仕事道楽 新版――スタジオジブリの現場 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004314868

作品紹介・あらすじ

「いつも現在進行形、面白いのは目の前のこと。」-"好きなものを好きなように"作りつづけ、アニメーション映画制作の最前線を駆け抜けてきたジブリも三〇年。高畑勲監督の一四年ぶりの新作公開、宮崎駿監督の「引退宣言」と大きな転換点を迎えた今、プロデューサー・鈴木敏夫が語ることとは?口絵も一新、新章を加えた決定版!

感想・レビュー・書評

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  • 宮崎駿と鈴木Pのやり取りとか、制作中のエピソードが面白かったな

  • 自分の信じる方向を言葉にして、形にして、楽しんでいきたいと思った。

  • 鈴木さんのエッセイ、なのか。
    話の内容も語り口も非常に面白く、一気に読めた。

  • ①最大の理解者はイエスマンではない
     ある人の言うことにイエスと応えることが理解者ではない
     意図を理解して、
     ある人のやりたいことではなく本質的にやるべきことが
     最大限実現できるよう働きかけることが重要
     →明確に意図を汲み取れるまで質問・確認する

    ②仕事とプライベートは別れてない
     ここまでは仕事(辛いもの)、
     ここからはプライベート(楽しめるもの)と
     分けなければいけない人はプロじゃない
     仕事自体が道楽として楽しめる状態を作る
     →周りのメンバーの業務にゲーミフィケーションを取り入れる

    ③誰のためにそれを作っているのかを明確に
     自分のためにものを作らない
     ターゲットを定めてその人が満足するまで追求する
     →何か作るときには「誰向け」なのか明確にして進める

  • 天才監督を、バックアップかつ操縦する天才プロデューサー。
    スタジオジブリがジブリたる所以は、この3名にある。
    好きを仕事にできるのは、本当に素敵なことであり、大変なことなんだと感じた。

  • 仕事本としてもハッとすることが多いが、各作品のエピソードが素敵。
    真剣だが遊びのある仕事。

    ・わかったような相槌を打つことは弱さ。相手と教養を共有する

    ・信頼はするが尊敬はしないという関係

    ・細部にこだわり研究し尽くす

    ・起きてしまったことはもうどうでも良くて、その場の対処を楽しむ

    ・課題に向き合うときは不安や気負いはじゃまになったりするので、野次馬精神で冷静に見ることが役立つ
    ・発表する作品が常に新鮮で意表を突くこと、宣伝はその魅力に絞ってアピールする
    ・結論にたどり着くまでには相当悩み、たどり着いたらそれでいいと割り切る。軌道修正が必要になったら潔く謝る
    ・ミーティングは楽しいものに。プロとアマが必要。若い人も連れてきてもらう。全員に意見を言わせる。テーマや方向性は示すが内容について自分の意見は用意しない。最後にまとめるところでみんなを説得する
    ・宣伝の仕方は作品ごとで異なり、自分がとらえた現代が当たっているか。宣伝しない宣伝もある
    ・プロデューサーとは、言葉をどう使いこなすかという仕事。映画をことばにして意義づける
    ・プロデューサーの仕事で重要なことのひとつは見取り図を書くこと。物事を大きく把握し、進行状況を確かめるために、図で表示する。地図を書くこと
    ・機能と人間というか、才能と誠実さのバランスは難しいが、その両方が絶対に必要。もっというと、まわりをホッとさせる人も必要
    ・コンテンツではなく作品としての映画をつくるための町工場のような会社
    ・好きな人と一緒に仕事をする。道楽としての仕事。

  • ジブリは宮崎駿がただいい作品を作って存在価値していると思っていたが、その裏には凄まじい歴史があり、多くの人の支えかあり、その中心にいたのが鈴木敏夫さんだった。
    宮崎駿と高畑勲の天才2人を支え続けた鈴木さんは本当にすごい方。
    文中ににもありましたが、プロデューサーとして一番重要なのは作り方の見方になること。作れてが作りたいものを尊重しながら進めていく。しかし、それを世に出すためにも最も重要なのは宣伝であるということ。宣伝の仕方は作品によって時代によって変化させながら宣伝をしていく。

    鈴木さん観点のジブリを見て、さらにジブリが好きになった。これまでの自分はジブリの魅力は時代に合ったテーマに沿ったストーリーだと思っていたが、鈴木さんが言うように本当のジブリの魅力は表現の力なんだなと改めて実感した。2人の天才アニメーターが作り出すこの表現こそがジブリの最大魅力なんだなと。

    鈴木さんの考えて今の自分に一番教訓として得ることができた言葉
    人間の聞き方にも2つあると思っていて、目標を持ってそれに到達すべく努力する。もう一つは目の前にあることをコツコツ烏中で自分に向いていることを見つけていくこれが生きるということだと思う。その中ではこんなにも出会うでしょうが、こんなは楽しんだ方がいい。その時のコツは困難を他人事だと思うこと。問題百科的に見ると解決を見つかることがある。

  • ジブリ映画は大学に入るまでほとんど見たことがなかったが、今年の春休みまでに全て見て、もののけ姫やナウシカなど、あまりこころを打たれることはなかった。
    しかし、耳をすませば、コクリコ坂から、思い出のマーニーはどれも背景描写、ストーリーが素晴らしくジブリの良さを感じた。
    鈴木さんの宮崎監督と鈴木監督の観察録みたいな内容は映画監督としてしか知らなかった2人の人柄やどのような経緯があって映画を作ったかが知れて面白かった。
    特に、記憶に残らないものは大事じゃないからメモする必要はない、特に大きな目標は作らず、こつこつ目の前のことを一生懸命取り組み、自分の得意なことを見つけるという部分は格言だと思った。
    そして、本気で仕事を楽しんでいる大人はかっこいいなと思った。

  • 鈴木敏夫のジブリ汗まみれにきょうみがあって購入

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/687670

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著者プロフィール

スタジオジブリ代表取締役プロデューサー。1948年、愛知県名古屋市生まれ。
徳間書店で「アニメージュ」の編集に携わるかたわら、1985年にスタジオジブリの設立に参加、1989年からスタジオジブリ専従。以後、ほぼすべての劇場作品をプロデュースする。宮﨑駿監督による最新作『君たちはどう生きるか』(23)が、米・ゴールデン・グローブ賞のアニメーション映画賞を受賞した。「仕事道楽 新版──スタジオジブリの現場」「歳月」(ともに岩波書店)、「スタジオジブリ物語」(集英社)など、著書多数。2021年、ウィンザー・マッケイ賞を受賞。

「2024年 『鈴木敏夫×押井守 対談集 されどわれらが日々』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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