- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004311898
感想・レビュー・書評
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政治に興味ない人間にとっての第一ステップと思い、購入。相変わらず興味はないかも。。。
いや興味ないのは大半の政治家にか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2009年は政権交代が成された年として日本の政治史に記録されることになります。その年にあってこの新書は、自民党から民主党に政権がうつるまえから日本の政治が培ってきた経験値がどれほどのものかを鋭く指摘していたという点において傑出した作品といえると思います。著者の佐々木氏(http://www.gakushuin.ac.jp/univ/law/teachers/pol/sasaki/index.html)のお名前は東京大学の学長職につかれていたというところから知っていました。今は学習院大学で教鞭をとられています。
毎日の動きを追うために新聞を読むだけでは大局的・長期的視点でのこの政権交代の意味を見出せないのが私の浅はかな知識の限界なのですが、専門家が国民に理論的な説明をもってものごとの本質を明らかにするという成果が随所に盛り込まれていてあっという間に読めてしまいます。国内政治に関する本で私が読んだ中では今年一番の本と言えます(私は遅読なのでそもそも選び出す前の母集団として読書量はかなり少ないことはお断りした上で…)。
野党・自民党がマニフェスト・公約違反だと反論してみても、かれらが与党だった頃にも同じような光景を見た気がしてしまうので説得力を感じない瞬間があります。また、自民党が駄目になったから民主党に任せてみようという多くの有権者の間に、奇跡といえるほど共通理解として認識されていたことから民主党の地滑り的大勝を生んだとも言えます。
でも政権発足100日を経ってみえるのは首相(http://www.kantei.go.jp/jp/hatoyama/profile/index.html)の決断力のなさや、自分が大好きな閣僚たちが自由な発言を繰り返しばかります。政権や内閣という組織の中では、あまりあってはならないように感じるのですが、船頭多くして…、の言葉を思い起こさずにはいられません。閣僚みなが優越感にひたって自分の考えを政権のそれとの一致を考えずに口に出してしまうのでしょうか。
与党慣れしていない与党(http://www.dpj.or.jp/)と野党慣れしていない野党(http://www.jimin.jp/index.html)。年の瀬に漂う国内政治に漂う空気がなにから来るのかも、この本(特に最後の第4章)を読めば自民党と霞ヶ関ががっちりと戦後政治を高度経済成長と冷戦構造の中で盤石な政策集団として機能していたことから、小泉ー安倍ー福田ー麻生という瓦解の過程にも言及しています。総理官邸の諮問会議の委員も務めた著者が、そのプロセスを内側から見ていた経験談も含まれて描き出された政権交代への流れはルポタージュにも似た生々しさを伴っており読み応えがあります。
暫定税率廃止という公約の撤回、普天間移設問題の越年決定など、政権交代に伴う政策方針の転換(もしくは首相一人のブレ岳なのかもしれませんが…、→)がこれほどの影響を生むことを私たちは政権交代でもってようやく経験できたとも言えるかもしれません。その意味では、民主主義がようやくそれらしき影響と教育を日本人に与えているのが今この瞬間なのではないかとも思う訳です。入門書としても、今年の政治を振り返る意味でも読むのをお勧めできる本です。 -
利益ファクターと並んで政治的統合のテーマとなってきたのが、文化、宗教、人種やエスニシティ、マイノリティに関わる問題群である。
歴史的に見て、特に大きなストレスを政治体制に与えるのは戦争の問題であった。
政治的統合は国際関係の環境によっても大きな影響を被る。
政治権力は制度を変えるだけではなく、現実を変えるのに必要な大きなリソースを動員できる。
選挙民の第一義的役割は政府をつくることである。
自民党が人材不足と言っているが、そんなのは怠慢である。人材不足などというのは天に唾を吐くようなもの。 -
リアリズムと哲学の調和。
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昨今の政の騒動を見つめながら手に取った一冊。日経新聞の書籍紹介欄で目にしました。政治の具体的な事例についての解決や、ノウハウが書いてあるのではなく、あくまでも哲学、思想的見地からの政治論。読むのに時間がかかりはしましたが、基本的には非常にわかりやすく書いてあります。「政治統合」を目指して、私たちも勤しみましょう。
09/9/1 -
岩波新書新刊
精神的基盤・素地と政治的統合