文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸)

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  • Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006020019

感想・レビュー・書評

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  • インパク知 7・7

    大学教授、唯野仁をとりまく大学内の政治状況と、彼が行う「文芸批評論」という講義が交互に描かれた、全九章の小説。文学批評の大きな流れと主要人物が、唯野教授の軽快な口調で語られる。文学版「ソフィーの世界」といったところか。

    文学を志す学生さんなどには必読書であろうし、専門書と行き来して、大枠を確かめつつ具に知る、ということができそう。 小説、と書いたが、これを「小説」だと読むよりは、入門書だとするほうがしっくりする。

    文中の「貴族的な読者」という部分には、非常に納得した。結局、文学は時間的にも金銭的にも裕福な、「貴族」のお遊びに過ぎない(ニュートラルな意味で)。

  • もうこんな大学ないと思うのだが、それでも少しあってほしいと思うし、
    こんな教授いはしないと思うのだが、それでもいてほしいと思う。
    惜しむらくは、読者には前期の聴講しか許されていないことだ。

  • 主人公の唯野仁は、早治大学英米文学科教授であり、「野田耽二」というペンネームで小説を執筆しています。本作は、彼を中心にアカデミズムに生息する者たちの生態をアイロニカルに描き出している小説ですが、同時に現代文学理論について学ぶことができる内容になっています。

    唯野の後期の授業や、野田耽二の作品『海霧』などについて、もっと知りたいと思わずにはいられません。著者に続編を書いてほしいという声は少なくないと思うのですが、現在までのところ『文学部唯野教授のサブ・テキスト』(文春文庫)が出ているのみで、正式な続編は執筆されていないようです。

  • 著者の人間観察は相変わらず冴えていて(よく描けていて)際立たされた人物像の卑小・卑屈・傲岸ぶりをとらえた毒気を孕んだ筆致は愉しい。またそんなかれらのドタバタ(狂騒・暴走)ぶりはいきいきと精彩を放っている(著者は愉しんで書いていることがよくわかる)。残念なのは主人公のするそれぞれ章の講義部分の大半が(特に後半部分になってくると)正直よく解らなかったこと。自分の知力を越えるものであったから・・残念。ただ主人公の次々言及(紹介()する学者・哲学者の理論はエライく端折られているにせよその切口というか口調にはひきこまれた。

  •  筒井康隆氏のベストセラーの一冊
     調べてみたら1990年度売上第9位になっていた。
     唯野仁という架空の大学教授の口を借りて筒井氏が「印象批評」「記号論」「ポスト構造主義」等をテーマとした文芸批評を繰り広げるといった内容。
     文芸批評は大学の講義という形、つまり口語体で書かれている。
     その文芸批評以外に、大学の裏側の暴露話や、唯野氏の私生活にまつわるエピソード(芥川賞、女性関係、筒井氏ならではのスプラッター・スラップスティック)などが展開される。
     大学に関する暴露話は実際の大学教授等に取材した結果を記述しているとのこと。
     かなり戯画化されてはいるだろうが、さもありなん、といった話が続く。
     ただし、本書が出版されてからすでに20数年経過しているので、改善されたものや、形を変えて存続されているものなどもあるかもしれない。
     文芸批評に関しては、かなりわかりやすく記述されてはいるが、やはり僕の頭では完全に理解するには至らなかった。
     以上のようにおおまかに3本の大きな流れ(「文芸批評」「大学裏話」「唯野氏の身の回りにまつわる物語」)がほぼ均一に語られ、そこにメタ・フィクションやら(当時の)現実の出来事などが絡み合ってくる。
     あまり期待していなかった分、想像以上に面白く、あっという間に読み終えることが出来た。

  • 読んでいると、実際 大学の講義を受けている気になるし、近くで ドタバタコメディ 見ている気になる

    文学論の講義は 秀逸

  • やはり筒井康隆は天才だなと思う。ややっこしい批評理論とその背景にある哲学を小説仕立てで騒乱の中でさらりと総覧させてくれる。もちろんこれは筒井康隆の読みであり理解であるにしても批評理論というものをよく描けているような気がする。読んで感じた一定の印象は今後、いい意味で役に立つと思う。

  • 続きが読みたかったよ。

  • メタ小説。大学の描写が面白い。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784006020019

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