ピーター流生き方のすすめ (岩波ジュニア新書 625)

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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005006250

作品紹介・あらすじ

テレビやケータイに縛られるのはダメだって、わかってるけどやめられない…。大道芸人兼数学者、世界中を渡り歩いてきたピーターも、誘惑に弱いし失敗も後悔もたくさん。でも、楽しく生きる秘訣は「自分の人生の主人公になること」だとピーターは思う。ふつうのオトナのお説教とは一味違う、実践的で具体的なアドバイスが満載。

感想・レビュー・書評

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  • ジュニア新書2冊目。気持ちよく一気に読めます。この人はこういう考え方で生きているのだなあ、と思いながら読みましたが、だいたい共感できるところが多かったです。私の場合、ケータイは一応持っていますが、カバンに入れっぱなし。家にいるときはケータイでは連絡がつきません。家の電話があるのだから、緊急の用事はそちらでどうぞ。ケータイは自分から連絡をするときのために持っています。勝手ですが。たしか村上春樹もそんなことを言っていたような。テレビは毎回見る番組以外はほとんど見ません。スポーツは興味がありません。宝くじを含めて賭け事も一切しません。着る服は今でも良いものを長く着たいという思いで、けっこう高いものを買うこともありますが、最近は安いものでもOKです。困るのは、安いものに慣れすぎてしまって、ユニクロとかで一品2000円以上のものが買えなくなったということです。お昼ご飯だって500円以上使うことはほとんどありません。車とか新しい家電にも興味はありません。お金を使うのは本くらいです。おもしろくなさそうな生活だなあと思われるかもしれませんが、何かものに拘束されることなく、自由な時間も多くて楽しく過ごしています。日本という国は好きです。愛国心というのかどうかはわかりませんが、自分の生まれた国ですし。ただし「君が代」の歌詞は知りません。それは、教育のなせる業です。「国家の品格」というベストセラー新書は読んでいないのですが、本書で著者が批判的に読まれています。同じ数学者同士でちょっとおもしろい。さて、著者のフランクルさん、ハンガリー人の数学者であり大道芸の達人?であり、11ヶ国語を操り、世界中を駆け巡っているようです。でも、日本を終の棲家としたとか。私が東京で暮らしていたころ、何度か渋谷あたりで、彼の大道芸を見たことがあります。そのとき配られていたチラシには自己紹介で数学者と書いてありましたが、本当かなあと疑っていました。後に、秋山仁さんなどともいっしょにテレビに出られるようになりました。先に、サインでももらっておけばよかった。(ケータイについては最近スマホに替えたため、けっこう常時身近に置くようになりました。)

  • 「本来、どんなことについても、他人との比較は不要です。比較すべきなのは他人ではなく、きのうの自分、おとといの自分なのです。」

  •  図書館で借りて読みました。一応「子供向け」の本なので30分もあれば読めるかと思います。自分が語学を勉強している関係で、11か国語を操れる著者(しかも数学も!)に一定の敬意を持っています。ですので、「この人がどうやって語学をモノにしたのか?」とか「なぜ日本に住む、なぜ日本語を学ぶ?」という興味を持って読みました。

     彼の生き方とか背景とかは、集英社文庫から出ている彼の著作を読んでいたので、この本の主張がよく理解できました。彼は「ユダヤ人である」という強烈なアイデンティティに影響されていることは否定していません。日本人がユダヤ人がどれほど苛烈な迫害等を受け、世界でどう見られているか理解できないと思います。
     僕が以前、ユダヤ人は何かにつけて迫害されて、お金や持物など物質的なものは迫害の際に奪われてしまう。いつ何時そういう時が来るかわからないから、子供などには「迫害されても絶対奪われない財産、つまり知識」を残すように、お金を使うと読んだことがあります(日本の資産家とは大違い!)。で、著者もやはり父親からそういう影響を受けて「最後に残るのは、心と頭(で身に着けたもの)」という教育の下で育ったそうです。

     彼の外国語習得法は別の本があるのでそちらに譲ります。この本を読んで、極端な意見も多いですが、読んで参考になったことを備忘録的に記しておきます。

     ①物事は短時間でも、集中力を持って行う
     ②愛国主義と国粋主義は違う(「・・・と違って日本は素晴らしい」という言説は国粋主義に分類されると著者は言う)
     ③他人・他者と比較をしない。比較するなら過去の自分と現在の自分を
     ④自分の人生の主人公は、自分であり、他人が自分に成り代わって自分の人生を過ごすわけではない。だから、自分で決定する力を身に着けること
     ⑤スポーツ等は見ていて時間の無駄(←あまりに極論過ぎて賛同しかねる)
     ⑥日本(人)というのは、結果よりも経過(経緯)を大事にする伝統がありそれが長所だったのに、だんだん米国式の「結果が全て」というような風潮になってきたことを残念に感じる(米国では”If you're so smart, why aren't you rich?”という有名な言葉があるそうだ)。
     ⑦ブランド品を持つ意味を考えよう(ほんとにその代価を支払う価値があるのかどうか)

     特に今更ながらこの本を読んで感じたのは「自分の人生の主人公は自分である」ということを、改めて感じました。もし米国式にいうなら「自己責任」ですが、著者は米国式なドライな「自己責任」ではなく、日本式のウェットな「自己責任」を提唱している。
     また、「結果よりも経緯」「他と比較をしない。主観的に好き嫌いを言う」ことの事の大事さというものを感じた。よく「・・・と比較すると~は良くない」という言い方をする傾向にあるので、とても反省した。「自分は・・・がすきではない。」とか「~という理由で・・・が好きだ」という言い方なら角が立たない。これから言い方に気を付けます。

     著者はあとがきで「日本を終の棲家に決めた」と言っている。このように言ってくれる外国人がいるということは、それだけ日本が良い国であるということだし、日本人ではない客観的に日本に関する事柄を考察してくれる外国人というのは、大変貴重だと感じている。日本人が国に対して何か意見をいうと、すぐ「左だ右だ」という論調になるからだ。

     この岩波ジュニア新書シリーズは大人が読んでも十分得ることがある本が多数出版されている。穴場的新書シリーズであることを付記しておきたい。

  • 昨日、図書館で借りて今日読み終わった本。「岩波ジュニア新書」と謳っているだけあってか、平易な言葉で文章が書かれていて読みやすい。

    ハンガリー人の数学者で、日本を「終の住処」と決めた著者の「幸せに楽しく生きるための『考え方』」が書かれている。

    ①テレビや携帯電話に主人公の座を奪われ易い②日・独の戦後の敗戦処理の比較等に絡めて述べられている「過去から抜け出せない日本」③あたかも普遍的・客観的な事実であるかのように主観的判断を示す国粋主義、という3つの話は興味深かったった。①はまさに自分が毎日直面していることであるし、②からは本書の言葉を借りれば「経済的なリーダーとして、ヨーロッパを牽引」してきて、特に大きなしがらみを周辺国との間で抱えていないように見えるドイツと、「韓国や中国などのお隣の国々とも、戦後処理や領土について、いまだに問題を抱え続けて」いる日本との違いをハッキリ認識した。③もやはり、日本を取り巻く国との間で起こっている紛争を想起した。

    ニュースでの「為替」関連の報道の意義への言及も面白かった。指摘されないと気が付かないと反省。

  • すっごくおもしろかった!!
    ほんとその通り。
    人生の主人公はテレビの中じゃなくて
    自分自身なんだって思う。
    インターネットやテレビのつき合い方を変えて
    自分を主人公にしていこうと思う。

    ピーターさんの考え方はとても好き。

  • 自分の人生の主人公は自分である。ネットやテレビとの向き合い方、臨場感中毒、30秒ルールなど。参考になる点が多かったのでもう一度読み返したい。

  • うーーーーーんっていう部分もあり。
    サッカーについては自業自得じゃね、と。

  • 海外の文化、とりわけ語学に興味がわいた。
    勉強するということは本来楽しいことなのだろうけど、ついそれを忘れてしまいがち。
    自分の学習に対して見直すきっかけになった。

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著者プロフィール

1953年ハンガリー生まれの数学者。国際数学オリンピック金メダリスト。世界各国で暮らした後1988年より日本に定住。算数オリンピック委員会理事、ハンガリー学士院メンバー、日本ジャグリング協会名誉顧問。

「2019年 『ピーターキューブ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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