- Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022503480
作品紹介・あらすじ
若き外科医の斐川竜介は、肝臓ガンで余命1年であることを知る。リストカットの少女・キョウコに支えられながら、自らの運命に立ち向かう。医療現場で病とたたかってきた斐川だが、科学にどっぷりつかりながらも、スピリチュアルのカリスマ、最新ガン治療を受ける青年実業家、放射線生物学者との出会いを通して自分の治療を模索する。
感想・レビュー・書評
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田口ランディの小説は、コンセント・アンテナ・モザイクの三部作のほかにも数冊読んだけれど、いつもどうカテゴライズしていいのかわからない。
ミステリ(サスペンス)でありながら、スピリチュアルな要素も強いから、個人的には【スピリチュアル小説】という実際はないカテゴリだ、という印象を毎回持つ。
今作も同様でした。医療(社会派)&サスペンス&少しのラブストーリー。だけど主軸はスピリチュアル。
超能力やシャーマニズム…いわゆるスペックというやつ?そういうものを信じられるか否かで、この作家の書く作品の評価は変わってくるように思います。
(私は結構そういうの好きです)
生きるとは?死ぬとは?ということを、深く考えさせられる小説だった。
余命が告げられるような病気になったとき、どんな最期を選ぶか。化学療法に身をゆだねるか、自然に死んでいくことを選ぶか。
人間は生まれた瞬間から死に向かい、長さの程度はあれど100%の確率で死ぬのに、どうして余命を告げられた瞬間に、“生”がまぶしく見え始めるのか。
たとえば自分が大きな病気にかかったとき、きっとこの小説の存在を思い出すと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
物凄く久々のランディ。凄く上手くなってて、この後、読みまくろうと思った。
癌治療が直接的なテーマだが、人生どころか人類までも考えさせる内容で、それはそれは、盛りだくさん。
父親を癌で亡くした作者が、いろんな事を考えながら書いた作品なんだろうと思う。 -
私は、一般の人間の能力を超える人物が登場する物語が好きなようだ。宮部みゆき、村上春樹などだ。そしてこの物語も、優秀な外科医であると共に、他者の意識に介入する能力を持っている。著者は、病気(主にがん)で死ぬことと寿命で死ぬ違いに何度もこだわる。そして、人間の臓器に対する描写も執拗でもある。放射能や電磁波などの影響を心配する後半は、現在の日本の状況を暗示していたといえる。
このままでは、文明の終焉を向かえるしかないように思えるのだが、次の進化の段階へ進むイメージを多くの人がさがし求めている。そのような直観に富んだ一冊。 -
キュアの能力を持つ外科医が癌におかされる
医療とは何なのか、癌とは何なのか
心の救済はどこにあるのか
もがきながら必死で生きる主人公に同調しながら
自分自身も迷う感じ
この作者さんの本は初めて。
他のも読んでみたくなりました -
良い。良いねー
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最初は良かったけど、最後あまりにもぶっとんでいて・・・
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田口アンディの本で一番好きな本。
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医学と哲学と電磁波と癌。つながらなさそうなモノがつながる。モヤモヤしていた生きること医学、食に関してわかったような気がする
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不思議な力を持つ末期ガン外科医の物語
でも意味不明。盛り上がりも救いもなく物語は終わってしまう。なんなんだ? オカルトチックな展開もあり、苦手だなぁ。 -
幼いころから特殊な能力を持つ外科医。
癌細胞の電磁波の差をメスで感じ取り、正確に切り取ることができる。
何より人間の内臓を愛してさえいるのだ。
また、患者の精神にコミュニケーションをとり、
精神状態を整理することもできる。
しかし、本人も若くして末期肝臓癌であることがわかる。
自分の体を自分で執刀できれば・・・
非科学的な療法を取る患者を目の当たりにしながら、悩んだ末、
手術や抗癌剤を使うことを避け、
超能力を使い、癌治療を施すことを死ぬまで行う。
(小説として、結末が少々まともすぎる気もするが。)
そもそも癌とは自分の細胞の変化したもの。
手術や抗癌剤は、体力を低下させる。
それが効果なかった場合の顛末として、
モルヒネ投与。
一瞬、覚醒し、驚くほどの饒舌になり、
肉親と最後の会話をさせた後、
昏睡状態になり、永眠する。
どう見ても安楽死だ。
明日にでも自分に降りかかることがあってもおかしくない。
すい臓がんなら早期発見は不可能、手術も困難。
なぜ、癌になるのか?
生活週間への警告?
長くなりすぎた寿命を短くして、進化を促進するため?