文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸)

著者 : 筒井康隆
  • 岩波書店 (2000年1月14日発売)
3.73
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  • Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006020019

文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸)の感想・レビュー・書評

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  •  筒井康隆氏のベストセラーの一冊
     調べてみたら1990年度売上第9位になっていた。
     唯野仁という架空の大学教授の口を借りて筒井氏が「印象批評」「記号論」「ポスト構造主義」等をテーマとした文芸批評を繰り広げるといった内容。
     文芸批評は大学の講義という形、つまり口語体で書かれている。
     その文芸批評以外に、大学の裏側の暴露話や、唯野氏の私生活にまつわるエピソード(芥川賞、女性関係、筒井氏ならではのスプラッター・スラップスティック)などが展開される。
     大学に関する暴露話は実際の大学教授等に取材した結果を記述しているとのこと。
     かなり戯画化されてはいるだろうが、さもありなん、といった話が続く。
     ただし、本書が出版されてからすでに20数年経過しているので、改善されたものや、形を変えて存続されているものなどもあるかもしれない。
     文芸批評に関しては、かなりわかりやすく記述されてはいるが、やはり僕の頭では完全に理解するには至らなかった。
     以上のようにおおまかに3本の大きな流れ(「文芸批評」「大学裏話」「唯野氏の身の回りにまつわる物語」)がほぼ均一に語られ、そこにメタ・フィクションやら(当時の)現実の出来事などが絡み合ってくる。
     あまり期待していなかった分、想像以上に面白く、あっという間に読み終えることが出来た。

  • 読んでいると、実際 大学の講義を受けている気になるし、近くで ドタバタコメディ 見ている気になる

    文学論の講義は 秀逸

  • やはり筒井康隆は天才だなと思う。ややっこしい批評理論とその背景にある哲学を小説仕立てで騒乱の中でさらりと総覧させてくれる。もちろんこれは筒井康隆の読みであり理解であるにしても批評理論というものをよく描けているような気がする。読んで感じた一定の印象は今後、いい意味で役に立つと思う。

  • 続きが読みたかったよ。

  • メタ小説。大学の描写が面白い。

  • 早治大学英米文学科教授であり、「野田耽二」というペンネームで小説を執筆している唯野仁を中心に、アカデミズムに生息する者たちの生態をアイロニカルに描き出すとともに、現代文学理論についても学ぶことのできる小説です。

    唯野の後期の授業や、野田耽二の作品『海霧』などについてもっと知りたいと思わされます。著者に続編を書いてほしいという声は少なくないと思うのですが、現在までのところ『文学部唯野教授のサブ・テキスト』(文春文庫)が出ているのみで、正式な続編は執筆されていないようです。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784006020019

  • 教授のハイパー能弁性キャラが本当に好き。

  • 本気の実験的な小説って好きなんです。
    作家の教養がビンビンに伝わってきて、それでいて知識のひけらかしになってないから、作品に緊張感が保たれています。

    「もっと勉強しましょうね」

    唯野教授の学生に向けたこの言葉は、作家、批評家、ひいては我々のような読者にも向けられた言葉なのだと思います。

  • 『文系学部解体』という新書の中で紹介されていたので読んでみた。予想外の面白さ。

    唯野教授の、教授としての一面と、作家としての一面のどちらがメインなんだろう?と思いながら読んでいたのだけど。
    彼が、教授でありながら覆面作家として実践を行い、そうしてある種の知的権力を持ちながら論の確立を行いたいという野望にハッとさせられた。

    なるほど。しかし、教授として作家になる風当たりの強さも何だか、分かる。
    この二重構造にハマってしまった。

    教授パートでは、こんな風に書いていいの?と思うくらいハードに教授会を描いているが、対する唯野教授の講義部分は魅力的で、文学批評というものの整理が為されている。(ってまあ、私の知っている名前が出て来てるなあ、と思っているだけで、正しい批評論をぶっているかは知らないけど)

    でも、唯野教授の批評論。
    虚構を虚構として捉えながら、そこから他の分野に波及させてゆく。という彼の論が聞きたかったなーというのが最後の残念。

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