食卓の文化誌 (岩波現代文庫 社会 100)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006031008

作品紹介・あらすじ

古代ローマではパンを焼くカマドは国家管理されていた。鍋物などの卓上料理は箸の文化圏で発達する。米を主食とすると胃拡張になりやすい…。食いしん坊で料理好きの民族学者が、食べることに関する世界中の報告や歴史、自らの見聞をもとに、古今東西の料理法、食習慣の不思議を考察する。食卓から世界を見る「食の文化論」。

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  • 岩波現代文庫
    石毛直道 「食卓の文化誌」

    各国の食習慣、道具、調理法方法、調味料などを対象とした食文化論の本。著者が絶賛する日本の食文化は、食器の美しさ、だしのうま味の発見。昆布のだし、カツオ節、シイタケ、貝柱など次々とダシを商品化している点を絶賛している


    ハシで食べられるように調理した日本の切りきざむ料理文化は評価しつつも、芸事化した包丁術には批判的な論調


    お膳による卓上の食事や 中立のハシ(1つの皿から取り分ける用の菜ばし)に 他のハシ文化圏と異なる習慣を指摘した点は、とても面白い


    驚いたのは「大根おろしは、日本人の発見した大根のすぐれた食べ方である」という言葉。世界では 大根はおろさないのか? 醤油あっての大根おろしか?








  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1000002192

  • 調理器具や箸などの食事の道具、調理法、調味料など食事にまつわる事物を文化論的にまとめた本。
    日本は食事事情が実に多様な国であると思うが、まだまだ知らない食があることを教えてくれる。特に中東やアフリカについては著者の見聞が豊富に記されており、どれも興味深い。ウマゴヤシは日本でも手に入るのか気になる。
    70年代に一度刊行された本でもあるため蘊蓄としては既視感を感じる部分もあるかもしれない。

  • フォークの歴史は浅い。もっと箸に誇りを持っていい。

  • (2010年渡辺正人先生推薦)

  • 文化人類学者による世界の食卓。アフリカ諸国、アジア諸国、ヨーロッパ諸国の食習慣、調理器具、パン食圏と米食圏の食卓、旅行について、スープについて、だしについて、もうさまざまな角度からいろいろな食卓が解説されています。次のごはんが新鮮にみえるかもしれない。オススメ。

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著者プロフィール

■石毛直道(いしげ なおみち)
1937年、千葉県生まれ。1963年、京都大学文学部史学科卒業。京都大学人文科学研究所助手、甲南大学講師、国立民俗学博物館助教授、同教授、同館長を経て、2003年、国立民俗学博物館を退官。国立民俗学博物館名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授。農学博士(東京農業大学、1986年)。
【主な著書】
『リビア砂漠探検期』(講談社文庫1979; 原本、講談社 1973)/『住居空間の人類学』(鹿島出版会 1979)/『食卓の文明論』(文藝春秋 1980)/『食卓の文化誌』(岩波現代文庫 2004; 原本、中公新書 1982)/『ロスアンジェルスの日本料理店――その文化人類学的研究』(ドメス出版 1985)/『はじまりはトンガ-南太平洋フィールドノート』(平凡社 1988)/『麺の文化史』講談社学術文庫 2006(原本『文化麺類学ことはじめ』講談社 1991)/『石毛直道 食の文化を語る』(ドメス出版 2009)/『飲食文化論文集』(清水弘文堂書房 2009)/『石毛直道自選著作集』刊行中(第1期全6巻、2012年完結/ドメス出版)

「2013年 『世界の食べもの――食の文化地理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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