ものがたりの余白 エンデが最後に話したこと (岩波現代文庫 文芸 156)

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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006021566

感想・レビュー・書評

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  • 高校生の時に読んだ本。


    読んでると妙に落ち着く。
    新たな気づきがたくさんあったように感じる。
    読むたびに発見がありそうなので、本棚に置いておきたい本。

  • 2014年97冊目。

    内容に覚えがあったので、別の本で似たようなことを読んだのかと思っていたら、まさかの既読本だった。
    とはいえ、物語がどのように生まれ、どのように広がっていくかの話しはいつも興味深い。
    物語そのものの中にある自律性に任せること、それが大事なのだと思う。
    ====================
    2014年53冊目。(初読:2014年5月31日)

    ファンタジー作家であるミヒャエル・エンデに対する、その訳者・田村都志夫によるインタビュー集。
    「物語」「ストーリー」と「余白」「空白」の関係の力にはずっと関心があったので、タイトルがどんぴしゃだった。
    なので、第一章の「書くということ」が一番読み応えがあった。
    画家、音楽家、作家、あらゆる芸術分野で尊敬できる人たちは、やっぱり「余白」を大事にしている。
    そして、作品自体が本人を超えて行く。

  • 深いな…。

    はてしない物語などおなじみの作品の舞台裏が少しだけ覗ける。
    エンデのバックグラウンドや思考がメイン。大切なのは遊び(シュピール)と無の空間なのです。

  • 「ものがたり」「ことば」「ユーモア」、そして「遊び」。インタビュー形式で進められる言葉は読みやすく、すっと入ってくる。

    見えないものに本質が見える。いまある物質主義的な生活を立ち止まって、考えてみよう。夏の元気な姿は実は植物の「夢」であって、冬の寂しい死んだような姿こそ植物にとっての「生」という話が印象的だった。

  • 魅力的な、たくさんの言葉がちりばめられていた。

    「遊び」ということの大切さ。

    「ユーモア」というものの、真のあり方。

    それと、ミヒャエル・エンデはこんなことも言っている。
    夏は自然が眠るとき。冬こそ、自然の命がおおいに成長するとき。
    春と夏のあの緑は、自然が深い眠りについて、その本質を覆い隠しているのだそうだ。そして、緑が消える冬にこそ、その本質があらわになり、自然は自身のあるべき姿をさらすのだとか。
    いまひとつ、難しくてわからないけど、どうやら、エンデは人生が終焉に近づけば近づくほど、人は勢いよく成長するのだ、ということが言いたかったらしい。


    あ、そうだ。
    あと、物語というもの。
    イタリアかどっかの街でエンデが出会った街頭の語り手。
    「それは何の物語?」と聞いたら、
    「アレクサンドル・デュマの小説だよ」と答える。
    (そんな小説、あったっけ?)と思ったが、
    それは彼の祖父から父へ、父から彼に語り継がれ、その間にすこーしずつ尾ひれがついて、今のかたちになったのだった。
    エンデは、その瞬間に啓示を受けた。
    「あー、こういう物語を書こう。100年後、どこかの街角で語られる物語を書きたい」
    だから、エンデはエンデのように書いたのだそうだ。
    トーマス・マンのように書いたのでは専門家には認められても、いつかどこかで語られることはないのだとか(笑)。

  • 「言葉は(作家が)自分で作るわけじゃない。それはすでにそこにあるものです」

    田村都志夫によるインタビュー形式の本。
    病状回復の見込みのなかったエンデが語った「死について」が、心にずっしりと響きます。

  • 作品の中で語られている思想性みたいなものがよりハッキリとカタチにされていて興味深いです。
    その人の作品を読む時に作者のバックボーンを知って読みたくなることがあるのですが、エンデがそうでした。
    読んで、知って良かったと思います。

  • ここまで自覚的に物語をつむげるとは流石エンデ様。

    自分の制作姿勢を省みて恥ずかしくなってしまった。
    ちんけな「自分の世界」にこだわる全ての創作者に読んでほしい。
    恥ずかしくなって欲しい。

    私は本を手にぶるぶる震えた。

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