筆者の患者の例にもとづいて
説明しているのですが、
現在は軽症化の傾向にあることが繰り返し述べられています。
それと、僕が一番おもしろいと思ったのは、
以下の3つの点で、分裂病は、
とても社会的であると述べていることです。
まず、分裂病に独特の心理も、現代社会にあっては、
周囲を驚かせるような激烈な形をとらなくなっているという、
軽症化の理由について言及した部分。
次に、この病気は、
「知性や意識の低下ではなく社会性・常識性の破綻」であるとして、
その原因に、人間の「社会性」の発達と何らかの関係性があると
ほのめかせている点。
最後に、治療には、、
社会復帰こそが治療の目的であること、
そのためには、社会福祉の充実が不可欠であるこということ。
現代社会の論点をとらえとようとするなら、
分裂病の心理を考えることで、
貴重な「贈り物」があるかもしれません。
社会学を学ぶ上でも、重要なことを示唆してくれた1冊です。 -
15年前に読んだ本をもう一度読み直してみたけれど、いまだに古くなっていない内容だった。唯一、病名が統合失調症という呼び方に変わったということだけで、ほかの知見は現在も生きている。良書だと思う。
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がん末期の患者さんが泣いてしまって、「泣きたいのはこっちです!」と言いにきた後輩にあぜんとしたことがあったけれど、統合失調症の方こそ「不安なのはこっちです!」ということなんだろうなあと思わせてくれる本でした。
こういう愛ある説明本が好きです♥